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M-1ファイナリスト「モグライダー」東京若手芸人たちが激賞し続けたコンビが本番をかき乱す
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.12.14 17:07 最終更新日:2021.12.14 17:16
初代王者・中川家から始まり、アンタッチャブル、サンドウィッチマンなど数多くの人気芸人を世に出してきた、漫才日本一を決める「M-1グランプリ」。
昨年はマヂカルラブリーが、激しい動きと、自ら「リモート漫才」(村上)と称したほど距離をとったままの異色漫才で優勝。「これは漫才か? 漫才じゃないか?」論争を巻き起こし、年が明けてもしばらくその余韻は続いた。
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SmartFLASHでは、今年もM-1グランプリ2021決勝に駒を進めたファイナリスト9組を直撃。12月19日(日)の決勝までの毎日、1組ずつ紹介していく。
5組目は「モグライダー」。何年も前から東京の若手芸人たちがこぞって称賛し、決勝で戦うゆにばーす・川瀬に「今年はモグライダーvs.他の9組だ」とまで言わしめる実力派が、とうとう決勝の舞台にまで上り詰めた。
「こなれると面白くなくなる」天然素材のボケ・ともしげのよさを活かすべく、これまでネタ合わせを極力せずに舞台に上がり、ツッコミ・芝大輔の華麗な手綱さばきで爆笑をさらってきた。“やっと本気を出した” 2人が、今年のM-1をかき回す。
――初の決勝進出おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。
芝大輔 正直なところ、まだ実感がないというか、ふわーっとしています。毎日一緒に劇場に立っているメンツが多くいるので、「これホントにM-1かな」という感覚。M-1の主催者変わったのかな(笑)。審査のブレなさが、ホントにガチだなと感じています。「テレビ的に成立させようと思ったら、このメンツにしないよな」と勝手に考えちゃってますが、僕らは楽しみしかないです!
ともしげ こんなに顔見知りの芸人たちが決勝に行くことがあるんだ! って。準決勝会場のお客さんがすごく温かかったので、本番も温かく見守ってくれたらなと思っています。テレビで放送される決勝はまた違う雰囲気だと思いますし、なにより審査員のみなさんがいらっしゃる前で漫才を見せる機会なんて本当に経験のないことで……。
芝 テレビで観ていたあの舞台に出るんだもんな……。
ともしげ ちょっとパニックです。
――準決勝までを振り返っていかがでしたか。
芝 3回戦までは会心の手応えがないままでちょっと不安でしたが、振り返ってみるとそれがよかったと思います。例年はもっと手応えを感じていましたが、今年は毎回気が抜けなかったことで初の準決勝進出につなげられたのかな、と。浮足立つことなく準々決勝を乗り越えられたのは大きかったです。
ともしげ 以前の僕たちはタイムオーバーしちゃうような芸風で、尺もちゃんと詰めないでネタをやっていたんです。でも、これじゃ勝てないぞ、そういったところをちゃんと考え直そうと思い始めたのがこの2年くらい。今年はずっと誠心誠意M-1に取り組んできたことが結果につながったと思います。継続は力なりです。
芝 自分たちのなかで、舞台衣装なんて関係ねぇだろうって講釈をたれていたところもあったんです。でも、本当にウケようと思ったら、姿勢、衣装、そういうこともちゃんと考えなきゃいけないなと。毎年、M-1で密着してくださるディレクターさんに「今年はなんかあったんですか?」と言われるくらいでした(笑)。すごくマジメに変貌していたみたいで、以前のオレたちはどんだけヒドかったんだと思いましたね(笑)。
――優勝賞金1000万円の使い道は考えていますか?
芝 嫁と娘がいるので、まずはいま住んでいるアパートから引っ越したいです。今のところ奥さんの稼ぎで家計を持たせていて、これではまずいと本当に思っているので、このM-1で挽回したいと考えています。
ともしげ 親はもちろんのこと、お世話になっている人がめちゃくちゃ多いんです。特にお世話になっているのが三四郎の小宮(浩信)。同期なんですが、飲みに行くといつもおごってくれて。賞金でおごり返したいと思います。あと、車が大好きなので購入しようと思っています。相方からは運転が危ないから乗るなと言われているんですが(笑)。
――「ファイナリストのなかで自分たちが一番○○だ!」と言えるものは何でしょう?
