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美術家・奈良美智、20代に贈る人生の訓示は「ショートカットするな」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.01.15 11:00 最終更新日:2022.01.17 14:53
1月14日、下北沢に新しく誕生するミニシアター「K2」の開館記念イベントが都内でおこなわれ、美術家の奈良美智と映画監督の濱口竜介が出席した。
奈良は、同ミニシアターのこけら落とし作品となる映画『偶然と想像』の監督である濱口と、創作活動に関する特別対談をおこなった。
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濱口から作品づくりのインスピレーションについて聞かれると、奈良は「たとえば自分が絵を描くまでの過程、あるいは絵と関係ないところで経験したことの諸々。そういうものが、予期しない化学変化を起こしてくれる」と語る。
「たとえば、勉強して専門的になればなるほど、専門的な内容になっていく。すると、優等生がたくさん生まれる。そこには、同じ方向性だったり、同じ理想がある。
でも、立ち食い蕎麦屋でバイトしていたとか、普通はやらないようなバイト、あるいは家庭環境、育った環境でもいいが、人と違う状況みたいなものが自分を助けてくれる」と語る。
「20代の人たちに伝えたいこと」について聞かれると、奈良はこう話した。
「パソコンが登場したときに一番『えっ』となったのが『ショートカット』という言葉。ショートカットは、目的地にぽんと行ける。だけど、自分を振り返ってみると、ショートカットしないで回り道したことで別の風景が見られた。
偶然を自分で誘発していく。最初から結果が見えているところを目指しても、偶然はそんなに起こらない。ショートカットしないと全然違う道にそれていくんだけど、それで、もっと大きな目的とかゴールが見えたりする。そういう作業を20代の人にはしてほしい」
イベントが終わると、会場では大きな拍手が起こり、2人は笑顔で会場をあとにした。
( SmartFLASH )