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浜辺美波『ドクターホワイト』恋愛要素が加わって「トッピング増し増し」これじゃお腹いっぱい
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.03.07 11:00 最終更新日:2022.03.07 11:00
この作品に恋愛展開って必要か?
浜辺美波主演の『ドクターホワイト』(フジテレビ系)、先週放送の第7話はそう思わせるようなストーリーだった。
第1話で、裸足に白衣姿で呆然と公園を歩いており、急に倒れ込んでしまったところをジャーナリスト・狩岡将貴(柄本佑)に発見された謎の女性・白夜(浜辺)。
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記憶喪失ながら圧倒的な医療の知識と優れた洞察力で、医師免許を持っていないにもかかわらず、大病院の総合診断協議チーム(CDT)に加わり、患者を救っていくという医療ドラマ。
本作は白夜に秘められた謎が物語の縦軸として描かれてきた。第7話冒頭では、白夜は幼少期からどこかの施設に監禁されており、医療の知識だけを与えられていたことが判明。主人公の存在自体がミステリー要素となっている。
■浜辺美波が演じるウブな恋する乙女はキュートだが…
また、第7話は主要キャラたちの恋愛描写も多かった。
将貴が片思いしている幼馴染みの内科医・高森麻里亜(瀧本美織)は元カレと偶然再会。将貴は麻里亜が元カレ登場で舞い上がっている姿を見て気が気ではなく、一方で将貴に対して、白夜も恋愛感情を抱いていることが判明する。
恋心を抱くこと自体が初めてだった白夜は、当初自覚していなかったが、将貴の妹に「お兄ちゃんに惚れてるでしょ」と言われ、それが恋というものだと気づくのだった。
率直に言って、白夜が将貴に恋をするという恋愛要素、必要か? ……と思ってしまった。
浜辺がウブな恋する乙女を演じる姿はキュートだし、そんな彼女の演技に需要があることは理解できるが、要素を詰め込みすぎではないか。
そもそも医療ドラマは、病気やケガに苦しむ患者を救う医療従事者の活躍を描くだけでも、十分成立する。しかも『ドクターホワイト』は、主人公の秘密というミステリー要素も加わっている。
第7話では、そこからさらに恋愛要素を追加トッピングしたわけだ。要素が増し増しすぎて、お腹いっぱいである。
医療ドラマでも恋模様を描いた作品は少なくないし、恋愛展開自体が悪いとは思わない。だが、医療要素だけで戦ってヒットしているドラマもあるし、本作はミステリーサスペンス要素も上乗せしているわけだから、そこに恋愛要素も加えるのは節操がなさすぎではないか。
■新設されたドラマ枠としては健闘しているものの…
本作が放送されているのはフジテレビ系の月曜22時。1996年から2016年までの約20年間、『SMAP×SMAP』が放送されていた枠で、同番組終了後もバラエティ枠だったが、前クールからドラマ枠となった。
前クールの綾野剛主演『アバランチ』は、初回のみ世帯平均視聴率が10.3%(※ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)で、それ以降は一桁視聴率だった。
このドラマ枠の第2弾となった『ドクターホワイト』は、世帯平均視聴率が第1話は11.4%と好発進し、第2話10.1%、第3話10.4%と二桁を維持していたものの、その後急落。第4話7.5%、第5話8.1%、第6話8.4%、第7話7.8%となっている。
今の時代、新設されたドラマ枠で2作続けて二桁視聴率発進をしたのは立派で、それは期待値の高さの表れと言えるだろう。
また、フジテレビの看板枠として復権しつつある月9(月曜21時枠)とうまく連動し、ドラマファンの興味を集めている証拠かもしれない。
だが視聴率が一桁台に沈んでしまったのは、視聴者が離脱しているということであり、両作とも期待に応えられていないということではないか。
今は視聴率のよし悪しだけでヒットか否かと評するご時世ではないが、大きな指標であることは間違いない。医療ドラマという鉄板ジャンルで、旬で勢いのある浜辺美波を主演に据えても伸び悩んでいるのは、シンプルに作品の魅力不足だろう。
個人的な感想を言わせてもらうなら、『ドクターホワイト』は普通に面白い。少なくても、観た時間が無駄だったと思うような駄作ではない。けれど “超・面白い” という域には達していない。
恋愛要素は、そのパワー不足を補うためのトッピングだったのかもしれないが……。はたして今夜放送の第8話で、第7話の恋愛展開が吉と出るか凶と出るか、注目したい。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中
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