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やくみつるVS.花田虎上「日本最強の横綱」を決める!

エンタメ・アイドル 投稿日:2017.04.09 06:00FLASH編集部

やくみつるVS.花田虎上「日本最強の横綱」を決める!

 

やくみつる(以下、やく)引退番組に呼んでいただき、お邪魔しましたよね。けっこうお久しぶり、ですよね。

 

花田虎上(以下、花田)はい。最後は日テレでお会いしたのを覚えています。

 

やく 好角家たちがあれこれ語り合う企画はよくありますが、横綱だった人が自分以外の強い横綱を語った対談は、私の記憶にはないんですね。これは歴史的な対談ですよ! 若乃花をどこのランクに入れたらいいんだろうか……。

 

花田 僕、こういうのにあまり入らないんで全然気にしないでください(笑)。

 

やく では伺います。実際、若乃花が取り組んで強かった横綱は誰ですか?

 

花田 本場所で強かったのは武蔵丸ですね。「武蔵丸のほうが強い」って言うと、曙が機嫌悪くなるんですけど(笑)。体も大きいし、リズム感もいいですし。やくさんが強いと思う横綱は?

 

やく 頭の中で多様な力士を戦わせて自分が見たなかから選ぶと、やはり大鵬が最も強いんじゃないかな。攻撃の絶対的な型があるわけではないけれど、突っ張る人には突っ張る。差し身もいいし、自在。誰を相手にしても自分が土俵の真ん中にいる。相手は側面攻撃とか仕掛けるけれど、結局差し勝つ。

 

花田 僕は過去の映像でしか見たことはないですが、手足も長いですし、実際強かった。そういう点では、僕よりも貴乃花と対戦してほしいですね。

 

やく 私の2位は貴乃花ですよ。最強の寄り身です。むしろ横綱になる前、大関時代の足腰は崩れなかった。貴乃花が一歩引いたときって、絶対崩れないんですよね。一回防御に入って、片足を後ろに踏ん張ったとき。

 

花田 型はあっても型以外でも対応のできる力士ですね。そういう力士ってあんまりいないんですよね。3位は?

 

やく 速攻型の北の湖ですね。がっぷり四つでの強みというより、ダーッと攻め勝つ。4位が輪島。気合の入っている場所は、左でまわしを取ったら、勝ったも同然でしたね。

 

花田 僕は親父(初代貴ノ花)から強い力士に関しては、北の湖さん と輪島さんの話しか聞かなかったですね。北の湖さんは「あのお腹にやられる。何もできなくなってしまう」と。輪島さん は「あんなに稽古しないで勝てる人がいるんだ。あの人は天才だ」って(笑)。

 

やく 左の下手一本でねぇ。5位は玉の海ですが、全盛の現役中、昭和46年に亡くなっていますから、強い印象のままですね。上背はそんなにないのに、重心の低い安定した右四つからきれいに吊るんですよね。

 

花田 僕が強い横綱を選ぶとすれば、とにかく双葉山さんが神様。実際69連勝しているわけですし、力ずくではなく緻密に計算していると思うんです。大鵬さん 、北の湖さん 、貴乃花。この3人は優劣をつけられないですね。大きいですし、胸を合わせたらどうしようもできないかなと。5位は大乃国さん 。それから武蔵丸くらいですかね。

 

やく 若乃花が貴乃花をランキングに入れてくるのが面白いですね。優勝決定戦、ぶん投げたじゃないですか(笑)。

 

花田 それはもう、精いっぱいの取組でしたから。稽古中から貴乃花はほかの力士とは格が違いました。たとえば、武蔵丸や曙と四つ相撲になった場合、どうにか捨て身で投げられるかもしれないけれど、貴乃花は捨て身もきかない。僕は今回、元横綱の一評論家として冷静で客観的に貴乃花は強かったと評価しているだけで、弟だからというわけではないですよ。弟だったら、正直語りたくもない(笑)。

 

やく 肌を合わせた人じゃないと、そういう感覚はわかりませんから。ひいきなしでも貴乃花は強かったと評価するのは、それだけ別格だったんですね。

 

花田 僕は親父にかなり厳しく絞られました。貴乃花は海外旅行に行っても何も言われなかったけど、僕はダメ。お酒も禁止だったので、毎日稽古場、病院、トレーニングセンターにしかいなかった。毎月病院の検査があって親方がチェック。がんじがらめでしたね。

 

やく そういうスタンスの部屋だったんですね。初耳ですね~。

 

花田 僕は「あれ、死んでるのかな?」というくらい追い込んで稽古をしていました。ストレス発散は心理分析やノンフィクションなどの本を読むことでしたね。字を見ると落ち着くので。

 

■再評価せよ。若乃花

 

花田 僕は114kgで初優勝したので、歴史上いちばん小さい横綱の一人だったんじゃないかな。絶対に無理だとは思うんですけど、歴代横綱72人全員で場所をやりたいですね。格下に負けるプレッシャーがないので100%以上の力が出せると思うんです。

 

 横綱に昇進してからは格下と対戦するだけで、怖かったですから。負けたら、「明日は何を書かれるのか……」って。僕の横綱時代は孤独なうえに、体も心もボロボロでした。

 

やく そうした横綱本人にしかわからない苦労を聞けるのは、貴重ですよ。

 

花田 僕は一発勝負型なので全員で戦ったら全然勝てない気がします。でも、技術だけは負けない自信はあります。

 

やく 私は若乃花を評価していますよ。「今、再評価せよ。若乃花」みたいな企画をもっとやってほしいくらい。

 

花田 いやいや、僕はもう、静かに……(笑)。僕はお酒を飲みながら、NHKの相撲中継をあーだこーだ言って観ているのが今は楽しいんです(笑)。

 

■やくみつるの歴代横綱ベスト5
1位 大鵬
2位 貴乃花
3位 北の湖
4位 輪島
5位 玉の海

 

■花田虎上の歴代横綱ベスト5
1位 双葉山
2位 大鵬
2位 北の湖
2位 貴乃花
5位 大乃国

 

取材・文/高田晶子

 

(週刊FLASH 2017年3月28日、4月4日号)

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