芝 褒められたことではないですが、「一番練習していない」ですね。練習嫌いなわけではないですが、全ファイナリストのなかで一番少ないと思います。よく決勝に上がれたなと思いますね。でも、それが予定調和じゃないどう転ぶかわからないワクワク感につながっているのかなと思います。
ともしげ バカバカしさが一番だと思っているんです。たとえバカバカしくても、2人で面白いと思ったことをやれているので、自分たちがバカバカしくしていることが楽しく伝わればいいなと思います。
――ほかのファイナリストで意識しているコンビはいますか?
ともしげ 錦鯉とランジャタイ、真空ジェシカは意識しちゃいますね。面白いと思っている人たちなので、決勝でもきっとウケるだろうし。ライバルというわけではないですが、競っている友達だからこそ一緒にウケたいです。
芝 今回のファイナリストはみんなそれぞれ仲のいいメンバーで。ランジャタイの国崎なんてほぼ毎日一緒にいますし(笑)。アイツの携帯の待ち受け画面、オレの娘ですから(笑)。真空ジェシカもライブでけっこう一緒になりますし、錦鯉もずっと一緒で。僕、モグライダーを組むまではツッコミじゃなかったんですが、最初に憧れたのが錦鯉・渡辺(隆)さんなんです。お兄さんみたいな感じでもあるんで、錦鯉は意識しますね。
ともしげ ゆにばーすの川瀬名人は「今年はいけますよ」と会うたびに言ってくれていて。
芝 川瀬が僕らの名前をよそでたくさん言ってくれていたみたいで。そうしたメンバーが一緒に決勝に上がれたことが嬉しいですね。
――敗者復活で勝ち上がってきたら脅威だと感じるコンビは?
ともしげ 見取り図、ニューヨーク、アルコ&ピース、ハライチさん。すでにテレビで活躍している人たちが勝ち上がってきたら脅威です。さや香さんとか金属バット……大阪の盟友たちも脅威ですし。僕、お笑いが好きでみんなのことをすごく見てるんですが、それぞれいいところがあるし、選べないです……。
芝 僕は見取り図かな。もう何年も連続で、文句なしに面白くて決勝に上がっているコンビですし、このままでは終わらないと思います。敗者復活できたらとんでもないですよ。すごい昔、大阪に遊びに行ったときに、何も知らずに劇場へ行って、見取り図を舞台で観たんです。そのとき初めてネタを観たんですが、これがすっごい面白くて。“見取り図” とだけメモして帰ったんです。M-1の決勝に出たときに「あのときの見取り図が、本当に決勝に行っちゃうんだ」と思ったのを覚えてます。
――今年1年を “4文字” で表すと、どんな言葉になりますか?
ともしげ 「天真爛漫」という4文字を意識した1年でした。僕って天真爛漫そうに見えて、実はそうじゃないだろうと言われることが多くて。マスコットみたいな風貌して、性格が悪かったり腹黒かったりするので(笑)。
芝 コスいもんな。
ともしげ そういうところはよくないなぁと思って、変えようと。人を笑顔にする仕事をしているんだから、根っからの天真爛漫さをにじみ出せないといけないなと思っています。まだ全部が天真爛漫ではないですが、この1年は特に意識してきました。
芝 僕は「シンプル」ですね。これまで基本的にはシンプルに生きてきたんですよ。でも、たとえばネタのことを考え出すと、いろんなものがこんがらがって、あれもこれもと頭が重くなっていくことが多かったんですよね。そこをもう一回、シンプルに考えるようにしました。公私ともにシンプルな1年だったと思います。
――最後に、決勝へ向けた意気込みを一言で!
ともしげ モグライダーを知ってもらう大会にしたいです。しっかりと爆笑をとって覚えてもらいたいと思います。あとは……生放送にうまく対応できるように頑張ります!
芝 ともしげによる放送事故を必ず防ぎます。M-1グランプリは僕が守ります。
※「M-1グランプリ2021」は今年も今田耕司・上戸彩を司会に、12月19日(日)18:34からABCテレビ・テレビ朝日系で生放送
構成&文/松田優子
( SmartFLASH )