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【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『播磨の渡り鳥』で思い出す恩師・二葉百合子先生の優しさ

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.12.25 06:00FLASH編集部

【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『播磨の渡り鳥』で思い出す恩師・二葉百合子先生の優しさ

二葉百合子先生とのツーショット

 

 ちょっとだけ(?)わがままで、すぐにお腹を壊し、ちょいちょい周りに迷惑をかけているわたしですが(ごめんなさい)、ひとつだけ自信を持って言えることがあります。

 

ーー本物の歌い手でありたい。

 

 35年、この思いを変わらず持ち続けてきたことです。

 

 それはひとえに、2人の恩師……猪俣公章先生と二葉百合子先生のおかげです。

 

 

 猪俣先生の曲は、どの曲もスケールが大きく、ドラマチックだし、二葉先生の歌声は力強く、説得力があり、いつお聴きしても、わたしの心に突き刺さってきます。

 

 お2人に半歩でもいいから近づきたいーー。

 

 そんな思いとは裏腹に、反省、反省、また反省の日々ですが、本物でありたいという思いは揺らいだことがないし、こと、歌に関することだけは、一切妥協をしてこなかったと胸を張って言うことができます。

 

 作詞は松井由利夫先生。作曲は水森英夫先生……氷川きよしくん、山内惠介くん、同じ事務所のかわいい後輩、森山愛子ちゃんのお師匠さんです。

 

 その水森先生に初めて曲を書いていただいたシングル『播磨の渡り鳥』(2004年)を発売したデビュー18年め。初めてライブで歌う楽曲に四苦八苦したこの年は、2人の恩師のすごみを、あらためて感じることができた年でもありました。

 

「あぁ、やっぱり、猪俣先生はすごい」と感じたのは、『播磨の渡り鳥』のカップリング曲で、松井先生作詞、猪俣先生作曲の『白鷺物語』を、ニューバージョンとしてレコーディングし直したときです。

 

 粋で艶っぽくて、高低も強弱もあって、歌としてはとっても難しい。当時は勢いだけで歌っていましたが、この歳になって、当時は思い至らなかった猪俣メロディの深淵にふれたような気がしました。

 

 二葉先生の『岸壁の母』をレコーディングさせていただいたのもこの年です。

 

「よかったわよぉ」

 

 先生はお優しい方ですから、そう言ってくださるんですが、内側から滲み出てくる先生の歌とは比ぶべくもありません。

 

 頑張って、頑張って、必死になって頑張って。もう、これ以上は無理というくらい頑張って、自信を持ってお届けできるのは、伝えたいという思いだけです。お2人に比べると、わたしはまだまだ未熟者……日々精進です。

 

■握手していただいた瞬間もう天にも昇るような……

 

 泉ピン子さんと初めて共演させていただいたのも、この年です。タイトルは、『ラブ・ジャッジ2』。12月28日にTBS系で放送されたコメディドラマでした。

 

 そして、そして、そしてーー運命の人、心の恋人にお逢いできたのは、この放送から3日後のことです。

 

『第55回NHK紅白歌合戦』。ここに、なんと! イ・ビョンホン様が登場しちゃうことになったのです。当日は朝から、そわそわ、そわそわ。舞い上がってしまって、心ここにあらずです。

 

 出番を終えたらすぐに帰るだろうから、ビョン様に逢えるチャンスは、そのときしかない! 控室から、どのエレベーターに乗って、どの通路を通るのか。

 

 動線をすべてチェックして、完璧な状態で待ち伏せ。握手していただいた瞬間は、もう天にも昇るような浮かれっぷりでした。握手できたのはわたしだけ。へへへっ、どんなもんだい! という心持ちです。

 

 ところが、です。番組が終了して打ち上げ会場に行くと、そこにビョン様がいて、笑顔で記念撮影に応じているじゃあ~りませんか。もうっ……そうならそうと、先に教えてほしかったなぁ。

 

さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』など数多くのヒット曲を持ち、『ま た君に恋してる』は社会現象にもなった。桑田佳祐氏から届けられた『ブッダのように私は死んだ』のリリースによって生まれた「情念POPS」をセレクトして制作された最新コンセプトアルバム『Love Emotion』好評発売中!

 

写真・中村功
構成・工藤晋

 

( 週刊FLASH 2022年1月4日・11日・18日号 )

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