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八嶋智人「僕には美意識がないんです」アーティストではない、役者の矜持を語る

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.12.25 11:00FLASH編集部

八嶋智人「僕には美意識がないんです」アーティストではない、役者の矜持を語る

八嶋智人

 

「ものすごい人気のあるお店なのに、ずっと研究し続けている。これが『ラーメン道』だと思うんです。ただひたすら尊敬しかないし、カッコいいと思います」

 

 カウンターに置かれたラーメンの真っ白い器を前にして、八嶋智人は嬉しそうに話しだす。目黒川沿いから少し入った場所に店を構える「八雲」は、行列が目印になるほどの人気店だ。八嶋が通いはじめて15年ほどになるという。

 

 

「舞台の稽古終わりに大倉孝二くんと鈴木浩介くんの3人で来たのが最初。めちゃくちゃ美味しくてそれから1人でよく来るようになりました。ランチで並んだ後にスープをひと口飲んだ瞬間の至福感。はぁ、美味しいって思いますね」

 

 八嶋の “定番” は、味玉そばの白醤油と黒醤油のミックスに切り落としチャーシューのトッピング。

 

「僕がここなら間違いないというお店に息子を連れて行くんですが、八雲さんにも一緒に来ました。息子が醤油ラーメンが大好きなもんで、食べログに『頼むと作ってくれる』と書いてあったミックスをお願いして食べたら、すごい美味しかったんです」

 

「ラーメンを食べるときには、厳かな儀式があるんです」と話すと、眼鏡を外し、両手で箸を持ち「いただきます」と一礼。スープが喉を通ると、目を輝かせた。

 

 なんでも極みに向かって探求するのが「道」。茶道、書道、ラーメン道……八嶋が歩むのは役者道である。

 

「幼稚園のころから人前に出るのが好きだった」と話す八嶋の “役者道” は、小学校4年生のときに見た「夢」から始まった。

 

「人が死ぬ夢を見たんですよね。その恐怖から逃れられないんだなと思ったら、こんな明るい僕が1週間ぐらい籠もっちゃったことがあったんです。その恐怖心をギリギリ忘れられる方法は、いろんな人に覚えてもらうこと。生に対する執着心がすごくて、『俺が死んでも覚えてろよ』ってことなんです。

 

 だから、さらに人前に出るのが好きになりました。それが思春期になるとモテたい、ちやほやされたいという思いも出てきて、バンドをやったり運動会で司会をやったり。そんななか、学園祭で演劇をやったことで、お芝居をやりたいという気持ちがにょきにょき出てきたんです」

 

 八嶋は奈良から東京の大学へ進学。どうしても上京したかった理由は「東京に行けば劇場がたくさんある」、つまり「チャンスがたくさんある」という思いだった。大学在学中に中学・高校の同級生である劇作家・演出家の松村武(51)と旗揚げした劇団「カムカムミニキーナ」は2022年に32年めを迎える。

 

「当時は小劇場ブームだったので、何かを表現したいとかそんな深みはなくて、目立ちたいとか何かをやる手段のひとつだった。松村と僕は全然性質の違う2人で、彼は劇作と演出を、僕はそれを演じる役者。

 

 劇団は人の出入りがあってシェアハウスみたいなところ。若い人が入ってくれば新しい感覚も感じられるので、よい状況だと思っています。

 

 僕にとって劇団は、ベースにある存在ですね。劇団が31年、事務所に入って25年、結婚して20年。ゆっくりバランスが取れてきた状態で、この3つが僕には欠かせない大きな存在です」

 

( 週刊FLASH 2022年1月4日・11日・18日号 )

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