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【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『人時』レコーディングでは涙声…亡くなった父のことが思い出されて

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.04.09 06:00FLASH編集部

【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『人時』レコーディングでは涙声…亡くなった父のことが思い出されて

新曲発表会に駆けつけた松尾潔。谷村新司はパネルで登場

 

 シングル『人時/こころが』と、アルバム『愛してる Love SongsIII』が同時に世に出たのは、2012年3月30日金曜日のことでした。

 

 皆さん、ご存じのようにほとんどのCDは、水曜日に発売されます。それがルールになっているわけではないので、別の曜日に発売するのはレコード会社の自由なわけですが、変えるなら変えるで、ちょっとはわたしの意見を聞いてくれてもいいんじゃないかと思ったりしているわけです、フンッ。

 

 

ーー怒っている?

 

 いえ、怒っているわけじゃなくて……愚痴です(笑)。

 

 だって、聞いてくださいよ。水曜日でいいのに、わざわざ、わたしの45歳の誕生日に合わせて金曜発売にする意味がどこにあるんでしょうか?

 

 きっと、おそらく、ほぼ確実に「坂本冬美45歳、節目となるこの日に……」と言われるんだろうなと思っていたら、案の定です。20代……オマケして30代ならまだしも、あっちでもこっちでも、45歳の大安売りでした。

 

 とまぁ、いきなり愚痴の連発でスタートしてしまいましたが(苦笑)、谷村新司さんが作詞・作曲してくださった『人時』と、両A面となった、松尾潔さんが作詞、松尾潔さんと豊島吉宏さんが作曲の『こころが』は、どちらもものすごく素敵な歌です。

 

 こういう曲を……とお願いしたわけではありませんが『人時』は、谷村さんが亡くなったわたしの父のことを想って作ってくださった歌で。オケ録りから、もう涙腺は緩みっぱなしでした。

 

 作品はずっと残るものなので、さすがにレコーディングのときは「泣くな、泣いちゃだめだぞ」と、必死に言い聞かせながら歌っていましたが、あらためて聴いてみると、ちょっとだけ涙声になっているような気がします。

 

 谷村さんに曲をいただいたのが初めてなら、プロデューサー、作詞家、作曲家、ライター、小説家、R&Bの牽引者……と、いくつもの顔を持つ松尾潔さんとも今回が初めてで。

 

■毎回、新しい出会いにときめきを感じる

 

 失敗したらどうしよう。期待に応えられなかったらどうしようと、毎回初めてのときはドキドキが止まりません。

 

 でも、それでもやってみよう! と思うのは、新しい出会いにときめきを感じるからです。

 

 これまでいくつかのトリビュートアルバムに参加させていただきましたが、「はい!やります!」と手を挙げるのは、怖さ以上にワクワクを感じるから。

 

 違うジャンルの方とひとつのアルバムに入れていただける機会なんて、そんなにあるものじゃないですから、それだけで嬉しいし、幸せを感じてしまうんです。

 

 この年の7月に出た三木たかし先生のトリビュートアルバム『もしも明日が~三木たかしトリビュート』のときもそうでした。

 

 このアルバムでは、親友のあやちゃん(藤あや子)と『もしも明日が』をデュエットさせていただいたのですが、いつもは緊張するレコーディングも、家を出たときから楽しさ200%でした。

 

 しかも、あやちゃんとわたしでは、全然声質が違うのに、一緒に歌っていると

 

ーーあれっ!? 今のはどっちの声かしら? わたし!? あやちゃん? という瞬間が、たびたびあって。いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)といいますか、五十歩百歩といいますか……似た者同士なんですね(笑)。

 

さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』、そして最新シングル『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、ファン投票によって選曲された『坂本冬美35th Covers Best』と、メモリアルイヤーの締めくくりに『夜桜お七』初のアナログ盤が発売中!

 

写真・中村功
構成・工藤晋

 

( 週刊FLASH 2022年4月19日号 )

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