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土屋太鳳『やんごとなき一族』起爆剤になりうる佐々木希の「悪女怪演」は見もの

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.02 11:00 最終更新日:2022.06.02 11:00

土屋太鳳『やんごとなき一族』起爆剤になりうる佐々木希の「悪女怪演」は見もの

 

 今夜放送の第7話は、怪演する佐々木希の独壇場となり、悪女キャラの第一人者として女優業の新たな道を切り拓けるかもしれない。

 

 土屋太鳳が主演する『やんごとなき一族』(フジテレビ系)は、庶民である主人公が上流社会の超セレブ一族に嫁ぐことになり、骨肉の争いに身を投じていく「アフター・シンデレラ・ストーリー」。

 

 大衆食堂の看板娘である佐都(土屋)は、江戸時代から400年以上続く由緒正しき名家・深山家の次男である健太(松下洸平)と結婚。

 

 

 しかし、深山家はまさに現代の伏魔殿。格差違いの結婚を猛反対する深山家当主である義父から追い出しを画策されたり、次期女主人の座を奪われた長男の嫁から執拗なイジメを受けたりと、散々な目に。

 

 とは言え、毎話毎話ふりかかるさまざまな苦難を乗り越えてきた佐都には、すでに深山家の義母や義妹がよき理解者となってくれていた。

 

 そして先週放送の第6話では、義妹の婚約祝いのお茶会で佐都が客をもてなし、健太の祖母の先代女主人から「けっこうなお手前でした」というお褒めの言葉をかけてもらう。とうとう深山家の最長老からも認められたのだった。

 

 長男の嫁は薄汚れた出自の秘密がバレてしまい、長男夫婦は義父から見放されているため、佐都の敵キャラとしてはなかば失脚ぎみ。そのため、残る敵キャラは大ボスの深山家当主の義父ぐらいかと思われていたが、今夜放送の第7話で思わぬ伏兵が牙を剝くようだ。

 

 それが佐々木演じる泉なのである。

 

■『カムカムエヴリバディ』では悪女のように見えて悪女ではなかったが…

 

 泉は健太の学生時代からの友人で、彼が恋心を抱いていた相手。大物政治家の娘で、上流階級の教養も兼ね備えており、佐都とは真逆のバックボーンの持ち主だ。

 

 義父は、健太と泉を引っつけて佐都と離婚させる策略のようで、泉を健太の秘書に抜擢していた。とは言え、泉本人は、健太とあくまで友人というスタンスで、秘書としての職務を粛々とまっとうしているだけ……のように見えていたのだが、今夜放送の第7話で豹変するようである。

 

 第7話の公式予告動画では、泉が恋愛には相当クレイジーだと語られ、寝ている健太にキスするシーンが。また、泉が健太に「私だけを見て」「やり直そうよ、健ちゃん」と誘惑するセリフも公開されている。

 

 第1話終盤から登場していた泉。主人公夫婦にとってはどこか不穏な空気をまとう存在ながら、これまでは淑女として鳴りを潜めていたが、とうとう悪女キャラとして暴走を始めるということだ。

 

 しかも、そんな泉を佐々木が演じていることで、本作の劇中から離れた “メタ的要素” のフリが効きまくっているのである。

 

 佐々木と言えば、多目的トイレ不倫で日本中から大バッシングを浴びたアンジャッシュ・渡部建の妻。渡部は最底辺までイメージが落ちたが、佐々木は離婚することなくゲス夫を許し、たびたび殊勝なコメントを発するなどして好感度を上げていた。

 

 そんな佐々木希史上、もっとも好感度が上がっていることがフリとなり、悪女を演じることで現実の良妻イメージとのギャップが際立つのである。

 

 メタ的なフリはもうひとつある。

 

 佐々木は今年4月まで放送されていた朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK)に、芸能事務所の社長令嬢役で出演。この社長令嬢は2代めヒロインの恋人であるトランぺッターの才能を見出す役どころで、ヒロインの恋敵になる悪女キャラなのではないか……と視聴者をざわつかせていた。

 

 だが、その社長令嬢は純粋に音楽の才能に惚れ込んでいただけで、泥棒猫のようなことはしなかった。朝ドラの制作陣がある程度は意図してミスリードしていたのかもしれないが、ヒロインから恋人を奪い取るという展開は視聴者の杞憂に終わったのである。

 

 このように、先日まで別作品で悪女のように見えて悪女ではなかったキャラを好演していた佐々木が、『やんごとなき一族』では稀代の悪女を怪演する。大ヒット朝ドラが盛大なフリになっているわけだ。

 

 これまでの佐々木は棒演技と揶揄されることもあるほど演技力の評価がいまいちで、画面に華を添えるお人形のような扱いが多かった気がする。そんな彼女ももう34歳だが、ここにきて悪女キャラとして開花し、個性派女優のポジションを確立していく可能性もあるのではないか。

 

 世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は第1話から第6話まで7.3%、6.1%、5.7%、4.8%、6.0%、6.3%と低調。だが、今夜の佐々木演じる暴走悪女が起爆剤となれば、最終回に向けて巻き返していけるかもしれない。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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