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「チコちゃん」炎上のマナー講師・平林都 鬼指導の裏にあった壮絶半生「小4で親戚たらい回し、自殺も考えた」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.14 06:00 最終更新日:2022.06.14 06:00

「チコちゃん」炎上のマナー講師・平林都 鬼指導の裏にあった壮絶半生「小4で親戚たらい回し、自殺も考えた」

行きつけの寿司店で、男を奪い合ったこともあるという親友と乾杯

 

「泣くな、ええ歳して!」

 

 厳しい言葉に、さらに涙を流す若い女性スタッフーー。

 

 これは5月21日に放送された『チコちゃんに叱られる!』(NHK)でのひと幕。“鬼マナー講師”こと、平林都氏の“講義”が怖すぎるとして、ネット上では「パワハラだ」などの声が上がり炎上した。NHKの前田晃伸会長が「批判をいただくようなことはあってはいけない」と発言するほどの事態となった。

 

 

「台本どおりにやっただけで、気分がよいことではございませんが、今までの人生の中には、もっともっと辛いことがありました。墓場まで持っていかなければならないような秘密もあります。むしろ、他人からの批判が自分を今以上に強くしてくれるのだから、ありがたい状況なんですよ」

 

 と笑うのは、その平林氏本人だ。全国で企業向けのマナー指導をおこなう傍ら、バラエティ番組に引っ張りだこ。60組以上の有名ユーチューバーとコラボし、出演動画が合計4000万回も再生される売れっ子だ。

 

「どんなに批判されても、厳しい指導はやめない」と断言する平林氏。マナー講師という仕事自体が、ネット上で「失礼クリエイター」と揶揄される逆風の多い昨今。なぜ彼女はここまで毅然とマナーを指導できるのか。じつは彼女の“マナー”の裏には闇深い半生が隠されていたーー。

 

「私、両親がいないような状態だったのです。母は幼いころからいなくて、父は自称『女が離さない、いい男』。全然家に帰ってきてくれませんでした。小学校低学年のころには、自殺未遂でもすれば父が『手のかかる子だ』と思い直して家に帰ってきてくれるんじゃないかと思い詰めるほどでした。でもどんなに頑張っても、父には行かなきゃいけない女の家が多くて無駄でした(笑)」

 

 現代風にいえば“ネグレクト”。小学4年生のころには、親戚の家を転々とする生活が始まった。

 

「歳の離れた姉の世話にならなきゃいけない時もあったのですが、姉の彼氏に疎ましく思われ、その後は近所の叔父や叔母の家を転々とする日々でした。そういう生活だと、子供ながらに他人の顔色を窺い、気を遣うんですよ」

 

 だが、けっして我慢するだけの子供ではなかった。

 

「たとえば『お金がないからチョコが買えない』だけじゃなくて、そこから『どうすればお小遣いをもらえるか』という問題意識を持ちました。指示待ち人間にならず、自主的な思考が育まれました。実際、両親にはすごく感謝しているんです。母は命のバトンを繋いでくれたし、父や姉は私を成長させてくれましたから」

 

 多くの“他人”に囲まれる過酷な生育環境が、平林氏に“生き抜く技術”としてマナーを身につけさせたのだ。その後、マナー講師として身を立てるまでにもひと波乱。

 

「高校卒業後、金融会社に勤めました。仕事が終わると、その日のうちにお茶やお花、お着物、話し方などのお稽古に通い、給料はすべてお稽古に費やしました。親の躾を受けてこなかったものですから、心細かったのです」

 

 ハードな生活を支えたのは、“メッシー君”に“アッシー君”だった。

 

「モテたんです。食事担当や送迎担当など、それぞれ役割を持つ男性がいました。時短のために、同じ喫茶店でデートをはしごしようとしたら、時間を間違えてダブルブッキングしたこともあります(笑)。もちろん、両方の彼氏にほかにも彼氏がいることを許可いただいたうえですけどね」

 

 幼少期に鍛えられた気遣いと、お稽古で身につけた美しい所作。27歳になると、逆に周囲からマナーの教えを請われるようになり、接客マナーのワンランク上、「接遇マナー」を教える講師として独立を果たした。

 

「お金がなくて、夜はスナックでバイトする日もありました。でも接遇マナーについては、1円でもお金をもらって教える限り、効果が出るように厳しい指導をおこなってきました。誰だって嫌われたくないものですが、私の仕事は接遇マナーを伝えるだけでなく、指導すること。『嫌われてなんぼや』という精神ですよ」

 

 意外なことに“鬼講師”の素顔は“陰キャ”だ。

 

「仕事とは真逆で、ふだんは常にぼーっとしています。自分で食事するお店すら決められないほどです。しかも無口なので、こちらが気を遣ってしゃべらなければいけないような人とは、そもそも会おうとも思いません(笑)。仕事以外はデニムにTシャツ姿ですよ」

 

 唯一、気を許せるのは、20代の頃から親友だという経営者の村上一満さんだ。

 

「彼女とは、独立直後の私に『着物の着付けを教えてほしい』と頼まれて以来、ずっと仲良しなんです。同じ男を取り合ったこともあるんですけどね(笑)。隣でずっと喋ってくれるので私は黙っていればいいだけ。まるで私の母親のような存在です。村上さんとよく行くのは大衆居酒屋。そんなときは、焼き鳥の食べ方だとか、バッグの持ち方だとかはいっさい気にしません。マナーって、相手に合わせることですからね」

 

 さらに、金銭面は“だらしがない”という。

 

「貯金はしていないし、今月カードで何を買ったかも覚えてませんよ(笑)。とくに靴と着物が好きで、これまでどれほど買ったかわかりません。ただ、それが働くことの原動力です。私は離婚歴があり、娘も嫁ぎましたので、自由の身ですしね。とはいえ、週5日以上は出張しておりまして、のんびりする暇はありません」

 

『チコちゃん』の女性スタッフに限らず、数々の番組で芸能人を叱ってきた平林氏。その“説教”はやらせではない。

 

「これまで有名人の方で、接遇マナーを理解なさっている方は一人もいませんでしたから、こちらも本気です。心を打たれたのは、錦鯉の長谷川氏ですね。あの年齢で『何も知りませんが、よろしくお願いします』と言える素敵な方。でも真面目すぎて、おもしろくない方です(笑)。おもしろくするために必死でした」

 

“鬼”が生まれるまでの波瀾万丈の人生。この人になら叱られたい!

 

( 週刊FLASH 2022年6月28日号 )

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