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「登録者130万人超の74歳水彩画YouTuber」柴崎春通氏が考えるオンリーワンの“優しいバズり方”【Watercolor by Shibasakiインタビュー・前編】

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.06.05 11:00FLASH編集部

「登録者130万人超の74歳水彩画YouTuber」柴崎春通氏が考えるオンリーワンの“優しいバズり方”【Watercolor by Shibasakiインタビュー・前編】

「Watercolor by Shibasaki」の柴崎春通氏。後ろに見えるのは登録者数100万人で贈呈される「金の盾」だ

 

 YouTubeで、こんな動画を見たことはないだろうか。

 

 穏やかな笑顔をした “おじいちゃん先生” が、本格的な水彩画を描いたり、誰もが使ったことのある「サクラクレパス」で絵を描いたり、視聴者のお悩み相談に答えたり……。

 

 柴崎春通(しばさき・はるみち)氏が運営するYouTubeチャンネル「Watercolor by Shibasaki」のことだ。

 

 

 現在、74歳ながら、水彩画YouTuberとしての活動は6年め。登録者数は134万人にものぼる。いったい、どんな流れでこれほど “バズった” のか。柴崎氏の自宅で話を聞いた。

 

(柴崎氏の「経歴」に迫ったインタビューは別記事の「“日本一サムネでみるおじいちゃん” 動画では知りえない柴崎春通氏の『経歴』心臓手術は6回も【Watercolor by Shibasakiインタビュー・後編】」で、お読みください)

 

【後編】柴崎氏がYouTuberになるまで…心臓の手術も

 

――柴崎さんがYouTubeを始められたのが、2017年。きっかけは何だったのでしょうか。

 

 僕はもともと長年、絵の講師をやったり、絵描きとして毎年個展を開いたりといった活動をしていました。おかげさまで、講師の仕事は毎回、満席で、個展にもたくさんのお客さまが来てくださっていました。

 

 ですがある日、息子が「個展でもお客さんはいっぱい来てくれるけど、最近はYouTubeっていうものがある。もっとたくさんの人が作品を見てくれるよ」と、すすめてくれたんです。

 

 当時、僕は「海外で展覧会をやってみようかな」と考えていた時期でした。でも、海外だと作品を輸送したり、画廊を押さえたりと作業が多く、この歳ではなかなか大変。そんなときに息子の提案があったので、「じゃあ、ちょっとやってみようか」と乗り気になり、話が始まりました。新しいことには興味津々な性分でもありましたから。

 

 講師の仕事では、自分が絵を描いている姿を撮影し、その動画を生徒さんに送ることもありました。人前で話すことにも慣れていましたから、YouTubeの仕組みは理解しやすかったです。

 

――活動を始められて6年めですが、現在の登録者数は134万人(6月3日現在)。登録者数がここまで伸びたことは、どう感じていますか。

 

 あまりに数が多くて、ちょっと実感がわかないですね。最初はなかなか数が伸びなくて、登録者数が10万人にいくまで1年以上かかったんです。10万人はまだイメージしやすくて、(チャンネル登録者数が10万人を超えると贈られる)銀の盾が届いて「これはすごいものをもらってしまった」なんて思いました。

 

 視聴者のみなさんは「おめでとうございます! 次は金の盾ですね」とコメントしてくださったんですが、「10万人でこんなに大変だったんだから、100万人になるころは生きてないね(笑)」と、本気で返していました。

 

 しかし、次第に海外メディアが注目してくださって、『CNN』に出たりしているうちに、いろいろなところでバズり出したんです。“バズる” という言葉はそのとき覚えました。

 

 そのまま、意外と早く50万人、80万人ときて、気づけば100万人を超えてしまいました。自分の力で成し遂げた、というより、皆さんに押し上げていただいた感覚です。

 

――登録者100万人超えとなると、ご家族の方々も喜ばれたのでは。

 

 孫たちは、まわりの方に「おじいちゃんすごいね」と言われるらしいです。でも、僕は普通のじいさまとして暮らしているだけなので、孫にとってはただのおじいちゃんですね(笑)。

 

 息子は、たぶん嬉しかったのでしょうが、お互いに淡々としていました。つねに話題は「次はどんな動画を作ろうか」です。

 

――動画の編集は息子さんが担当し、企画内容は柴崎さんが考えていると伺っています。視聴者から送られた絵を添削する企画や、スケッチに出る企画のほか、100円ショップの絵の具のような身近な画材を “使い倒す” 系の動画や質問相談コーナーなど、幅広い動画を出している印象です。

 

 最初はぜんぜん違って、「透明水彩」のすばらしさを、自分の作品を通して伝えたい、という思いが大きかったんです。

 

 透明水彩というジャンルは、僕が40、50代のころ、一般の方はまったくご存じなかったんですよ。ですから、透明水彩とはどういうものか? 画材は何を使うのか? どう描くのか? どんなテクニックがあるのか? そんなことを扱う動画を作っていました。

 

 ですが、僕は根がおちゃらけた人間なので、畑をいじったり、山菜を取ったり、料理をしたり、そんな動画もたまに撮影していました。すると「柴崎先生の生活をもっと見たい」という声が多くなってきたんです。

 

 一方で、透明水彩のハウツー動画は、意外と反応が少ない。10万人も登録者がいるのに、1万回しか再生されていない、なんてこともざらでした。

 

 悩みました。よくよく皆さんのコメントを読んでみると、「絵を一緒に描きたい」という方は、割合としてそこまで多くない。どちらかというと、僕の声とか話し方を含めて、全体の雰囲気に癒される方が多いことがわかってきました。

 

 それならばと、もう少し間口を広げて、描き方を教えるだけでなく、もっと気楽な気持ちで見てもらえる動画を増やしていったんです。

 

 あとは、コロナ禍にもなりましたから、みなさん、ご自宅にいるでしょう。家にある鉛筆1本で、一緒に絵を描きましょうか、あるいは、小学校のときに使ったような絵の具で描きますから、ぜひ見てください、と。そうやって、動画の内容が多彩になっていきました。

 

( SmartFLASH )

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