■俳優・布施博が語る『私スキ』撮影秘話
恋人のいない矢野に女性を紹介する外科医役で出演。明るい性格でスキーもうまい。手術中にもかかわらず「女紹介する!」と私用電話をする憎めないキャラクターだ。
「出演のオファーをもらったときはスキーの経験が1回しかなかったけど、スポーツは得意だったのでなんとかなるだろうと思って引き受けました。連日、インストラクターの方が指導してくれたので、2日めにはもうかなり滑れるようになりましたよ。
でも、調子に乗ってジャンプしたら首から落っこちちゃって。雪の上だったから大事には至りませんでしたけど、けっこう危なかった」
雪山のシーンでは、布施を先頭にして、仲間たちが次々と後ろに繋がっていく「トレイン走行」を、吹き替えなしで披露した。
「後ろからみんなが体重をかけてくるし、カメラは並走してるから、スピードを合わせなきゃいけなくてね。画面でよく見るとわかるけど、僕の両脚がガクガク震えてます。チェックしてみてください(笑)」
布施は本作で映画デビューを飾ったあと、『抱きしめたい!』(1988年)『ハートに火をつけて!』(1989年、ともにフジテレビ系)など、トレンディドラマへの出演が続き、一躍大ブレイク。
「映画がヒットしたのは、馬場さんの狙いやセンスがよかったからだと思います。いちばん得をしたのは僕と(高橋)ひとみちゃんじゃないですかね。役者としての知名度が上がり幅も広がって、キャリアのなかで節目になった作品ですね」