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嵐・松本潤『となりのチカラ』ドラマの “答え” が20年以上前のSMAPの名曲にあった
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.03.31 11:00 最終更新日:2022.03.31 11:00
今夜いよいよ最終話を迎える嵐・松本潤主演の『となりのチカラ』(テレビ朝日系)。
妻と2人の小学生の子を持つ中越チカラ(松本)は、何をやっても中途半端で情けなく見えるが、出会った人を助けてあげたいという気持ちが人一倍強い、人間愛あふれる主人公。そんな彼が、引っ越し先のマンションの住民たちの悩みやトラブルを解決していく社会派ホームコメディーだ。
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しかし、チカラはマンションの住民たちの声に耳を傾け、仕事そっちのけで協力していたものの、先々週放送の第7話で、自身の家庭内の問題には目を向けていなかったことが発覚。
妻・灯(上戸彩)が「これ以上、チカラ君といたくないの」と告げて実家に帰ってしまったのだ。チカラは、わが家には何の問題もないと思い込んでいたため、灯がなぜ出ていってしまったのかわからず、途方にくれるのだった。
そして先週放送の第8話。灯があげていた家庭内の3つの問題について、自分なりの考えを一生懸命に灯と子供たちに話すチカラ。そのうえで、灯に「そんなあなたを僕は大好きです。心から尊敬しています。一生そばにいたいです」と告げ、仲直り。
家庭内の問題も一件落着し、最終話に突入するという流れである。
■SMAPの1998年の名曲『たいせつ』のラストに…
筆者がSMAPの往年の名曲を想起したのは、灯と仲直りする前に、チカラがマンションの住民たちに向けて伝えた言葉がきっかけだ。
自身の家庭の問題をおろそかにして妻に出ていかれ、マンションの住民たちの悩みに向き合う余裕もなくなって、結果として迷惑をかけたことを謝罪して、こう語ったのだ。
「自分はヒーローでもなんでもない。父親としても夫としてもお隣りさんとしてもダメダメな、ただのおっさんだって」
この言葉を聞いてふと思い出したのが、SMAPが1998年にリリースしたシングル曲『たいせつ』。この曲のラストが《人はスーパーマンじゃない》といった歌詞だったからである。
嵐・松本の「ヒーローでもなんでもない」というセリフと、SMAPの「スーパーマンじゃない」という歌詞が符合した。
『たいせつ』は、“君” との何気ない時間がいかにかけがえのない大切なもので、自分が特別な存在(スーパーマン)ではなくても、まずは目の前の大切なものを守っていこうよ――というメッセージソングだと思う。
チカラはずっと、『たいせつ』で歌われていたことに気づいておらず、妻を失いかけるも、自分が犯していたあやまちを知り、妻との愛情を再生させる。
国民的アイドルグループ・嵐メンバーが主演するドラマの “答え” が、奇しくもジャニーズの先輩であるSMAPの、20年以上前の名曲に隠されていたのだ。
■「もう何もしない」宣言は作品全体の否定になる
さて、こうして大切な妻を取り戻したチカラだったが、家庭をおろそかにしないために、第8話ラストでマンションの住民たちの悩みや問題に対して「もう何もしない」と宣言。
だがこのドラマは、人間関係が希薄になっている現代において、ただただ隣人の平和を願い続けて尽力する主人公の姿を描いてきた。つまりチカラの「もう何もしない」は、これまでずっと描き続けてきたことを否定する発言なのである。
チカラが手を貸してきた住民たちの問題はまだ解決していないことも多いし、今夜放送の最終話では、マンション内で新たな大問題が勃発する模様。チカラがそういった問題に介入するのか・しないのか、首を突っ込むなら “落としどころ” をどのように描くかが見どころになるだろう。
本作の世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は第1話から第8話まで11.5%、10.2%、8.7%、8.9%、8.2%、7.9%、8.6%、8.4%と推移。第3話以降は一桁台に沈んでしまっているが、最終話を再び二桁台に乗せて、有終の美を飾れるかどうかも注目である。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中
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