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フリー女優・内田慈 “営業”も自力だけど…『アバランチ』『決戦は日曜日』話題作に引っ張りだこ「コロナ禍でも睡眠は1時間」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.12.31 16:00 最終更新日:2022.02.14 17:34
「新規のお仕事の問い合わせをいただいたら、自分でスケジュール確認をしながら、送ってもらった台本を読んで、出演するかどうかを決める……。特に地上波ドラマやCMの場合も、他局さんや他社さんと放送クールがかぶらないかどうか、出演スパンなども調整・管理しなければいけないので、撮影が終わってからも業務が続く感じなんです」
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こう話すのは、2022年1月7日から公開される映画『決戦は日曜日』(窪田正孝、宮沢りえ主演、坂下雄一郎監督)に出演している俳優・内田慈(ちか)。
10年、白石和彌監督の『ロストパラダイス・イン・トーキョー』に主演して注目され、園子温、呉美保、そして内田英治と、いまをときめくトップクラスの監督たちに「この人で撮ってみたい!」と言わしめる実力派であり個性派だ。
2021年も話題となったテレビドラマ『アバランチ』(フジテレビ系)や、佐藤健、阿部寛主演の映画『護られなかった者たちへ』などにも出演。映像作品が好きな人であれば、何度も彼女を見たことがあるだろう。
そんな内田は、事務所に所属せず、マネジャーもつけないで、フリーランスの俳優として活動して2年目だ。
「11年間お世話になった事務所から、マネジャーとふたりで新しい体制をスタートしたのが2019年2月。その1年は試運転、そしていよいよ本格稼働しようという矢先、コロナ禍が来てしまって……」
マネジャーと2人体制の事務所で、2020年の前半はコロナの第一波で「決まっていた仕事が飛び、先の見えない」辛い時期を送った。そして同年9月、マネジャーとも離れて、フリーランス俳優として、再々出発を図ったのである。
内田は2020年12月、『WEB女性自身』でのインタビューで、当時の心境をこう語っている。
《マネジャーと話したのは『お互い見つめなおすタイミングかもしれないね』ということでした。どこで自分の人生に無理をしなければいけないのか、と考えたとき、『いま』だったということです》
ずいぶん、無謀なチャレンジだった。コロナ禍が深刻化していた2020年、すでに国内では世帯収入の減少や雇用の打ち切りが表面化していた。
映画『護られなかった者たちへ』で内田が演じたシングルマザー役がまさにそうだったが、特に低所得層の生活苦は著しいものだった。
そこから今日までの1年、内田はどのような俳優生活を送ってきたのだろうか。
「私なりの営業をつねに試行錯誤はしています。とはいえ重きを置いているのは、『どういう作品に出て、何ができるか』ということです。私たち俳優業は、映像でも舞台でも、『出ていることが最大の営業』だと思っていますので」
そうしてコンスタントに仕事を入れてきた2021年は、気づけば「睡眠1時間だけ」という日も多々あったという。
「ギャランティの交渉や請求書の発行、パブリシティ(原稿)の確認などをしていれば、時間がすぐに過ぎてしまいます。
平均5、6時間は寝たいんですが、それでも完全徹夜の日もありましたね」
そのような慌ただしくも充実した日々の中で、内田が得たものとは、「自分自身の動きを俯瞰して見ること」だったと振り返る。
「新事務所の立ち上げも、フリーランスになったのも、すべて流れの中でのこと。最近『自分の人生は自分で切り拓く』という発想に、おこがましさを感じています。すべては定めや流れがあり、俗世を生きている私が悩んだり、迷ったりすることも、必要だから起こること。すべては決まっているものなのではないかと」
その「俯瞰する」というものの見方は、舞台俳優として長いキャリアを持つ内田ならではの視点なのかもしれない。
「自分の視点だけで見ていると、すぐに成果を求めてしまいます。しかし俯瞰してみると、すぐに結果など出ないだろうとわかったりもします。すると、日々、同じことを繰り返していくことが大事だと思えてきたんですね」
だから、睡眠時間こそ極端に少ない日もあるが、そんなときこそ「規則正しく生活しよう」と努めたのだという。
「生活が規則正しくなっていくことで、より冷静に自分をコントロールできるようになっていくさまは、自分自身でも面白い発見でした」
成果や成功に対しての欲求、満たされない渇望……そんな感情を俯瞰することで排してみると、むしろ忙しい日々を「楽に過ごせる」自分がいるといういまの内田。
「2022年は、何事にも楽しくぶつかれるんじゃないかと思う。フリーランス俳優としても、生活スタンスに慣れてきましたし、必要以上に恐れることはなくなった。躊躇なく、かなり図々しくぶつかっていけるんじゃないかな(笑)」
2022年後半には主演映画『あの子の夢を水に流して』(遠山昇司監督)の全国劇場公開も予定されている。
また新しい“内田慈の表情”を見せてくれるに違いない。
(取材・文/鈴木利宗)
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