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坂東彌十郎「大河ドラマの次は再び海外公演を」…2人の亡き先輩の “思い” を叶えるために
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.02.27 11:00 最終更新日:2022.02.27 11:04
「みんなに(宮沢)りえちゃんが奥さんで羨ましいっていわれるんです」と笑うのは坂東彌十郎。放送中のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で、北条時政を熱演中だ。
「りえちゃんとは古い知り合いなんですが、まさか一緒に仕事をするとは思っていませんでした。映像のお芝居はわからないことが多くて、最初は戸惑いました。どのカメラが自分を撮っているのかわからずに演技をしていましたが、やっとわかるようになってきました」
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演じる北条時政は、家長として一族を大事にしているが、ちょっといいかげんなところが魅力でもある。
「田舎の片隅でやってきたので、頑張りすぎるのはあまり好きじゃないんだと思うんですよ。その時政が執権になって、どう変わっていくのか。僕も台本が上がってくるのが楽しみです」
初回の放送での時政の「(平将門も)最後は首チョンパじゃねえか!」という台詞が話題になるなど、 “三谷ワールド” が全開。脚本を担当する三谷幸喜氏(60)と彌十郎との出会いは、2019年に三谷氏が手がけた『三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち』だという。
「そのときに『映像をやる気はありませんか?』と聞かれたので『やりたいですけど、つながりがないので』とお答えしたら『そのうちやりましょう』と言ってくださって。
これまでほかの方にお声がけいただいてもなかなか実現はしなかったんですが、今回は本当に実現しました。しかも台本を読ませていただいたらとても魅力的な役。本当にありがたいなと思っています」
三谷氏との縁のほかに、もうひとつ嬉しい縁が。彌十郎は以前から大泉洋が出演している『水曜どうでしょう』の大ファンだったという。
「非常に忙しかったころだったんですが、おもしろくて夜中に観てしまって。『水曜どうでしょう』のファンのことをインターネットでは “藩士” と呼ぶそうですが、僕も藩士ですね(笑)。大泉さんも食べるのも飲むのも大好きな方なので、いつかお店にご一緒したいです」
彌十郎も大泉に負けず劣らずの食通。銀座の木挽町通りにある「こびき」は歌舞伎座や新橋演舞場に近いこともあり、30年近く通う贔屓店だ。
「僕がまだ30代前半のころで、以前から興味があったんですが、ちょっと敷居が高いんじゃないかと思って入れなかったんですよ。あるとき一人でふらっと入ってみたら、雰囲気がいい。
僕は一人で飲み食いするのが好きなのですが、ここは一人でカウンターに座れて、しっかり豪華に食べられるし、カジュアルにちょっと飲みながら、つまみをいただくこともできる。それになんといっても、楽しみはこれですよ」
そう話す彌十郎の前に運ばれてきたのは、大きなザルの上に並んだその日仕入れた鮮魚。このなかから好きなものを選び、それぞれに合った料理で提供してくれる。
「『この魚はこういう料理もできますよ』と教えてくださるのでいろんな食べ方ができるんです。勉強になりますし、料理に合うお酒を考えるのがまた楽しいんです」
この日、彌十郎が選んだのは、きんき、いわし、白魚。
「きんきがあるときは、必ず煮付けで頼みます。身がやわらかくて本当に美味しい。お造り、揚げ物、焼き物と考えていると、つい頼みすぎてしまうんです(笑)。ああ、本当に美味しい。酒もうまいです」
彌十郎は飲むのも大好きで、 “最初はビール” が定番。
「1986年に(市川)猿翁さんと一緒にドイツのミュンヘンでオペラの演出のお手伝いをしたんです。それがちょうどオクトーバーフェストのころだったんですね。茹でたソーセージの皮を剥いて、ハニーマスタードをつけて食べる。それに歯が折れるぐらいカリカリに焼いてある豚のスネ肉。どちらも白ビールに合って最高です。話していたら飲みたくなりました(笑)」
海外で飲むことが大好きだと話すが、21回訪れているスイスは特別な地だ。1985年に歌舞伎の公演で初めて訪れ、1994年からは一人旅を楽しむ。
「予定は決めず、往復のチケットだけ準備して20日間以上行きます。景色が素晴らしいので一日5時間ぐらい山歩きをします。日本に帰ってくると体脂肪が激減して体調がよくなっているんです。
もうひとつの楽しみは山歩きの途中で飲むワイン。前日に飲んだワインの残りをペットボトルに入れて、朝食のパンとチーズとハムをいただき、リュックへ。これを途中で広げて飲むのが最高なんです(笑)」