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鎌倉時代にキスはあったのか? 『鎌倉殿の13人』巴御前の“キス待ち顔”を風俗考証担当者が解説
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.29 13:34 最終更新日:2022.06.29 13:46
6月26日に放送されたNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(第25回)で、これまで“鎌倉殿”として物語を引っ張ってきた源頼朝(大泉洋)が、ついに死を遂げた。
第24回の時点で自らの死期を悟っていた頼朝。今回の放送回の後半で、自らの天寿を全うしようと決意したにもかかわらず、“退場”となってしまった。
その死の直前、放送を観た人は「おや?」と思ったシーンがあっただろう。巴御前(秋元才加)と和田義盛(横田栄司)が現代風にいえば「キス」をかわそうとするシーンが挿入されたのだ。
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頼朝によって追討された木曽義仲(青木崇高)の愛妾だった巴は、義仲亡き後、頼朝側の御家人・義盛に引き取られ、2人は夫婦になろうとしていた。
放送回終盤で、巴が“キス待ち顔”を披露。放送ではキスまでしなかったが、義盛が唇を近づけようとしたことに、ネット上は大盛り上がり。
《巴御前のキスシーン見たかったのにww》
《しんみりしてるところに和田殿と巴御前のキスシーン挟もうとしてきて自分でもびっくりするぐらい動揺した笑笑》
《今回の意外なベストショットは、和田義盛と巴御前のキスしそうな一歩手前のシーン》
ただ、ひとつ疑問が浮かぶ――。そもそも鎌倉時代に日常的な「キス」は存在したのだろうか?
そこで、『鎌倉殿の13人』だけでなく、同じく三谷幸喜氏が脚本を務めた『真田丸』でも風俗考証を担当した、立正大学文学部・佐多芳彦教授に話を聞いた。
「こういう解説って、どのようにすればいいかわからないところもあるんですが(笑)。いわゆる『キス』という行為が、いつからあったのかは、正直よくわからないんですよね。だからこそ、あの場面は三谷さんの演出の意図が強く出たものだと思います」
その根拠に、佐多教授は『真田丸』にも登場した同様の演出を例に出す。
「時代劇で愛情表現を描くのは非常に難しいのですが、三谷さんは『ラブシーンは結局、今も昔も変わらないだろう』と推測しているんだと思います。
それを証明するように、じつは『真田丸』で、堺雅人さん演じる真田信繁(幸村)の最初の妻が妊娠したとき、兄の信之(大泉洋)がいつ『口吸い(キス)』したのか問い詰めるシーンがありました。
巴と義盛の史実上の関係というのは、時代考証側からもわからないことが多いんです。一方で、そこはいくらでも創作できる部分でもありますから、三谷さんは史実のグレーゾーンをうまく利用して、シーンを組み立てていると思います。
今回の巴と義盛というのは、少し前まで敵同士だったのに惹かれ合うというセンセーショナルな組み合わせです。その2人の劇的な恋関係と、今後の展開について何かしら予期させる愛情表現として、キスという選択肢を選んだのでしょう」(前出・佐多教授)
番組公式サイトでも見ることができる第26回の予告動画には「鎌倉、分裂。」と波乱を期待させるような文字が躍っている。
巴と義盛も、そこに巻き込まれていくのか――。
( SmartFLASH )