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二階堂ふみ『プロミス・シンデレラ』クズすぎる眞栄田郷敦の成長で最高視聴率
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.08.24 11:00 最終更新日:2021.08.24 11:00
視聴率が上向いてきているのは、ラブコメにおけるヒットのセオリーがここに来て実を結んだからかもしれない。
二階堂ふみ主演の火曜ドラマ『プロミス・シンデレラ』(TBS系)は、第1話の世帯視聴率が7.9%と低調なスタート。その後は第2話7.8%、第3話6.7%、第4話6.2%と右肩下がりだったが、6%台に沈んだ2回は東京五輪開催期間中だったため致し方ない。
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そんななか、先々週放送の第5話で8.1%と番組最高視聴率を記録し、先週放送の第6話も8.1%をキープ。
(※視聴率はビデオリサーチ調べ/関東地区)
不人気ドラマは “初回=最高視聴率回” となることが多いため、中盤で最高視聴率を記録するのは作品としての地力がある証拠。今後、二桁視聴率に届くかどうかはわからないが、初回から観ている固定ファンだけでなく、途中から視聴を始めるファンも増えてきているということだろう。
■第1話のクズっぷりは第6話を盛り上げる布石
本作はバツイチのアラサー女子・桂木早梅(二階堂)、高級老舗旅館の若旦那・片岡成吾(三代目J SOUL BROTHERS・岩田剛典)、その弟でひねくれた性格の高校生・片岡壱成(眞栄田郷敦)の三角関係もの。
兄・成吾は絵に描いたようなジェントルマンで、早梅にとっては王子様的存在。一方の弟・壱成はカネ持ちのボンボン息子特有の難アリな性格で、端的に言うならクズイケメンだった。
事実、第1話では同級生の冴えない男子をイジメていたり、ホームレス生活を送っていた早梅の靴を池に投げ捨てたり……。
また、壱成に気のあるお嬢様に恥をかかせるため、そのお嬢様のバースデーパーティーで早梅に命令して、「お前みたいなビッチと付き合えるか、バーカ!」と言わせるなど暴挙の数々を披露した。
正直第1話の時点では、こんな性格最悪なクソガキと大人の女性である早梅の恋愛展開は、相当無理があるんじゃないかと思っていた。
しかし、である。
視聴者に壱成のマイナス印象を徹底的に植え付けていたのは、このための布石だったのだと、先週放送の第6話を観て感じたのだ。第2話~第5話でも壱成が少しずつ人間的に成長していく様子はあったが、第6話では彼の急速な成長が描かれたのである。
まず第6話は壱成の謝罪行脚のような回だった。家から追い出してしまった早梅を抱きしめながら、「悪かった、俺が全部悪かった。だから出ていくな」と謝罪。
また横暴や不遜な態度を取っていた執事や祖母にも「悪かった」と素直に謝り、カネ目当てと勘違いして遠ざけていた友達にも謝って仲直りしたのだ。
旅館内の茶房が賑わい、忙しそうにしているのを見て、手伝いを買って出たかと思えば、自ら申し出て夏休み中はその茶房のスタッフとして働くことを決意。翌朝のミーティングにて早梅を含む仲居たちの前で、「片岡壱成です。よろしくお願いします!」と力強く、凛々しく挨拶するのだった。
早梅への恋心が、大人になりたいと壱成自身に思わせる原動力になっているのは間違いない。
性格の悪い金持ちボンボンが改心して人間的成長を見せる。ラブコメを盛り上げるための定石的展開ではあるものの、やはり初回からクズっぷり全開だったクソガキが大人になっていく姿は、惹きつけるものがある。
第1話では、こんないけすかない高校生を主人公が好きになっていくというストーリーは無謀に思えたが、そんなマイナススタートだったからこそギャップの振り幅が大きくなり、第6話の急速成長にグッと来たのも事実だろう。
そして、そんな早梅と壱成の距離が縮まっていく様を目の当たりにした兄・成吾が、静かに嫉妬の炎を燃やす。
成吾を演じる岩田のジェラシーの表情がとても艶っぽく、ラブコメ好きの視聴者の琴線に触れるシーンだった。
――このように、ラブコメヒットのセオリーへと昇華させるために、これまで積み上げてきたものが結実した感のあった第6話。今夜放送の第7話は、さらに自己最高視聴率を更新できるかどうか、注目だ。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中