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菅田将暉『ミステリと言う勿れ』意外すぎた犯人、先入観で騙された!【ネタバレあり】

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.01.17 11:00 最終更新日:2022.01.17 11:00

菅田将暉『ミステリと言う勿れ』意外すぎた犯人、先入観で騙された!【ネタバレあり】

 

 マジか……騙された……!

 

 第1話の犯人が明らかになったとき、心底そう思った。見事に先入観を逆手に取られ、人間心理の裏をかかれた気分だった。

 

 先週月曜に第1話が放送された菅田将暉主演月9ドラマ『ミステリと言う勿(なか)れ』(フジテレビ系)。世帯平均視聴率13.6%、個人全体視聴率8.1%(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)と好スタートを切った。

 

 

 累計発行部数が1300万部を超える同名人気漫画の実写化。変わった性格ながら飛び抜けた観察力や推測力を持つ大学生・久能整(くのうととのう/菅田)が、事件の謎を解きつつ人の心をも解きほぐしていくという新感覚ミステリー。

 

 警察の面々には、未熟な新人刑事に伊藤沙莉、ベテランに遠藤憲一を配し、尾上松也、筒井道隆といった菅田に負けず劣らずの芸達者が脇を固めている。

 

 第1話の事件は、大学の同級生が近くの公園で殺害され、整を殺害現場で見たという目撃者が現れたり整の指紋付きの凶器が発見されたりしたため、容疑者になってしまうという展開だった。

 

■【ネタバレあり】まさかまさかの真犯人とは?

 

 ここで第1話のネタバレをさせていただくが、真犯人は遠藤演じるベテラン刑事・薮だったのである。これには驚いた。

 

 トリック的に驚いたというより、筆者が勝手に二重の先入観で薮を犯人候補から除外していたため驚いたのだ。

 

 1つめの先入観は、薮がいかにもレギュラー刑事っぽいキャラクター造形だったこと。

 

 薮は “仕事の鬼”、“刑事の鑑” と呼ばれている警部補で、コワモテながら凄腕刑事といった風貌なのである。過去のミステリー作品を振り返れば、こういったキャラは主人公のよき理解者になっていくのが定石だろう。

 

 第1話では整を容疑者扱いして対立していたものの、第2話以降で徐々に整の推理力を認めて打ち解けていく――そんな連ドラのセオリーが透けて見えていた。ドラマをよく見ているからこそ、そういった凝り固まった先入観があったのだと思う。

 

 2つめの先入観は、演じていたのが2015年のドラマ『民王』(テレビ朝日系)で菅田とダブル主演していた遠藤だったこと。

 

 整の実質的なバディ役は伊藤演じる新人刑事だろうと思っていたが、遠藤はそんな菅田・伊藤の若手コンビを支えるポジションに違いないと考えていた。

 

 しかも、第1話放送前日の1月9日に開かれた完成披露試写会に菅田、伊藤、尾上、筒井に並んで遠藤も登壇していたのである。

 

 制作サイドが第1話の真犯人だと勘づかれないよう、遠藤にも登場してもらったのだろうが、こういったイベントに出演する役者はレギュラー陣というのが通例のため、まんまと遠藤がレギュラーだと思い込まされたのだった。

 

 原作漫画ファンからすれば予定調和だったのかもしれないが、原作を読まずにこのドラマ版が初見だった筆者と同じ立場の方々は、同様の先入観から騙されたという人も少なくないはず。

 

 しかし、人間心理の裏をかかれたのが完敗すぎて清々しささえあり、“騙された!” とは思ったが、その言葉は最大級の賛辞でもある。

 

 菅田の飄々とした演技もよかったし、作品全体の演出も重厚感があったし、今期ドラマのなかでも、かなり期待が持てる。

 

 しいて言うなら、第1話の結末がお見事だっただけに、第2話以降の事件がこのインパクトを越えられるのかどうかという懸念はある。

 

 二重の先入観を逆手に取った遠藤憲一犯人オチは、一回こっきりの裏ワザみたいなもの。毎回この衝撃に匹敵するストーリーを用意するのは相当難しいのではないか。

 

 まあ、第1話で視聴者の心を掴めなければ、第2話以降も観てもらえないので、たとえ今後の事件でインパクトが右肩下がりになったとしても、作品に引き込む役割の第1話としては大成功だろう。

 

 今夜放送の第2話以降、“第1話を越えられるか?” という視点でも観ていくことになりそうだ。

 

●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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