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『真犯人フラグ』西島秀俊を “掌で踊らせすぎる” 展開に、トンデモ結末への期待が高まる

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.11.14 11:00FLASH編集部

『真犯人フラグ』西島秀俊を “掌で踊らせすぎる” 展開に、トンデモ結末への期待が高まる

 

 わざわざ『真犯人フラグ』(日本テレビ系)なんてタイトルを付けたぐらいだから、普通のミステリー作品のセオリーにおさまらない “真犯人” なのかもしれない。

 

 それこそ “主人公以外が全員真犯人” なんていう、突拍子もないラストが待っている可能性もゼロではないだろう。

 

 

 男子小学生と女子高生の2人の子を持ち、妻・真帆(宮沢りえ)との夫婦仲もいい平凡なサラリーマンだった主人公・相良凌介(西島秀俊)。

 

 しかし、これから夢のマイホームを建てようかという幸せ絶頂だったある日、突如妻と2人の子供が謎の失踪。そして凌介の行動が裏目裏目に出て「ダンナが殺したんじゃないの?」と、日本中から自作自演の真犯人だと疑われてしまう。

 

 先週放送の第4話では、凌介が誹謗中傷を止めるため記者会見を開く。だが、身元不明の子供の冷凍遺体が会社に送りつけられていたことを記者から詰問され、会見は逆効果になってしまう。警察や会社に口止めされていた情報だったため、答えられなかったのだ。

 

 どこかの子供の冷凍遺体を送りつけたり、長女のローファーをコンクリートに埋めたり、長女のスマホのGPSで群馬の山中におびき寄せたり、凌介の不倫疑惑の画像をSNSでさらしたり……と、真犯人は凌介を掌の上で踊らせるようなことばかりしてくるのである。

 

■この作品タイトルでは “意外な犯人” は意外にならない

 

 本作は半年に及ぶ2クールで放送される長編作品のため、通常のドラマ以上に話を引っ張る必要がある。そのため黒幕が1人だと仮定するなら、現時点で怪しいシーンが描かれている人物は、逆に真犯人である可能性は低いだろう。

 

 たとえば、第4話で怪しさ満点だった同じ団地に住むシングルマザーや、たびたび死んだ魚のような目をする凌介の会社の宅配ドライバー、神出鬼没で不気味な発言を繰り返す猫おばさんあたりは、劇中で不穏な描写がありすぎるので黒幕の可能性は低いのではないか。

 

 そうやって考えると、今のところ劇中ではさほど怪しくない “いい人” が逆に怪しく思えてくる。

 

 バディ的存在となっている凌介の頼れる女性部下(芳根京子)、凌介の大学時代からの親友の週刊誌編集長(田中哲司)、同じく親友のバー店長(迫田孝也)などが黒幕だと、従来のミステリー作品的には妥当だ。

 

 第3話で、親友2人が、実は大学時代にマドンナ的存在だった妻・真帆のことが好きだったとカミングアウトするシーンがあった。

 

 酒を飲みながら笑い話的に語っていたが、実はその恋愛感情が誘拐の動機だったなんて結末であれば、伏線が張られていたことになるだろう。

 

 第4話では、女性部下が凌介から家庭の話を振られた際、「普通の家の普通の子ですよ」と返すシーンがあった。

 

 その会話の流れで凌介が「どうしてそんなに折れないでいられるの?」と尋ねると、女性部下は一瞬虚を突かれたような真顔になり、「負けたくないんだと思います、他人の悪意に」と意味深に答えていた。

 

 もし女性部下が黒幕で、彼女の過去や家庭事情が動機にかかわっていたとしたら、このシーンも伏線だったということになる。

 

 また、誘拐されたと思われている妻・真帆の自作自演だったとしても、“意外な人物” が犯人というミステリー作品のセオリーから考えると、それほど驚きはない。

 

 ただ、今あげたのはあくまで一例で、正直このように疑い出したらキリがない。タイトルが『真犯人フラグ』なのだから、そうやって登場人物たちの些細な言動で視聴者を疑心暗鬼にさせることが本作の狙いだろう。

 

 これでは、凌介が真犯人の掌の上で踊らされているように、我々視聴者が制作サイドの掌の上で踊らされているようなもの。

 

 そこで、もう一度タイトルに着目したい。

 

 あえて『真犯人フラグ』なんて作品名にしているのだから、王道のミステリー作品の定石的推理でたどり着けるような真犯人ではない気がする。その斬新なタイトルが推理のハードルを極端に上げるため、いわゆる “意外な人物” が犯人だったとしても意外性がないのである。

 

 あくまでひとつの仮説だが、凌介の行動がここまで見事に裏目裏目に出ているのは、そういう策略にハマってしまっているからだとしよう。そして、こんなにも周到なシナリオを遂行できるとしたら、真犯人は1人ではない可能性が濃厚になってくる。

 

 となると、突拍子もない説に思えるだろうが、“真犯人=主人公の親しい人間全員” なんてこともありえるかもしれない。

 

 ジム・キャリー主演の映画『トゥルーマン・ショー』(1998年)は、両親も妻も親友も、関わる人物すべてが実は俳優で、主人公はみんなに騙されているというストーリーだった。

 

 本作も真実を知らないのは凌介だけで、妻や親友や部下ら全員がグルでハメている、要するに劇中で真犯人フラグが立った全員が犯人グループの一員だった……ぐらいのトンデモ結末が用意されているかもしれない。

 

――回を追うごとに考察が盛り上がる『真犯人フラグ』、第5話は今夜放送だ。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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