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松本潤『となりのチカラ』松嶋菜々子の奇人ぶりにマツジュンのイメージ打破が不完全燃焼

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.02.10 11:00FLASH編集部

松本潤『となりのチカラ』松嶋菜々子の奇人ぶりにマツジュンのイメージ打破が不完全燃焼

 

 微妙なマツジュンをずっと見せられている……そう思ってしまう『となりのチカラ』(テレビ朝日系)。

 

 嵐・松本潤主演の『となりのチカラ』は、お人よしで人間愛にあふれるものの、何をやっても中途半端な情けない父親・中越チカラ(松本)が、引っ越し先のマンションの住民たちの悩みを解決していく社会派ホームコメディーだ。

 

 

 第1話では、隣の部屋に住む家族の児童虐待が明らかに。父親が娘を虐待していることを突き止め、チカラが娘を助けようと尽力するという展開。第2話では、真上の部屋に住む祖母と高校生の孫の2人暮らし家庭で、祖母が認知症になってしまったため、チカラが相談に乗ってフォローしていく。

 

 今夜放送の第3話では、真下の部屋でベトナム式エステを営む外国人女性の妊娠問題に、チカラが協力する展開になりそうだ。

 

 松本の久しぶりの連ドラ主演であり、脚本・演出を『女王の教室』(2005年/日本テレビ系)、『家政婦のミタ』(2011年/日本テレビ系)といった代表作を持つ大御所・遊川和彦氏が務めていることも話題を集めている。

 

 また、チカラの妻役を上戸彩が、占いに夢中で風変わりな隣人役を松嶋菜々子が演じており、脇を固めるキャストも豪華だ。

 

 キャストの強さと話題性の高さもあり、世帯平均視聴率は第1話が11.5%、第2話が10.7%(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)と好調だが、SNSの評判を見るとイマイチと感じている視聴者が少なくない。

 

 その理由は、主に松本演じる主人公のキャラクターに問題があるようで……。

 

■松嶋菜々子の “奇人おばさん” と比べるとかすんでしまう

 

 主人公・チカラは優柔不断で、おどおどした情けない男。スマートな超絶イケメンではないし、天才的な能力を発揮するわけでもない。まして、ヒロイックに悪者に立ち向かうわけでもない。

 

 要するに、従来の松本が演じてきた役のイメージとはだいぶ異なるのだ。そのため “かっこいいマツジュン” を期待していたファンは、肩透かしを食らっているのだろう。

 

 ただ、今までどおりのイケメンキャラじゃないからダメだと言いたいわけでもない。松本も38歳のアラフォーなので、キャーキャー言われる役だけでなく、新境地を開拓して俳優としての幅を広げることも必要なはず。

 

 ……なのだが、振り切り方が、役柄同様、中途半端に感じられるのだ。

 

 どうせ “かっこいいマツジュン” から脱皮をはかるなら、ダサかっこ悪いキャラやドン引きする奇人キャラなどを演じて、とことん固定観念をブッ壊したほうがいいように思う。

 

 だが、主人公・チカラはそこまでかっこ悪くもなければ、そこまで風変わりな性格でもない。むしろ踏み込みが甘いため、結果的にキャラクターとしての魅力に乏しい印象を受ける。

 

 ちなみに、松本演じる主人公が微妙に感じるのは、松嶋演じる隣人も一因かもしれない。

 

 松嶋が演じる隣人は電波系の奇妙な人物で、トリッキーな演技で魅せているのだが、それ以上にビジュアルが振り切っている。松嶋も納得ずみで挑戦していると思うので誤解を恐れずに言うが、全身まっ黄色やまっ青な服装で、おばさんパーマにおばさんメイクをしており、かなり老け込んだように見える。

 

 松嶋は前クールの江口のりこ主演作『SUPER RICH』(2021年/フジテレビ系)でも助演していたが、『SUPER RICH』では以前と変わらぬ美貌を見せつけていたため、松嶋本人が劣化したわけではない。『となりのチカラ』ではあえて “奇人おばさん” を演じているということだ。

 

 松嶋は社会現象化した『家政婦のミタ』をはじめ、出世作となった『GTO』(1998年/フジテレビ系)や『魔女の条件』(1999年/TBS系)といった遊川作品で、主演やヒロインを演じた。遊川氏に絶大なる信頼を置いているからこそ、ここまで振り切れたのではないか。

 

 いずれにしても、これまで美女キャラで確固たる地位を築いてきた松嶋が、思いっきり固定観念を打破してきたので、相対的に松本の新境地開拓がかすんで見えるのかもしれない。

 

 同学年の山田孝之ももともとはイケメン俳優枠だったが、『闇金ウシジマくん』シリーズ(2010年~/TBS系)や『全裸監督』シリーズ(2019年~/Netflix)の怪演で、何度も何度も脱皮しては、そのたびに大きな成長を遂げている。

 

 イケメン揃いのジャニーズのなかでも随一の二枚目ポジションを確立してきた松本が、さすがに山田よろしく白ブリーフ一丁なみに振り切るのが難しいのはわかる。ただ、今夜放送の第3話以降では、もっと従来のイメージの殻を破ってほしいと思うのだ。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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