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【坂本冬美のモゴモゴモゴ】一念発起して家庭菜園を開始…いつか『忍冬』も育てたい
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.08.21 06:00 最終更新日:2021.08.21 06:00
忍ぶ冬と書いて、スイカズラ。なんともおしゃれなこの作品で、詞を書いてくださったのは、内館牧子先生。曲を書いてくださったのは、平尾昌晃先生です。
デビュー17年めの2003年、NHK金曜時代劇『転がしお銀~父娘あだ討ち江戸日記~』の主題歌として歌わせていただいた曲でした。
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主演は伊東四朗さんと『冬のソナタ』で、チェ・ジウさんの吹き替えをされていた田中美里さん。
このコラムを読みながら、「あ~、そういえば!」と、頷いている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
『忍冬』に登場する女性は、優しくすべてを包み込むというタイプではなく、いつだって自分の足で大地を踏みしめ、凛としている――。
わたしが歌うからそうなったのか。それとも、転がしお銀のイメージがそうだったのか……内館先生にお伺いしてみないとわかりませんが、深く追求するのは野暮というものです(笑)。
――えっ!? 最終回のエンディングに、小唄のお師匠さんふうの衣装で、わたしが出ていた? まぁ、それはいったいどういうことでしょう? 目の錯覚ではございませんか? まさか……そんな……モゴモゴモゴ。
この『忍冬』は、それまでわたしが歌わせていただいた曲とまるで違う……というわけではありません。詞も曲も、似たタイプの歌はありました。でも、だけど、しかしです。
内館先生のおしゃれな詞が、平尾先生の洗練されたメロディラインに乗ることで、それまでのものとはちょっとだけ違う作品になっている――このビミョーな感覚が、わたしの中では、とても新鮮なものとして映っていました。
不思議なのは、こんなに素敵な『忍冬』を、これまで一度も生で歌っていないということです。
なぜ? う~~~ん。考えてもわかりません。
■昨年、一念発起して花育と家庭菜園を開始
そういえば……。コロナ禍でお仕事がなくなった昨年3月から、ベランダでガーデニング……花育と家庭菜園を始めたのですが、ここにも白と黄色、可憐なスイカズラはありません。
時間はあるのに、どこにも行けない。よぉし、ガーデニングでもやってみるかと、一念発起。通信販売で、プランターから土まで。ついでに、テーブルと椅子のセットにパラソルまで買い揃え、得体の知れない奇妙な虫と戦いながら、潤いのある生活を追い求めている毎日……。
ブーゲンビリアにネメシア、セントーレアシルバーフェザーにラベンダー。アスパラ、パセリ、ルッコラ、ピーマン、エンドウ豆……日に日に増えていっているのに、なぜか、スイカズラの甘く優しい香りは漂ってきません。
いつか、スイカズラも育ててみたいとは思っているのですが……。
そして、いつか……この『忍冬』を生で歌う日はくるのでしょうか……。
う~~~~~~ん。そうですねぇ。
いつとは、断言できません。できませんが、きっと、いつか……そんなに遠くはない、いつか……スイカズラの花がベランダで可憐に咲き、わたしが『忍冬』をステージで歌う日がくるはずです。
大量のミミズをジェット水流で吹き飛ばし、ミニトマトにしては大きすぎるミニトマトを収穫して、ご満悦になっているだけが、坂本冬美じゃありません。その日がくるのをファンの皆さんも楽しみにしていてください。
さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』など数多くのヒット曲を持ち、『また君に恋してる』は社会現象にもなった。最新シングル『ブッダのように私は死んだ』を含む、35周年記念ベスト『坂本冬美35th』が発売中
写真・中村功
構成・工藤晋
(週刊FLASH 2021年8月31日号)