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樋口真嗣監督「特撮に罪滅ぼしがしたい」 新作『サンダーバード55/GOGO』を語る

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.01.06 16:00FLASH編集部

樋口真嗣監督「特撮に罪滅ぼしがしたい」 新作『サンダーバード55/GOGO』を語る

(C)Thunderbirds TM and (C)ITC Entertainment Group Limited 1964, 1999 and 2021. Licensed by ITV Studios Limited. All rights reserved.

 

 1965年にイギリスで放送が開始され、世界的に流行した特撮テレビシリーズ『サンダーバード』。以降のSF映画や日本の特撮番組にも多大な影響を与えた名作の新作だ。その劇場版『サンダーバード55/GOGO』が1月7日に劇場公開、1月8日からはオンラインで上映される。

 

 本作は『サンダーバード』生誕55周年に合わせてクラウドファンディングで制作された3本の新作エピソードを、『シン・ゴジラ』などで知られる樋口真嗣監督が構成を担当し、1本の映画にしたもの。

 

 

 新撮でありながら、かつてのテレビシリーズとまったく同じような画作りを再現した新作エピソード。この作品と樋口監督は意外な場所で出会った。

 

「最初にこの作品を観たのは飲み屋だったんです。テレビで流れている作品を観たら、僕が一切知らないエピソードだったので、不安になったんです。何度も作品を観ていてDVDボックスを持っている自分も知らない話が流れている。

 

 よくよく聞いてみると、飲み屋の人が新作制作のクラウドファンディングに参加して、その返礼品として送られたDVDだったのです」

 

 樋口監督は新たな『サンダーバード』の魅力をこう語る。

 

「新作でありながら、まったく当時と同じ手法や画で再現されている。その自分が受けた衝撃をみなさんにも伝えたかったんです。

 

 内容的にも、1話目は誰もが知るべき『サンダーバード』の紹介。2話目は作り手の『こんなサンダーバードが大好き』という愛情が込められた作品。3話目は人形劇(=スーパーマリオネーション)の新しい可能性を示す作品。頭がおかしくなるくらいに『サンダーバード』の世界にどっぷり浸れる作品です」

 

 今回の映画で、樋口監督はどのような役割を担当したのだろうか。

 

「全体の構成を担当しています。クラウドファンディングで制作された新作エピソードは、イギリスの監督が演出を手掛けているので、演出的な部分について、自分は手を出すべきではないと思いました。

 

 一方で、かつてテレビアニメを劇場版で公開するときに、映画監督の名前だけが欲しくて再編集版を作るようなことが多々ありました。僕はこの作品を愛しているので、そういったことはしたくなかったんです」

 

 3本の本編には手を加えず、樋口監督はどの部分を担当したのだろうか。

 

「1本の映画として3エピソードをより楽しめるように、各エピソードのつなぎの部分とオープニングを担当しました。オープニングで、当時の技術のまま現代で撮影した事実を紹介することにより、より本編の凄さが伝わればと思います」

 

 樋口監督の新撮映像も使用されているという。

 

「1話と2話の間のオープニングのみ新たに撮影をさせていただきました。ジェリー・アンダーソン(テレビ・シリーズ版『サンダーバード』のプロデューサー)の『謎の円盤UFO』のオープニングのメソッドで、今回のオープニングを再構築させていただいたんです。

 

 IBMのボールヘッド型タイプライターが文字を打ち込む映像を撮り、当時『謎の円盤UFO』でナレーションを担当された矢島正明さんに、新たにナレーションを入れていただきました」

 

 映画監督であるだけでなく、特技監督としても活躍する樋口監督。特技監督の視点から、本作の特撮をこう語る。

 

「特撮マンから見ても、再現度はすさまじい。当時の技法で当時の画を再現するということは、場合によっては当時よりお金がかかると思います。特撮に限らず、すべての産業はコストダウン、コストカットで今に至っています。

 

 たとえば『サンダーバード』のスーパーマリオネーションという技法は、コストという部分で淘汰されてしまいました。今、それをあえて忠実にやっているが素晴らしい。

 

 僕も『館長 庵野秀明特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』の展示用に短編『巨神兵東京に現る』を全編ミニチュアセットで監督しました。いざ、実写特撮をやったら、CGで作るよりめちゃくちゃお金がかかったんです」

 

 特撮に対する愛情を隠さない樋口監督。映画監督として地位を確立した現在でも、特技監督、デザインワーク、絵コンテなど、さまざまな立場で特撮作品に参加している。そのモチベーションはどこにあるのだろうか。

 

「自分が好きなもののよさを、みんなが気づいていないなら、気づいてほしいみたいな部分はあると思います。

 

 あとは、罪滅ぼしみたいな気持ちも正直ありますね。子供向けだってバカにされてはいけないから、観る側から『特撮じゃんこれ』といわれるような画を、意識して排除しようとしてきました。自分は特技監督も務めていますが、オールドファッションな特撮を淘汰させてきた側かもしれない。

 

 今はより時代が寛容というか、多様な世の中になったと思います。ミニチュア特撮でもCGでも、どちらも観客は自由に楽しんでいるようです」

 

『シン・ゴジラ』に続いて監督と特技監督を担当する樋口監督の最新作『シン・ウルトラマン』の公開も5月14日に決まった。

 

「公開日も発表できましたし、順調に進んでいます。コロナ関連で遅れた部分もあるのですが、よくある塩漬け案件でなく、今でも作り続けているんです。期待して待っていてください」

 

 白石和彌監督の『仮面ライダー BLACK SUN』にも参加が発表された。

 

「こちらには特技監督ではなく、デザインで参加しています。白石さんの仮面ライダーを観客として、安心して楽しみたいと思っていたら、『ひとりでやるにはわからないことが多すぎるので横にいて助けて』と言われたんです。そりゃあ、協力しますよ。この作品では、登場する人間以外のキャラクターのデザインコンセプトを担当しています」

 

 特撮愛あふれる樋口監督だが、本当は「お客さんとして観ていたい」という。

 

「正直に本音をいうと監督はしなくて済むならどんなに幸せか、とよく考えます。ひとりの観客として、なるべくいい作品が観られるなら、それが最高。映画好きと同じように僕も映画を楽しみたいだけなんです。

 

 ただ、『誰々がこの映画を撮ったらろくなものにはならない。それを阻止しよう』とか、間違えた義務感に駆られて(笑)。監督や特撮に限らず、自分の観たい作品が少しでもよくなるのなら、自分にできることは何でもしたい。本当は飲み屋で好きな映画を褒めたり、文句言ったりしているような爺になりたいんですけどね」

 

ひぐちしんじ
1965年9月22日生まれ 東京都出身。平成『ガメラ』3部作(1995年~1999年)に特技監督として参加。監督作品に『ローレライ』(2005年)、『日本沈没』(2006年)、『シン・ゴジラ』(2016年)などがある。最新作『シン・ウルトラマン』が2022年5月13日公開予定。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ4作では絵コンテなどを担当

 


( SmartFLASH )

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