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【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『ただいま故郷』を出した年、初めて泉ピン子さんと舞台共演…人見知りで、繊細で、まっすぐな人

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.08.28 06:00FLASH編集部

【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『ただいま故郷』を出した年、初めて泉ピン子さんと舞台共演…人見知りで、繊細で、まっすぐな人

新歌舞伎座特別公演『恋桜-いま花明かり-』で泉ピン子(右)と共演する坂本冬美

 

「もしもし、冬美ちゃん?」
(この声は……泉ピン子さんです)

 

「見てるわよぉ、あれ」
(あれ……というのは!?)

 

「あれは、あれよ。ほら、モゴモゴモゴ……っていうやつ」

 

 心なしか、ピン子さんの声のトーンがいつもと違っているような。まずい……非常に、まずいです。もしかしてわたし……へんなことを書いちゃったのかしら……。脇の下に冷や汗が流れます。

 

 

 でも、しかし。続けて、ピン子さんはおっしゃいました。
「いいわよぉ。モゴモゴモゴに、私のことも書いて」

 

――というわけで、今回は、ピン子さんスペシャルです。

 

 ピン子さんと初めて同じ舞台に立たせていただいたのは、故郷・和歌山を歌った4曲入りのコンセプトシングル『ふるさとの空へ』をリリースした2018年でした。

 

 吉幾三先輩が作ってくださった『熊野路へ』。生まれ故郷・上富田町に歌碑が立つ『ただいま故郷(ふるさと)』と『鳳凰の町』。紀の国わかやま国体のイメージソングにもなった『明日へと』。目をつぶると、青春時代の思い出が浮かびます。

 

 真っ黒に日焼けしてソフトボールの球を追いかけた日々。初恋の人、山本くんの横顔。水着に着替え、赤橋から川に飛び込んだあの夏の日……。いやぁ、青春です。

 

――えっ!? ピン子さんの話はどこへ行った? ピン子さんが怒ってるぞ(笑)。話をピン子さんに戻しましょう。

 

 ピン子さんと同じ舞台に立ちたい――腹を括ったわたしは、ピン子さんに「機会があったら、ぜひ」と、お願いをしてみました。ところが、です。返ってきたお返事は、わずか三文字。「やだよ」です。

 

「いや、でも……あのぅ」
「いやだったら、い・や・だ」

 

 ……にべもありません。

 

 10年近く舞台から離れていらしたピン子さんにしてみればそれも当たり前ですが。

 

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