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毒蝮三太夫、『ウルトラマン』から『笑点』に異色の転身…引き込んだのは談志

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.01.24 11:00FLASH編集部

毒蝮三太夫、『ウルトラマン』から『笑点』に異色の転身…引き込んだのは談志

写真・時事通信

 

 1月23日の『笑点』(日本テレビ)の放送で、大喜利の新メンバー・桂宮治さんが初登場しました。宮治さんは年収1000万円の敏腕セールスマンだった職を捨て、31歳で転身した異色の落語家さん。

 

 実は、過去にも異色な転身で笑点メンバー入りした方がいらっしゃいました。当時、『ウルトラマン』(TBS系)にアラシ隊員役で出演していた俳優の毒蝮三太夫さんです。

 

 

『笑点』の初代司会者だった立川談志師匠と毒蝮さんは学生時代から旧知の仲で、談志師匠は早くから毒蝮さんに類まれなトークの才能を感じ、俳優だった毒蝮さんを寄席の世界に誘っていたのです。筆者は当時の話を毒蝮さんから、以前お聞きしました。

 

「談志が俺に『役者やってたって、お前は仲代達矢みたいになれないんだから。お前が楽屋でしゃべってるのが面白いから、(柳家)小さん師匠や(三遊亭)圓生師匠が面白がってくれる。今日は来ないの? なんて言ってんだから。寄席に来いよ』って。でも『落語家になれ』とは一言も言わなかったから、落語家には合ってないなと思ってたんだろうね」

 

 談志師匠は毒蝮さんが何に向いているか、いろいろ試していたと言います。

 

「キャバレーに一緒に行ったとき、談志が俺に『ステージに立ってしゃべれよ』って言ってきて、知らない客の前でしゃべらされたこともあったよ。あいつは俺を試してたんだろうな。『お前は落語家よりもスタンダップコメディアンがいい』って。

 

 最終的には『役者をやめて、もししゃべりの道で食べられなかったら、俺が生活の面倒を見てやる』って。俺のウルトラマンのギャラが15万円だと聞くと、『じゃあ俺が20万払うから』って言ってきたり。7年ぐらい口説かれた」

 

 その後、毒蝮さんは談志師匠から『笑点』の座布団運び役を頼まれました。

 

「『(三遊亭)円楽とかは真打だから座布団運びをさせられないから、お前やってくんねぇかな』って。それでやることになったけど、最初は戸惑ったね。それに役者畑から来ると『笑点』は伝統的な芸だから嫌がられるよね。だから自分でもよくやったなと思う」

 

 最初は座布団運びをやりたくなかった毒蝮さんは、よくトラブルを起こしていたと言います。

 

「談志が『座布団持ってこい!』って言うから『バカヤロー! こんな奴らに座布団持っていけるか!』って俺が怒って途中で帰ったこともあったのよ(笑)。そしたらプロデューサーが追いかけて来て、『2本録りだから、頼むから帰って来てくれ』って」

 

 毒蝮さんは他にも笑点で型破りな行動に出ていました。

 

「俺は座布団運びだけど、『俺にも答えさせろ』って言って大喜利を立ったまま答えてたから。だって座布団を運ぶだけじゃバカバカしくて、やってられねぇじゃん。それで『はい!』って手を上げて答えてたんだけどウケない(笑)。そのうち談志が衆議院議員に立候補して笑点をやめたから、俺も一緒にやめたの。山田(隆夫)はいまだにやってるけど、あんなことずっとやるもんじゃないよ(笑)」

 

 最近、27年間続いている『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』(ABC)や立川志の輔師匠が司会の『ガッテン』(NHK)など長寿番組の終了が伝えられています。全国放送の番組では最長の56年続く『笑点』。新メンバー桂宮治さんが加わったことで、この番組はさらに記録を伸ばし続けそうですね。

 

インタビューマン山下
1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退しライターに転身。しかし2021年に芸人に復帰し現在は芸人とライターの二足のわらじで活動している。

 

( SmartFLASH )

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