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“九頭身美女”田中道子 がむしゃらに駆け抜けてきた6年間…『極主夫道』撮影は「ずっと幸せの中にいる感じ」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.05.21 06:00 最終更新日:2022.05.21 06:00

“九頭身美女”田中道子 がむしゃらに駆け抜けてきた6年間…『極主夫道』撮影は「ずっと幸せの中にいる感じ」

 

「自分でも、こんな性格ってかわいくないよなぁとは思うんですけど……弱音は吐きたくないし、弱い自分を人に見られるのも……嫌なんですよね」

 

 と、苦笑いをこぼす「ミス・ワールド2013」日本代表 “九頭身美女” の田中道子(32)。そんな彼女が、唯一素直になれる人……と教えてくれたのは、半年前に亡くなった祖母だ。

 

「おばあちゃんはちょっと変わった人なんです。おしゃれで、華やかなものが好きで、一人で世界中を旅してまわるような人だったんですよね」

 

 

 地元・静岡の大学で都市開発を学び、卒業後に二級建築士の資格を取得した田中が、最後は家出同然のように、トランクひとつで東京に出てきた際も、応援してくれたのは祖母だったという。

 

「父は猛反対。母は気持ちはわかるけど、賛成はできないということで中立。おばあちゃんだけが、好き勝手やらないと後悔するよと言ってくれて。今は反対している家族も、最後はみんなみっちゃんの味方だから、自分が行きたいと思う道を行きなさいと」

 

 田中は、そんな祖母を心から愛していた。

 

「弱音を吐いても、愚痴を言っても……今度の監督さんはすごく怖い人で、どうしたらいいかわからないとか(笑)。そういう話をしているときでも、いつもニコニコしながら聞いてくれるんです」

 

 目の前で、落ち込んだり、怒っている彼女を見るのも楽しいという顔で。

 

「そんなおばあちゃんの笑顔を見てると、いつの間にか私の中にあった怒りや弱さという感情が消えて、頑張ろうという気持ちになれたんです」

 

 でも、しかしーー。コロナ禍の影響で、祖母の最期を看取ることができなかったことに、今でも悔いが残っていると、唇を噛み締めた。

 

「亡くなった日は、静岡でダイビングのロケがあって。この仕事が終わったらおばあちゃんのところに行こうと思っていたんですけど……間に合いませんでした。でも……」

 

ーーでも?

 

「涙は全部、海に溶けて。カメラの前では、いつもの自分でいることができました。きっとそれも、おばあちゃんの心遣いなのかなって思っています。元気でテレビに出ている私が大好きだったので……」

 

■デビュー当時は現場で孤独感を感じていた

 

 クシュンとひとつ、鼻を鳴らした彼女が見せてくれたヒソモノは……祖母が残してくれたペンダントだ。

 

「いつ、どこで買ったものなのか? 私にこれを残してくれたということは、きっと特別な思いがこめられているんだろうなと思うんですが、それを聞くこともできなくて……。でも、ずっとおばあちゃんが身につけていたものなので、私にとっては大事な宝物なんです」

 

 趣味はピアノ、ハープ、絵画といった多彩な芸術センスに加え、競馬、ダイビングと幅広い田中が、芸能界デビューしたのは26歳。事務所には “年下の先輩” が多くいた。

 

「26歳でデビューというのが、ず~~~っと、コンプレックスになっていて(苦笑)。現場に行っても友達と呼べる人は一人もいないし、相談できる相手もいない。今、思うとただのひがみなんですけど、当時はきつかったです」

 

 デビュー作品は人気ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)第4シリーズ。誰もが羨むようなデビューだが、それが逆に彼女を追い詰めた。

「私以外、役者さんはもちろんスタッフさんも皆さん顔見知り同士で、撮影初日から久しぶり? 元気だった? という言葉があちこちで飛び交っていて。でも、私はその輪に加われない。心のどこかで、あれをやりたいってずっと思っていたような気がします」

 

 デビュー6年めの今年。彼女のその夢が、ついにかなうときがやってきた。

 

 2020年秋に放送された人気ドラマ『極主夫道』(日本テレビ系)が映画化(6月3日公開)。田中も、チーム『極主夫道』の一員として輪に加わったのだ。

 

「長年の夢がようやくかないました(笑)。いつもなら撮影が終わるころには疲れ果て、家に帰るなりベッドに倒れ込んでいたのに、撮影期間中、元気なままで。ず~~~っと幸せの中にいる感じでした」

 

 専業主夫になった伝説の極道 “不死身の龍” を演じるのは玉木宏。川口春奈志尊淳竹中直人らのレギュラー陣に加え、松本まりか吉田鋼太郎を新キャストに迎えた映画は、腹筋が崩壊するくらいの爆笑コメディ。田中が演じるのは、玉木宏が所属する町内の婦人会メンバーだ。

 

「撮影前に婦人会のボス、MEGUMIさんから、『こんな時代だからこそバカバカしいくらい思いっ切りやり切ろう』と声をかけていただいて。そのひと言で気持ちが楽になって、針が振り切れるほど思い切りやり切りました(笑)」

 

 がむしゃらに駆け抜けてきた6年間……楽しかったという言葉だけでは飾れないが、後悔はしていないと言い切る。

 

「絶対に後悔しないだろうと信じていましたが、そのとおりになってよかったです。背中を押してくれたおばあちゃんに感謝、そして、やろう! と決めた自分に拍手を送りたいですね」

 

たなかみちこ
1989年8月24日生まれ 静岡県出身 2013年「ミス・ワールド2013 日本代表」に選出され、2016年『ドクターX~外科医・大門未知子~』で女優デビュー。2018年には、NHK大河ドラマ『西郷どん』に出演するなど、数多くのテレビドラマに出演

 

写真・中村功
取材&文・工藤晋

 

( 週刊FLASH 2022年5月31日号 )

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