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『妻、小学生になる。』石田ゆり子に復活してほしいけど…終幕に向けてファンが葛藤しているはず
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.03.25 11:00 最終更新日:2022.03.25 11:00
いい意味で視聴者に葛藤を抱かせながら、今夜の最終話を迎える『妻、小学生になる。』(TBS系)。
10年前に最愛の妻・貴恵(石田ゆり子)を交通事故で亡くして以来、生気を失っていた主人公・新島圭介(堤真一)とその娘・麻衣(蒔田彩珠)。2人の前に、小学4年生の万理華(毎田暖乃)の体に乗り移った姿で貴恵が現れて――というファンタジーホームドラマだ。
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先週放送の第9話では、貴恵の魂が万理華の体から消え、万理華は本来の小4女子の人格を取り戻した。再び貴恵を失った圭介と麻衣は、生きながらも死んでいるゾンビのような状態に戻ってしまった。
しかし、圭介は貴恵が与えてくれたものを噛みしめ、少しずつ再生していく。そして、食事もとらずに部屋に引きこもっていた麻衣に、「これからはなくしたものじゃなく、ママがくれたものを見つめて生きていかないか?」と呼びかけ、麻衣も再生の一歩を踏み出すのだった。
■これまで出番が多くなかった石田ゆり子が本領発揮
この第9話は、幽霊のような状態の貴恵を演じる石田の登場シーンが多かった。石田は主要キャストながら、最初から亡くなっている役どころだったし、貴恵の魂が乗り移った小学生は子役が演じているため、実はドラマ全体をとおして出演シーンはさほど多くない。
そんな石田が、さすがの貫禄で本領発揮。
これまでも要所要所の回想シーンで登場はしていたが、第9話では霊体で周囲に見えていない状態ながら、多くのシーンで見せ場を作った。石田の魅力と存在感の大きさを思い知らされる回だった。
たまたまの偶然だろうが、2クール(全20話)で放送され、先日最終話を迎えた『真犯人フラグ』(日本テレビ系)の宮沢りえも、同じようなポジションだった。
宮沢が演じたのも主人公の妻で、いなくなってしまうところも一緒。主要キャストにもかかわらず回想シーンがメインだったが、最終話では熱のこもった気迫の演技で女優魂を見せつけた。
1980年代から活躍しており、今も第一線で輝いているアラフィフ女優2人が、くしくも似たような役どころで存在感を示したわけだ。
■再び万理華の体に戻った貴恵…最終話でもう一波乱?
さて、ここからは今夜放送の『妻、小学生になる。』最終話について考えてみよう。
貴恵の魂が消えて再び生気を失っていた圭介と麻衣は、第9話後半で前向きに人生を歩み出そうとしていた。本来の小4女子に戻った万理華とシングルマザーの母も、2人で寄り添いながら生きていく姿が描写された。
えてしてこういった再生シーンは最終話で描かれることが多いが、本作では最終話を前にして主要キャラたちが立ち直っている状況。
最終話では貴恵がもう一度万理華の体に乗り移り、圭介や麻衣に改めてきちんとお別れをするシーンが描かれるのだろうが、正直、そんなシーンに尺(放送時間)は必要ないように思う。となると、最終話でもう一波乱起きるのかもしれない。
■妻に消えてほしくないが、ドラマのテーマ的にナシか
最終話で貴恵はもう一度万理華の体に入るだろうが、おそらく最終的には消えて成仏するというのが既定路線。
個人的な願望で言えば、貴恵の魂は完全には消えず、週に1日ぐらいの頻度で万理華の体に入り、圭介と麻衣と “週1家族” として幸せに暮らしていくようなエンディングがいいなと思う。
そして、綾瀬はるか主演の『義母と娘のブルース』(2018年/TBS系)の続編が、2020年新春と今年の新春にスペシャルドラマ化したように、『妻、小学生になる。』も数年おきに特番で復活してくれたらいいなとも思う。
しかし、本作は亡くなった妻を引きずっている夫と娘が、妻の支えがなくなっても力強く生きていく姿を描くに違いない。貴恵がたびたび戻ってきたら、“遺された者たちの再生” というテーマがブレるため、そんな続編が作られたら大いなる蛇足になってしまう。
そのため、貴恵が成仏せず、たまに万理華の体に入ってほしいと願う気持ちがある一方、物語の性質上、そんな展開にすべきではないということもわかる。
『妻、小学生になる。』を愛している視聴者ほど、この葛藤にさいなまれているのではないか。――完全に続編の余地なくきれいに終わる。実に寂しいが、それがこのドラマのフィナーレにふさわしい。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中
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