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小栗旬『鎌倉殿の13人』コメディが一転してホラーに…三谷幸喜の手腕が光りすぎ

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.01.16 11:00FLASH編集部

小栗旬『鎌倉殿の13人』コメディが一転してホラーに…三谷幸喜の手腕が光りすぎ

写真:つのだよしお/アフロ

 

 コメディタッチの作品かと思いきや一転シリアス……いや、もはやホラーだった。

 

 先週日曜から放送スタートした小栗旬主演の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)。第1話にして三谷幸喜の才能が遺憾なく発揮され、作品の方向性を示したように感じられた。

 

 鎌倉幕府を開いた源頼朝(大泉洋)の亡き後、主人公・北条義時(小栗)を中心に、幕府を支えた13人の宿老たちが苛烈なパワーゲームを繰り広げる物語。稀代の脚本家・三谷幸喜がオリジナルで描いていく。

 

 

 第1話は世帯平均視聴率が17.3%、個人全体視聴率が10.6%。吉沢亮主演の前作『青天を衝け』が初回で記録した世帯平均視聴率20.0%、個人全体視聴率12.5%を下回ったものの、高視聴率だったのは間違いない。
(※視聴率はビデオリサーチ調べ/関東地区)

 

■大泉洋と新垣結衣の幼子が凄惨な死を遂げる

 

 第1話「大いなる小競り合い」の舞台は1175年。平家が権力を握り跋扈している時代に、義時ら兄弟・姉妹は伊豆でのんびりと仲睦まじく暮らしていた。

 

 前半は義時が幼なじみ・八重(新垣結衣)に恋心を抱いている姿や、北条政子(小池栄子)が頼朝にゾッコンで惚れていく姿が意外と呑気に描かれたり、義時が周囲の登場人物たちに振り回されたりする様子が、コメディタッチで進行していった。

 

 現代の言葉遣いを多用しつつ、役者たちも現代劇を彷彿させる演技をしており、喜劇の名手としての三谷の手腕が光っていた。

 

 もちろん、描く時代が時代、題材が題材だけに、このままほんわかコメディに終始するとは思っていなかったが、コメディからシリアスへの急転がエグい……。

 

 頼朝と八重の間に生まれた幼児・千鶴丸が愛くるしく登場したかと思ったら、「川遊びをいたしましょう」と連れ出した下人にソッコーで暗殺されてしまうのだ。

 

 さすがに直接の殺害シーンは描かれなかったが、河原で千鶴丸の着物を手にした下人の姿を義時が目撃し、かわいかったあの幼子が瞬殺されたと悟るシーンは、シリアスを通り越してもはやホラー。BGMも視聴者を震撼させるようなホラー調になっており、テイストが激変するのである。

 

 2021年10月から2クールで放送中のサスペンスミステリー『真犯人フラグ』(日本テレビ系)の第1話でも、主人公の小学生の息子が猟奇的に殺されているかのような演出があったが、第2話でその遺体は息子のものではないと判明。

 

 現代の日本の倫理観で考えれば、視聴者を引きつけるためのショッキングな展開目的で、いきなり主要キャラの子供が凄惨に殺されるのは非難されかねないため、『真犯人フラグ』の息子の死はフェイクだろうという予想はできていた。

 

 だが『鎌倉殿の13人』は、主要キャラの子供が殺されるという展開をあっさりやってのけたのである。

 

 史実どおりなのだから当然と言えば当然だし、『真犯人フラグ』とは時代設定が違うため視聴者からクレームが入ることはないだろうが、それにしても前半のコメディ路線で油断させておいてからの急なシリアス・ホラー展開の衝撃たるや……。

 

 コメディとシリアスを大胆に織り交ぜる緩急の切り替えっぷりは、さすが三谷脚本と感嘆させられた。

 

 そもそもタイトルが『鎌倉殿の13人』なのだから、本作の最大の見どころは頼朝亡き後に始まる13人によるデスマッチ。きれいごとを抜きにした内部闘争で、最後まで義時が生き残る様を描くのが主題だろうから、コメディ色だけでなくシリアス色やホラー色があって当たり前なのである。

 

――三谷が視聴者に “今年の大河はこうだ!” と知らしめた第1話だったように思う。今夜放送の第2話で、どのように腹を抱えさせてくれ、どのように背筋を凍らせてくれるか、楽しみだ。

 

●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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