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武田梨奈、ロケ現場で愛用するのは「恩人監督の手作り台本カバー」世界唯一の宝物

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.02.04 06:00 最終更新日:2022.02.04 06:00

武田梨奈、ロケ現場で愛用するのは「恩人監督の手作り台本カバー」世界唯一の宝物

手作りブックカバーを手にする武田梨奈

 

 10歳で空手道場に入門し、圧倒的な空手の技量を認められて、映画『ハイキック・ガール!』のオーディションで主演の座を射止めたのは、17歳のとき。

 

 以来数々の作品に出演し、女優としてはもちろん、日本にはほとんどいないアクションアクトレスとしても活躍しつづけている武田梨奈(30)だが、女優に憧れを持ったのは、空手を始める前だったという。

 

 

「幼いころ、毎週金曜日と土曜日は、家族で映画を観る日だったんです。父がアクション映画好きだったので、ジャッキー・チェンの作品はもちろん、『ベスト・キッド』や『グーニーズ』などを夢中になって観ていました。いつか、このスクリーンの中に自分も入りたいと思うようになったのは、6歳のころでしたね」

 

 娘の夢を知った父親が買ってくれたのは、オーディション雑誌だった。

 

「ずっと応募しつづけて、初めてちゃんと……いや、ちゃんとって言えるかどうか微妙なんですが……映画に出演したのは中学生になってからでした」

 

 台詞はほとんどない役だったが、彼女はスクリーンの中にいる自分を観るために映画館へ足を運んだ。

 

「自分が映っていることへの感動はあまりなくて、『全然お芝居ができていない!』と恥ずかしかったです。ただ、エンドロールに名前が出た瞬間、涙が出ました。あ、『武田梨奈』って書いてあるって」

 

 以来、自分が出演した映画やドラマのエンドロールで「武田梨奈」という名前を見るたび、「涙腺が緩んでしまいますね」と照れ笑いするが、2015年にスタートした、主演を務めるドラマ『ワカコ酒』(テレビ東京系)は、現在シーズン6が放送中の人気シリーズとなっている。

 

「それまではアクションのお仕事が多かったので、ごく普通のOL役というのが、とても嬉しかったです」

 

■明るい茶色のカバーに真っ赤なペンホルダー

 

 “呑兵衛のヒロイン” という新たなフィールドで羽ばたいている武田が、ヒソカに大切にしているモノは、『ワカコ酒』の久万真路監督からシーズン3クランクアップのときにプレゼントされた台本カバー。

 

「久万監督が使っていらっしゃる革製の台本カバーがとても素敵で、『どこでお買いになったんですか?』と尋ねたら、『自分で作ったんだよ』っておっしゃるんです。『私も欲しいです』とおねだりしたら、本当に作ってくださって」

 

 武田に似合う色をと、監督が選んだのは明るい茶色のカバーに真っ赤なペンホルダー。

 

「使えば使うほどいい色になっていくとのことなので、『ワカコ酒』以外の現場でもずっと使っています。共演者の方から『そのカバーいいですね。どこで買えるんですか?』と、よく聞かれるんです。でも、これは世界にたったひとつ、私だけのものですから」

 

 お守りのような台本カバーを携えて、武田は実在の店でロケをおこない、美味しい料理を肴に酒を飲み、「ぷしゅ~」と吐息を漏らす。

 

「シーズンを重ねるうちに、プライベートでも一人飲みをするようになりましたが、シーズン1のころはまだそれほどお酒に馴染みがありませんでした。でも、撮影を通してお酒の味がわかるようになってきたし、飲み方や食べ方にもいい影響がありました」

 

 空手をやってきたせいか、食べることに積極的だった彼女は、店に入るとテーブルいっぱいに料理を注文してしまうタイプだったという。

 

「たくさん食べて満足していました(笑)。でも、ひとつひとつを楽しみながら飲み、食べることをワカコから学びました」

 

 焼き鳥店で飲む回で、いっぺんに何本も注文したワカコが最後の一本を食べるときに「あ、冷めちゃった」と言うシーンがあった。

 

「料理のいちばん美味しい状態……焼き鳥なら、アツアツを食べたほうが何倍も楽しめると気づいて実践しています」

 

 コロナ禍前は、ふらりと一人で店に立ち寄ることもあったという。そんなときは、目の前の酒と料理をじっくり堪能。立ち働く料理人や、近くの席で仲睦まじく飲んでいるカップルを眺めるのが至福の時間だったという。

 

 店での一人飲みが難しい現在の彼女を癒やしてくれるのは、愛犬と愛猫。

 

「ミニチュアダックスフントのラヴは13歳。おばあちゃんになって、ますます愛しさが募っています。猫のウィルは、自宅の近所で保護した子。地方ロケに行くと、毎朝父がラヴとウィルの動画を送ってくれるんですよ」

 

 自宅ではずっと一緒にいるといい、彼女にとってラヴとウィルは “かけがえのない” 大切な存在。愛する2匹に元気をチャージしてもらったら、彼女は大切なカバーに台本を入れ、女優として、カメラの前に立つ。

 

「ワカコを演じさせていただいて7年。こんなに長く続くなんて、本当に幸せだと感謝しています。これからも、この台本カバーにさまざまな台本を入れられたらと思っています」

 

たけだりな
1991年6月15日生まれ 神奈川県出身 琉球少林流空手道、月心会黒帯。2009年に空手アクション映画『ハイキック・ガール!』で初主演。2014年、セゾンカードのCMで頭突きによる瓦割りを披露し、話題になる。おもな出演作は映画『海すずめ』『いざなぎ暮れた。』など

 

写真・田中智久、(c)2022「ワカコ酒6」製作委員会 
取材&文・工藤菊香
スタイリスト・山口美帆
ヘアメイク・佐々木 愛
衣装・ADELLY(Office surprise)

 

( 週刊FLASH 2022年2月15日号 )

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