M-1ファイナリスト「ランジャタイ」優勝か最下位か…異彩を放つ“スベりすぎ” コンビが野に放たれる

 

　初代王者・中川家から始まり、アンタッチャブル、サンドウィッチマンなど数多くの人気芸人を世に出してきた、漫才日本一を決める「M-1グランプリ」。

 

　昨年はマヂカルラブリーが、激しい動きと、自ら「リモート漫才」（村上）と称したほど距離をとったままの異色漫才で優勝。「これは漫才か？　漫才じゃないか？」論争を巻き起こし、年が明けてもしばらくその余韻は続いた。

 

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　SmartFLASHでは、今年もM-1グランプリ2021決勝に駒を進めたファイナリスト9組を直撃。12月19日（日）の決勝までの毎日、1組ずつ紹介していく。

 

　7組目は初の決勝進出を果たした「ランジャタイ」。所属するグレープカンパニーはサンドウィッチマンを筆頭に、カミナリや昨年のファイナリストである東京ホテイソンなどを擁し、今年で17回目を数えるM-1で、吉本興業以外でファイナリスト輩出数が最多という記録を打ち立てた。

 

　しかし、ランジャタイは、サンドウィッチマンらとはまったく異なる芸風。ボケ・国崎和也の奇異な動きや言葉に目を取られるが、ツッコミ・伊藤幸司もそれを隣で平然と見ていられること自体が異能。

 

「おおよそ人間が浴びる量ではないくらいスベりにスベって、スベった勢いで飛び上がって決勝に来た」と語り、漫才の大会でありながら “異種格闘技感” を感じさせる個性豊かな今年の決勝を象徴するコンビが、いよいよ野に放たれる。

 

――初の決勝進出おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。

 

国崎　運がよかったです。幼少期から道端のミミズやネズミとかを助けていたので、彼らの祈りが届いたんだと思います。

 

伊藤　僕も虫とか必ず助けていました。

 

国崎　それが積み重なっての今年です。ファイナリストが全員、友達なのもびっくりしました。新宿の小さい劇場で、1000円で見られる人ばかり。それどころか、なんなら僕ら、準決勝の直前に無料ライブに出ていましたからね。夢のような、誰かが書いた同人誌のマンガみたいな話ですよ。

 

伊藤　発表の瞬間は一瞬の白昼夢みたいでした。信じられないですね。

 

――最近ラジオで、お2人が自身のPodcast番組を宣伝しているCMを聞いたんですが、国崎さんがずっと「松ちゃん、浜ちゃん～♪」と謎のオリジナルソング？　を歌っていてびっくりしました（笑）。

 

伊藤　ホント、いつか誰かに怒られますよね（笑）。

 

国崎　優しいんですよね、みなさん。

 

――M-1はその松本さんが審査員です。

 

伊藤　うぉー！　そうですね！

 

国崎　ありがたい話です。ずっと「ごっつええ感じ」とか見てましたし。小1とかで見ていたあのお兄ちゃんが僕らを見てくれるだなんて、それも4分間も。

 

伊藤　ダウンタウンさんのお笑いは、見られる限りずっと見てきましたから。

 

国崎　松本さんはもちろん、いろいろな審査員に見てもらえるのがうれしいですね。僕らのネタで席を立ってしまう審査員がいるかもしれませんが……。

 

――改めて、準決勝までを振り返っていかがでしたか。

 

国崎　あっという間でした。2回戦からポポポーンと来て、気づいたら準決勝！　という感じでした。ネタとしてはこれまでと変わったことはないと思うんですよね。

 

伊藤　でも4分間の使い方は、去年までより絶対に上手くなりました。

 

国崎　早口で言えるようになったよね。7分のネタを4分で。

 

伊藤　早口ではないよ。4分で一番面白いものが出せたかなと。今まではそれができていなかったので。

 

――優勝賞金1000万円の使い道は考えていますか？

 

伊藤　全額使って優勝パレードをしたい。本当はアメリカとかでやりたいんですが、1000万円では足りなそうなので、国内にしておきます。

 

国崎　錦鯉・（長谷川）雅紀さんから聞いたクロムハーツを買います。

 

――「ファイナリストのなかで自分たちが一番○○だ！」と言えるものは何でしょう？

 

伊藤　「一番自由」。スベってもウケても自由です。

 

国崎　「一番スベってもへっちゃら」。8年くらいずっとスベり続けていたので、途中から何も思わなくなりました。おおよそ人間が浴びる量じゃないくらい、スベってスベってここまできたので。

 

伊藤　シャーっとスベって、その勢いでたまたま飛び上がれたのが今、って感じです。

 

国崎　モグライダーも錦鯉も、真空ジェシカもスベってないみたいな顔していますけど、みんなスベってきてますから。全員でスベってここまで来ました。

 

――ほかのファイナリストで意識しているコンビはいますか？

 

国崎　一番うれしいのはモグライダー。昔から週6、7日くらい遊んでいた2人なので、一緒に決勝に行けることが夢みたい。（決勝進出者発表では）モグライダーが呼ばれたときが、周りの芸人たちが一番喜んでいたかもしれません。

 

伊藤　敗者復活で上がってくるであろう金属バット。待ってます。上からですが。

 

――敗者復活で勝ち上がってきたら脅威だと感じるコンビは？

 

伊藤　金属バットです。

 

国崎　金属バットと隔月でツーマンライブをやっているので、敗者復活で上がってきたらドラマがありますね。

 

伊藤　そのライブの次回のタイトルがヤバくて。「P.S.優勝ですよ～隼平寄席～」なんです。ちなみに「隼平」は（金属バット・）友保の下の名前です。

 

国崎　金属バットがM-1で優勝するテイのライブです。ほんとヤバいですよね。

 

――今年1年を “4文字” で表すと、どんな言葉になりますか？

 

伊藤　「エムワン」です。365日、M-1のことを考えていたので。

 

国崎　「だんれい」で。檀れいさん、お綺麗ですよね。お会いしてみたいです。来年の4文字も「だんれい」です。

 

――最後に、決勝へ向けた意気込みを一言で！

 

国崎　みんな見てね！♡

 

伊藤　優勝します！　いま持てるすべての力を決勝で出したいです。

 

国崎　最終決戦まで上がって、2本目のネタのときにスキンヘッドにしていたら面白いかなと思ってます。あと、天竺鼠・川原（克己）さんに「もしM-1の決勝に行ったら、頼むから人生を棒に振るくらいスベってほしい」と昔から言われていたので、その願いも叶えてあげたいです。川原さんには舞台袖にいてほしいですね。ヤジ飛ばしてほしいです。

 

伊藤　それはダメよ？　優勝か最下位か、どっちか狙いたいですね……いや違う、最下位は狙いたくないです。

 

※「M-1グランプリ2021」は今年も今田耕司・上戸彩を司会に、12月19日（日）18:34からABCテレビ・テレビ朝日系で生放送

 

取材＆文／松田優子

 

( SmartFLASH )