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松坂桃李がビビった『孤狼の血 LEVEL2』壮絶な雨降らし

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.08.18 20:00FLASH編集部

松坂桃李がビビった『孤狼の血 LEVEL2』壮絶な雨降らし

(C)2021「孤狼の血LEVEL2」製作委員会

 

 昭和末期の広島を舞台に、暴力団同士の抗争と、それに介入する型破りな刑事・大上章吾(役所広司)の姿を過激なバイオレンス描写満載で描いた映画『孤狼の血』。大上亡き後、「孤狼」を継承した日岡秀一(松坂桃李)を主人公に、3年後の抗争を描く『孤狼の血 LEVEL2』が8月20日から全国公開される。

 

 前作に続きメガホンを取った白石和彌監督に話を聞いた。

 

 

――『孤狼の血 LEVEL2』はタイトルどおり、前作を上回る過激なエネルギーにあふれた作品でした。

 

「前作も企画当初は『無茶苦茶に暴れてくれ』というオファーだったんです。結果、いろいろな映画賞をいただき、褒めていただける作品になった。それはありがたいですし嬉しいのですが、僕は褒められる映画を作るつもりはなかったんですよ。そこで今回の続編は、ただただ熱量を上げて、ひたすら暴れまわる映画にしたかったんです」

 

――白石監督作品の特徴にひとつに、とてもテレビでは放送できないレベルの過激な暴力描写があります。その部分でも、本作では限界を超えていました。

 

「前作の描写もかなり攻めていたんです。『拷問で豚の糞を食わせる』という描写なんかは、女性は引くんだなと前作で学びました。今作では、よりストレートに普通の暴力を描こうとしました。自分としては、前作より、どなたでも観やすい作品だと思っています。僕の感覚がおかしいのかも(笑)」

 

――本作は前作の3年後の広島を舞台にしていますが、原作とは違う世界線のオリジナル作品になっています。

 

「前作で結末を原作と変えてしまったことで、ストレートに物語が原作とつながらなくなったのです。僕のイメージとしては、1作目と原作の続編との間の出来事を映画で描いている感じですね」

 

――撮影中のエピソードなどを訊かせてください。

 

「毎回、僕の作品では雨を降らせているのですが、前作で松坂桃李君が『白石組の雨は雨粒が大きい』と言っていたんです。
確かに、僕は画面全体の色味を硬めに作っているので、雨粒が細かいと映りづらいので、大きめに降らせています。それが変な感じでスタッフに伝わったみたいで、『今日は降らせるからな!』みたいな気合が入ってしまいました。

 

 今作はさらに大粒の雨を降らしたので、雨の中での殴り合いシーンの俳優さんたちは大変だったと思います」

 

――アクションシーンに関しても、前作よりパワーアップしていましたね。

 

「殴打のシーンでも、俳優さんが口の中に血糊を含み、台詞をいってから吹きだしたりとか、俳優さん側から案を出してきてくれました。こうなると、バリエーションができて、いい意味で監督のやることは少なくなってくるんですよ」

 

――キャスト人数も多いですし、コロナ禍ならではの撮影時の苦労もあったのではないでしょうか。

 

「環境面や衛生面は慎重に配慮しました。ただ、映画自体がコロナで日和るのは本末転倒です。映画人は映画を撮ってナンボですから。コロナ初期、あるテレビ局では『呼吸が乱れるからアクションシーンは禁止』というガイドラインもあった。それはいかがかなと思っていたので、この映画では、全員がPCR検査を受けた上で思いっきり撮影しました。

 

『怒鳴りあうシーンで唾が飛びますが、どうなんでしょう』と言われても『遠慮なくやってください!』というスタンスでしたね」

 

――オール広島ロケならではのエピソードもあったそうですね。

 

「オフのときも、広島にいる俳優さんたちはみんな外出禁止なので、広島に『居酒屋 孤狼の血』を作ったんです。コロナで閉めてしまった居酒屋を撮影中に借り切り、撮影関係者のみのプライベート居酒屋としてオープンしました。

 

 ふだんは、俳優部、撮影部、照明部と、みんな撮影後に行く店が別々で、なんとなくテリトリーがわかれるんです。でも、今回はそれがひとつなので、その居酒屋に行くと誰かしらいる。

 

 鈴木亮平と照明部の若い助手さんが一緒に飲んで、脚本について語りあう。そういった機会はふだんの撮影ではないので、非常に貴重だったと思います。鈴木君が『松坂桃李よりも、おれにちゃんとライト当てろよ』『もちろんです!』みたいなやり取りもありました(笑)。

 

 昔の撮影現場では当たり前だった懐かしい光景が、奇しくもこのコロナ禍で実現したのは、新鮮ですし嬉しかったですね」

 

――白石監督は、これからどのような映画を作っていきたいのでしょうか。

 

「こうった暴力をメインとした過激な映画をやりつつも、いろいろなことに興味はあります。時代劇をやってみたいという気持ちがあり、いま企画をいくつか進めています。ただ、エンタメをやるという部分は関しては、ブレずにやっていくつもりです」

 

――次回作は『仮面ライダーBLACK』が決定しています。

 

「テレビシリーズの世界観は踏襲しつつ、まったく新しいヒーロー像を作りたいので、期待してほしいですね。
 庵野秀明監督も実写で『シン・仮面ライダー』を撮るので、負けない作品にしたいという気持ちもあります。“庵野秀明という正当なライダーファンにして天才と戦う” というプレッシャーは感じています」

 

――最後に『孤狼の血 LEVEL2』に関してひと言お願いします。

 

「バイオレンスな作品ですが、そこに濃厚な人間ドラマがある。それを紐解くと、この映画の面白さがわかると思います。作り手がやりたい放題に暴れているのが伝わるのか、観た方たちが軒並み『元気が出た』と言ってくださる。元気を出したい人は観に来てください。最高のストレス発散映画ですし、コロナをぶっ飛ばせる映画だと思います」

 

写真・志波慎寿介

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