エンタメ・アイドル
道枝版『金田一少年の事件簿』粗さが気になって…思うのは「堂本剛『金田一37歳』をぜひ!」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.07.04 16:42 最終更新日:2022.07.04 16:42
昔のほうがよかったと嘆くばかりの “懐古厨” と言われてしまうのは承知のうえで、どうしても言わせてもらいたい。やっぱり金田一役は堂本剛がいい。
同名漫画のドラマ化で、なにわ男子・道枝駿佑が主人公・金田一一(きんだいちはじめ)を演じた『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)が、7月3日に最終話を迎えた。
【関連記事:堂本剛の「広末涼子バックドロップ事件」打ち上げでプールに放り込んだ】
名探偵・金田一耕助の孫である金田一少年が、高校生ながら類まれなる推理力で、数々の難解な殺人事件を解決していく作品。
これまでにKinKi Kids・堂本剛、嵐・松本潤、KAT‐TUN・亀梨和也、Hey!Say!JUMP・山田涼介という、ジャニーズ事務所のエースタレントが主演を務めてきており、道枝が5代めとなる伝統あるシリーズだ。
第9話と最終話(第10話)で描かれたのは「オペラ座館 ファントムの殺人」。舞台「オペラ座の怪人」をモチーフに、劇団員たちが次々に殺されていくというストーリーだった。
■いたるところに “粗” が見えてしまった最終話
筆者は以前、同ドラマに対し、役者たちがオーバーな感情表現や大げさなゼスチャーでちゃちい演技をしており、まるで学芸会のようだと評したが、それは最終話でも健在。
また、学芸会演技以外にも気になることが多かったので、例をあげていきたい。
まずは、今回の事件の密室トリックで重要な役割を持つ鍵について。金田一たちが鍵を見張っていたところ、鍵袋に毒グモが入っていたため、焼き殺そうと金田一が暖炉の火のなかに投げ込むシーンがあった。
鍵も一緒に投げ込んでしまったため、暖炉の火が消えるまで2~3時間は鍵が取り出せないということで、一同納得していたのが……いやいや、ちょっと待ってほしい。暖炉の火を消せばすぐに取り出せますよ?
その鍵は、犯人かもしれない人物を閉じ込めていた鍵で、超重要アイテムだったのに、2~3時間も放置。そのせいで新たな殺人が起きてしまうのだ。
実は2~3時間放置させることが真犯人のトリックのキモだったのだが、それって運に頼りすぎていないか。
金田一がなんとか毒グモだけ暖炉に投げ込んだかもしれないし、暖炉ではなく窓から外に逃がしたかもしれない。もし金田一がそうしていれば、真犯人の計画はおじゃんだったのだ。
このトリックは原作どおりだろうから、ドラマの制作陣に非はないのかもしれないが、明らかに制作陣の手抜きと思えるシーンもあった。
真犯人が殺した被害者の手首から先を切断して所持しており、ある場所に置いておくシーンがあるのだが、その手があまりにも安っぽく作り物感がすごいのだ。
真犯人がその手を放ると、重量が軽いためかゴム製品のようにバウンドしてしまっていて、明らかに偽物。
もちろんドラマで本物の手を使うなんてことはできないから、作り物であることは視聴者全員知っているわけだが、それにしたってひどすぎる出来栄え。
せめてチープさが少しでも軽減するように、放った手が弾んでしまったシーンはNGにして、そっと置くように撮り直すくらいの労力は費やしてほしかった……。
■金田一役はやはり堂本剛が一番と再確認
このように、さまざまな部分で “粗” が見えてしまったのだが、主演の道枝が、毒にも薬にもならない無難な演技に終始していたことも残念に感じた。
普段はお調子者の明るいおバカキャラで、周囲から落ちこぼれと見なされているが、ひとたび事件が起こればIQ180という天才的な頭脳で、難解なトリックを暴いていくというのが金田一のキャラクター像。
しかし道枝が演じた金田一はその振り幅が狭く、おバカモードと天才モードのギャップがうまく表現できていなかったように思う。一言で言うと、キャラ立ちが弱いのである。
そうやって考えると、初代を演じた堂本剛は金田一というキャラクターを見事にものにしていたし、彼の当たり役だったのは間違いない。
1995年と1996年に2シリーズ放送された堂本版金田一は、どちらも全話の世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)が20%超えの大ヒットとなっていたことが、その証拠だろう。
道枝版金田一の最終話を視聴して思ったのは、「やっぱり金田一役は堂本剛がいい」「堂本版金田一の新作をぜひ観たい」ということ。
現在43歳の堂本が演じるのはもう無理だと思う方は多いだろう。だが、実は現在も続いている原作漫画シリーズは2018年から新展開となっており、20年後を舞台とした『金田一37歳の事件簿』が連載中なのである。
37歳の金田一を演じるのであれば、今の堂本なら違和感は皆無。というより、大人金田一は今の堂本だからこそ演じられる役だと言っても過言ではないだろう。
――1992年に連載開始した原作漫画シリーズは、今年がちょうど30周年。それを記念して、年末スペシャルドラマあたりで堂本剛主演の『金田一37歳の事件簿』を観たいというファンは、かなり多いと思うのだが……。日本テレビとジャニーズの英断に期待したい。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中
( SmartFLASH )