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『ラジエーションハウスII』本田翼の留学展開が気になるが…興がそがれた最終回前の映画化発表

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.12.13 11:00FLASH編集部

『ラジエーションハウスII』本田翼の留学展開が気になるが…興がそがれた最終回前の映画化発表

 

 最終回前に映画化発表…それって、はたして視聴者ファーストなのか? 拝金主義ではないのか?

 

 今夜最終回を迎える窪田正孝主演の月9ドラマ『ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系)。2019年4月期に放送した前作の続編で、先週放送の第10話は世帯視聴率11.2%、個人視聴率6.4%と高水準をマーク。世帯視聴率は第2話の9.8%をのぞいて二桁視聴率を獲得しており、最終回直前まで優秀な数字を残している。
(※視聴率はビデオリサーチ調べ/関東地区)

 

 

 本作は、写真には必ず “真実” が写ると信じる天才放射線技師・五十嵐唯織(窪田)を中心に、個性豊かなメンバーが揃う病院の放射線科(ラジエーションハウス)を舞台にしたヒューマン医療ドラマだ。

 

■先週の第10話で最終話を盛り上げていたが…

 

 先週放送の第10話は、前院長で循環器内科長の大森渚(和久井映見)が、命の危険がある新生児に対し、母親の希望している心臓カテーテル治療をするために奮闘する回だった。合理化を推し進める院長(高嶋政宏)は、新生児への心臓カテーテル治療は前例がないとの理由で大森を担当から外そうとする。ふだんは事なかれ主義で長い物には巻かれるタイプの副院長は、当初、院長の方針に従っていたが、直前で大森を支持。

 

 寝耳に水で反旗を翻された院長は「病院の方針に逆らうつもりなのか!」と詰め寄るが、副院長は「いえ、従ってます。エコーを併用すれば、精度もスピードも格段に上がります。最も成功率の高い方法を取るのが、この病院の方針のはずです」と反論。院長のダブルスタンダードを指摘し、論破して黙らせるという痛快な展開で、もちろん大森は治療を見事成功させ、新生児の命を救うのだった。

 

 そんな主人公以外の中高年レギュラーの活躍が光った最終回1話前。ヒロインの放射線科医・甘春杏(本田翼)がワシントンへの留学を考えていることや、五十嵐と甘春の幼馴染みが病院内で急に倒れたことなどがあり、最終回に向けて盛り上がりを見せていたのだが、問題は物語の “外” で起こったのである。

 

■“本当の最終回” が観たいならお金を落とせ?

 

 先週の放送終了後に、来年4月29日に映画が公開されることが発表されたのだ。映画版の劇中シーンが詰め込まれた特報映像も解禁されているため、すでに撮影も終了しているのかもしれない。

 

 さて、この前倒し発表、はたして視聴者ファーストなのだろうか?

 

 普通はドラマ最終回を観終えた視聴者たちは、もうこの作品の世界観も見納めかもしれない、もうこのキャラクターたちに会えないかもしれないと余韻にひたるもの。それなのに、最終回前に映画版を発表するなんて、無粋ではないか。水面下で映画化が決まっていてもいいが、それを最終回前に発表してしまうとは……。せめて最終回から1カ月ぐらい空けられなかったのか。

 

 もちろん好意的に解釈すれば、視聴者たちにロス気分を味あわせないための配慮とも考えられる。が、早めに情報解禁して映画版への期待感を煽り、興行収入を稼ごうとする拝金主義にも思えてしまい、節操がないように感じるのである。

 

 ドラマはドラマできちんときれいに幕を下ろすのかもしれないが、その後の物語が予告されているのだから、「続きが気になるならお金を払ってください」と言われた気分になるだろう。ドラマでは最終回特有の余韻には浸れないだろうし、興ざめするファンもいるではないか。

 

■大ヒットでなくても映画化を乱発するフジテレビ

 

 近年のフジテレビは、そこまでヒットしたわけでもないドラマを次々と映画化している。

 

 世帯視聴率で一度も二桁に乗せられていなかった、『シグナル 長期未解決事件捜査班』(2018年 ドラマ版の放送年、以下同)と『ルパンの娘』(2019年・2020年)は今年映画化。二桁視聴率に乗る回もあったがほとんどが一桁視聴率だった『シャーロック アントールドストーリーズ』(2019年)も来年映画化される。

 

 確かにフジテレビは『踊る大捜査線』(1997年)を筆頭に、『HERO』(2001年・2014年)、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(2008年・2010年・2017年)、『コンフィデンスマンJP』(2018年)を映画化させ、莫大な興行収入を稼いだ実績がある。

 

 特に『コンフィデンスマンJP』は、ドラマ版の世帯視聴率は一度も二桁に乗らなかったが、映画版は興行収入・何十億円と稼ぐヒットシリーズに成長したため、『コンフィデンスマンJP』に続けとばかりに映画化を乱発している印象は否めない。『ラジエーションハウス』の映画化もその流れだろう。

 

 テレビ局にとってドラマの映画化は手堅いビジネスだということはわかる。ドラマ版の視聴率でどれぐらい固定ファンがいるかわかっており、大爆死して赤字になる確率は低い。それでいて、『コンフィデンスマンJP』のような金脈に成りえることもあるのだから、ローリスクで宝くじを買うような感覚なのかもしれない。

 

 けれど、かつてはドラマが大ヒットしたから映画化というのがセオリーであり、つまりは映画化することにプレミア感があったのだ。今のように大ヒットとは言えないようなドラマの映画化を乱発しては、“映画化” 自体の格が落ちてしまうのではないか……。

 

 映画化発表で興が削がれたとは言え、本田翼の将来がどうしても気になる『ラジエーションハウスII』、最終回は今夜放送である。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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