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石井正則、人との出会いが自分の糧に「ご縁を大切にすることが唯一の美徳」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.11.14 11:00 最終更新日:2021.11.14 11:00
「いやあ、懐かしいなぁ。とん平焼きはやっぱりこの味ですよ」
焼きたてを頬張り、満足そうな表情を浮かべるのは、石井正則。「てっぱん 御圓屋」があるのは神奈川県横浜市の黄金町。石井にとって “ご縁” を結んできた、思い出深い店だ。
「30年ぐらい前に、伊勢佐木町のゲームセンターでアルバイトをしていたんです。この世界を目指していたんですが、どうしていいかわからないし、お金もないしで。一緒にアルバイトをしていた村上くんが、パチンコで勝つと『じゃあ、石井くん行こう』と言って、御圓屋さんに連れてきてくれたんです。
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自分のお金では行けないので、村上くんがパチンコで勝たないと行けない。だから食べるものを選ぶのも村上くん。腹が減っているからとん平焼きとお好み焼きをよく頼んでいました」
石井は鉄板の上にさっと油を引き、具材をよく混ぜた生地を広げていく。慣れた手つきだ。
「当時は村上くんが焼いてくれたんですよね。彼はその後、福岡の実家に帰ってお寿司屋さんを継いで、大将をしています。僕は……自分のお金で食べられるようになったら、御圓屋さんに、なんて思ってたんですよね。
ところが、やっとこの世界で生活できるようになったころ、ある日通りかかったら、御圓屋さんがないんですよ。もう、びっくりして何年かぶりに村上くんにメールをして『御圓屋さんがない!』『なんだって!』みたいなやり取りをしました」
だが、“ご縁” は残っていた。ちょうど1年前、出演ドラマの撮影がワンシーンだけ黄金町でおこなわれた。衣装替えのためにロケバスへ向かうと、目の前に懐かしい御圓屋の看板があった。
「監督やプロデューサーに『このあたりに昔よく通っていた、美味しいお好み焼き屋さんがあったんですよ』なんて話していたときの、まさかのタイミングでした。本当に驚いて、また数年ぶりに村上くんにメールしましたよ。『御圓屋さんがあった!』って」
二代目店主の西尾貞俊さんによると、8年ほど前に歩いて数分の現在の場所に移転。先代の奥さんに今回の取材の件を話すと、石井のことをよく覚えていた。石井もまた取材を受ける店は、御圓屋しかないと思ったと話す。
「すごい偶然ですよね。そのときは撮影途中だったので、ご挨拶だけさせていただいて『また来ます』ってお伝えしたんです。そしたらコロナ禍になってしまい、外食ができなくなってしまった。でもそんな状況も快方に向かって、今日はこうやって御圓屋さんの懐かしい味を堪能できる。これも嬉しいご縁ですよね」