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石原良純を育てた裕次郎の助言、つかこうへいの教え「人生にも通ずる言葉だと思う」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.08.13 16:00 最終更新日:2021.08.13 16:00
■チケット購入の電話が縁で “つか劇団” へ
35歳のときに「★☆北区つかこうへい劇団」の第5期生として入団した。
「そのころ “1年に芝居を100本観る” という目標を立てて、つかさんの事務所にもチケット購入の電話をしたんです。たまたまつか(こうへい)さんがいらして、話しているうちに入団決定。『つかこうへい熱海殺人事件 サイコパス』で主役をいただいたんですけど、そのときにつかさんからかけられた言葉は忘れません。
『主役っていうのはな、正面を見て愛と夢と希望だけを語ってりゃいいんだよ。その代わり、絶対にぶれるなよ。絶対に揺れるなよ』でした。芝居で与えられた役を続けていくのは大変。必ずぶれたり、揺れたりします。だけど、芯はいつもしっかりしていないといけない。この言葉って、人生にも通ずると思うんです」
バラエティ番組への出演も増えた。映画やドラマの「厳しいもの作りの現場」とは対極の雰囲気に良純は驚いた。
「本番はアドリブの連続でスタッフも大声で笑っている。僕にとって衝撃でした。2003年から8年間レギュラー出演した『笑っていいとも!』(フジテレビ系)では “トークのパス回し” を学びました。
本番が終わってから30分、出演者がトークをして、それが日曜日の『増刊号』で放送されたんですけど、なんの脈絡もない、オチもないトークに見えて最後は誰かがシュートを決めてコーナーは成立する。本当にすごかった」
その経験が長嶋一茂、高嶋ちさ子らと共演し、高視聴率をマークする『ザワつく!金曜日』(テレビ朝日系)に生かされているのだろうか。
「出演していてなんだけど、どうして視聴率がいいのかわからない(笑)。工場クイズだって昔からあったしなあ。
ただ、僕は僕自身を “テレビの人間” だと思っているけど、一茂君もちさちゃんもテレビ以外の分野でもエキスパート。『いいとも』はタモリさんが芸能人以外の出演者を上手にいじることで番組がおもしろくなり、そして皆さんに観ていただけた。
『ザワつく』も司会のサバンナ・高橋(茂雄)君が上手にトークを回してくれていることもあって『いいとも』みたいな感じになっているんじゃないかなと思います。僕も力になれていればいいけど」
来年はいよいよ60歳になる。「そうなんですよねえ、60歳。どうしようか」と笑ったあと、良純は改まった口調になった。
「テレビの “存在感” が変わってきていると思うんです。高校生の息子のクラスメイトが僕のことを知らない。いろいろな番組にそこそこ出演しているから、名前を聞けば『あ〜』ってなると思うんだけど、10代はテレビを観ないね。
大坂なおみ選手が全仏オープンを棄権したとき『記者会見はしないのか』となったけど、10代は『SNSで発信してるからいいじゃない』と言う。この先、テレビが娯楽の中心にいるのは難しいのかな。
僕はおかげさまで元気だから60代は気楽、極楽に生きていきます」
底抜けに明るい良純。店内は笑いに包まれた。
いしはらよしずみ
1962年1月15日生まれ 神奈川県出身 1982年に映画『凶弾』で俳優デビュー。その後、『太陽にほえろ!』(1972〜1986年、日本テレビ系)、『西部警察PART-III』(1983〜1984年、テレビ朝日系)など数多くのドラマに出演して注目される。1997年には気象予報士の資格を取得し、お天気キャスターとしても活躍。現在は『週刊ニュースリーダー』(テレビ朝日系)など多くの番組にレギュラー出演中。趣味・特技はテニス、ゴルフ、マラソンなど
【イルピアット カチャトラ】
住所/東京都世田谷区下馬2-34-12
営業時間/火〜金曜日11:30〜14:00、17:00〜22:00(L.O.21:30)、土・日曜・祝日12:00〜14:00、17:00〜22:00(L.O.21:00)
定休日/月曜日
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写真・野澤亘伸
(週刊FLASH 2021年8月17日・24日号)