エンタメ・アイドル
【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『風うた』リリース年の大イベント…イ・ビョンホン様と11年ぶりの再会を
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.10.23 06:00 最終更新日:2021.10.23 06:00
演歌とフォーク――。
その成り立ちや歴史は大きく違いますが、歌手という立ち位置でいうと、フレージング……1番と2番で譜割(ふわり)が違ったりとか、細かいところでの差異を除くと、2つはとても近いところにあるような気がします。
親子や兄弟とまではいきませんが、そうですねぇ、おじちゃんとおばちゃんというところでしょうか(笑)。わかりやすく言っちゃうと、演歌歌手にとってフォーク調の曲は相性がよくて、とっても歌いやすいんです。
関連記事:【坂本冬美のモゴモゴモゴ】休養中に発売された『うりずんの頃』…なぜか自分の死亡記事を読むハメに
1974年に日本レコード大賞を受賞した森進一先輩の『襟裳岬』は、作詞が岡本おさみさん、作曲が吉田拓郎さん。美空ひばり大先輩の『愛燦燦』の作詞、作曲は小椋佳さん。『また君に恋してる』も、オリジナルはビリーバンバンさんの歌でした。
同じ『襟裳岬』でも、森進一先輩が歌うと演歌で、吉田拓郎さんが歌うとフォーク……大きく違うのはそれくらいかなと……。
杉本眞人先生が作ってくださったこの『風うた』も、フォーク調の楽曲で。心に沁みてくるような、そんな素敵な歌です。
さらに、さらに。吉田旺先生がわたしのために初めて書いてくださった詞が、またいいんです。
“齢” と書いて “きせつ” と歌う。立ち止まって、その “きせつ” を振り返ったときに、故郷を懐かしく思い出したり、両親や友達の顔を思い浮かべたり……レコーディングしたときは感じなかったことを、あれこれ考えるようになって……。
わたし自身が、そういう齢になったということなんでしょうね。一時期、コンサートでは歌っていなかったのですが、最近になって、また「あぁ、この歌を歌いたい」と思うようになり、コンサートで歌わせていただいています。
■心臓はドッキドキ脚はガックガク
ただ、ひとつだけ、この歌にはちょっとした問題がありまして。2番の冒頭に「母の形見の……」という歌詞が出てくるのですが、これを聴いた母が「なんか、お母ちゃんがいないみたいや」と、不満気な顔をするのです。
もっとも、テレビの歌番組で歌うのは、ほとんどの場合1番と3番。母が聴く機会はあまりなかったんですけどね(苦笑)。
さぁ、そしてもうひとつ。この『風うた』をリリースした2015年には、忘れられないビッグイベントがありました。韓流映画『メモリーズ 追憶の剣』ジャパンプレミアへのゲスト出演です。
恐れ多くも、わたしが仰せつかったのは……ビョン様(イ・ビョンホン)に花束をお渡しするお役目です。まぁ、どうしましょう!? そんな夢のようなことがあっていいんでしょうか。
胸に忍ばせたのは、いつもは枕元に置いている1枚の写真。2004年の『紅白歌合戦』にスペシャルゲストとしてお越しくださったとき撮っていただいた、ビョン様とわたしのツーショット写真です。
あれから11年。わたしにとっては感動の再会です。お逢いしとうございましたと、その写真をそっと差し出すわたし――。嗚呼、それなのに…a…。ビョン様はというと、見事なまでの無反応です。そりゃ、そうですよね。期待したわたしが、バカでした(笑)。
そのイベントの動画が、YouTubeにアップされているので、興味のある方はご覧になってください。心臓はドッキドキ。脚はガックガクのわたしでしたが、けっこういい仕事をしていますから(笑)。
さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』など数多くのヒット曲を持ち、『また君に恋してる』は社会現象にもなった。『情念POPS』をセレクトして制作された最新コンセプトアルバム『Love Emotion』を10月27日にリリース
写真・中村功
構成・工藤晋