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内田慈 初共演の宮沢りえは「あらためて、美しい!」、最新映画の現場で感じた“中間管理職”俳優としての立ち位置

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.12.31 16:00 最終更新日:2021.12.31 16:00

内田慈 初共演の宮沢りえは「あらためて、美しい!」、最新映画の現場で感じた“中間管理職”俳優としての立ち位置

 

「撮影期間中、宮沢りえさんとは、ほとんど笑い合っていましたね(笑)。とにかく、りえさんは明るくて、ご自身が誰より楽しんでいるように見えましたし。坂下雄一郎監督がまた“ドSキャラ”というか、愛想笑いもしないタイプなんです。

 

 その監督がフッと笑った瞬間をとらえて、『あの坂下監督がいま、笑ってたよ、ウケる~!』とか『お弁当食べてたよ!』とか言って、笑い合っていましたね」

 

 

 2022年1月7日から公開される映画『決戦は日曜日』(窪田正孝、宮沢りえ主演、坂下雄一郎監督)に出演している俳優・内田慈(ちか)は、同作の現場についてこう明かす。内田は19年2月に新事務所を立ち上げ。20年9月にはマネジャーとも離れ、現在はフリーランスの俳優として活動している。

 

 映画・演劇の世界では内田の大先輩にあたる宮沢りえも2021年11月に新事務所を立ち上げたばかりで、ふたりはくしくも同年に新天地で出発したことになるのだ。

 

「りえさんとは、10年以上前に一度、ワークショップでお会いしたことがあるだけでした。今回の顔合わせの印象は、“あらためて、美しい……!”ということ。現実離れしたオーラにゾクゾクしましたね……『川島有美(宮沢演じる主人公)がここにいる!』と」

 

 同作は、病に倒れた父の地盤を受け継いで、衆議院議員選挙に立候補することになった令嬢・川島有美(宮沢りえ)が、秘書の谷村勉(窪田正孝)や田中菜々(内田慈)らの助けを借りて選挙戦を戦い抜いていくさまをユーモラスに描く。

 

 権謀術数うごめく政界にあって、今作の舞台となる地方政治は“しがらみ”と忖度がまかり通る世界。それをドロドロさせすぎず、ときに軽妙に、ときにエモーショナルに描いたのは、新鋭の坂下雄一郎監督だ。

 

「見どころは、窪田正孝さんと“コメディ映画初参戦”といわれる宮沢りえさんとの“かけあい”ですね。小市慢太郎さん、音尾琢真さん、赤楚衛二さん、そして私の“クセモノ揃いの秘書軍団”とのからみもたっぷりあります。

 

 坂下監督は長回しが得意で、芝居の“空気”をとても大切にしてくれる。主演の2人と私たち(秘書軍団)のアンサンブルも、軽妙で楽しめると思う。笑いの中にある真剣な“タネ”をみつけてほしいですね」

 

 宮沢、小市、音尾ら先輩格がいて、窪田、赤楚などは年下の世代。自分は映画・演劇界の“中堅世代”というのが現在の内田が考える立ち位置だ。

 

「最近、現場での自分の立ち位置が変わってきた気がしています。あるころを起点にグッと、体感として変わった。舞台で言えば、頼られることが多くなり、責任は増してきているという自覚がありますね」

 

 若手の俳優などからは助言を求められるようになり、演出家の意図を汲んで率先して引っ張っていくべき立場になってきたのだという。

 

「たとえば若い役者さんからアドバイスを求められたときには、『なにを求めているのか』を聞くようにします。そのうえで、おせっかいや押し付けにならないように感じたことを話します。いい加減な返事はしませんが、断定もしない。自分でつかまないと意味がないからです。私は『脚本と演出家しか信じない』ので、それも言います(笑)」

 

 昨今の巷間では、職場での後輩の指導において些細な言葉掛けにも気を遣う風潮があるのは事実だし、余分なことで若手の心を傷つけたくない上司が増えているのも確かだろう。

 

 一方、年齢やキャリアなど関係なく強い個性を発揮した者が注目されるのは、映画・演劇界の特色である。だが古くから厳然と、先輩俳優たちの言葉や立場を重んじる、よき伝統が残っている世界でもある。映画・演劇界は特殊に思われがちだが、むしろ社会の縮図であるといっても、あながち的外れではないのだろう。

 

 いま、キャリアが20年近くなった内田の立ち位置は、世間でいう“中間管理職”なのかもしれない。

 

 そしてそんな内田が、独立3年目を迎える2022年を迎えるに当たって、「自身のポテンシャルを全開にしたい」と意気込む。

 

「演出家の視点から自分の立ち位置を俯瞰すれば、自分のやるべきことがわかってくる。『いるもの』と『いらないもの』がわかってくると、必要以上に恐れることも、なにかに躊躇することも、迷いも、なくなってくる。

 

 人生もいっしょで……。いま、やっと自分の足で歩いている感じがします。これからも“内田慈”の演出家として、図々しく世間にぶつかっていけるのが楽しみです」

 

(取材・文/鈴木利宗)

 

( SmartFLASH )

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