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『石子と羽男』有村架純が中村倫也に放った開始5分の一言に驚き…つかみとしては秀逸すぎる

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.07.22 11:00FLASH編集部

『石子と羽男』有村架純が中村倫也に放った開始5分の一言に驚き…つかみとしては秀逸すぎる

 

 開始5分後のつかみはバッチリだった。

 

 また “変わり者の天才” が主人公のありきたりなドラマか……とミスリードし、それをあっさり覆したのである。

 

 先週金曜にスタートした有村架純中村倫也ダブル主演する『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系)のことだ。

 

 有村が演じるのは、東大卒ながら4回も司法試験に落ちて崖っぷちのパラリーガル・石田硝子(石子)。中村が演じるのは、高卒ながら司法試験に一発合格した弁護士・羽根岡佳男(羽男)。

 

 

 そんな一見正反対な2人がバディを組み、悩みを抱えてマチベン(町の弁護士)を頼ってくる人々を助け、身近に潜んだ社会問題を解決していくリーガル・エンターテインメントとなっている。

 

■マンネリなフォーマットを逆手に取る斬新キャラ

 

 第1話開始早々、石子と羽男は初対面するのだが、羽男は無駄な時間を嫌う合理主義者で、弁護士としては主張をゴリゴリに押しとおそうとする強気なスタイル。ナルシストっぽい雰囲気も漂わせており、“満足している” という意味のイタリア語「Sono contento(ソノ コンテント)」を突然つぶやくなど、いかにも “変わり者の天才” タイプのキャラクターに見えた。

 

 しかし、その羽男のキャラクターが偽りだということが、開始5分後に明かされるのである。

 

 石子は羽男から預かった資料のなかに、「カリスマ的に見える言い回し。突然イタリア語を呟くとかいいかも」などと書かれたメモを見つけており、「もしかしてあなた、ドラマや小説に出てきそうな “型破りな天才弁護士” を演じてません?」とあっさり看破するのだった。

 

 タジタジになる羽男。いきなり弱みをさらし、情けなく狼狽する羽男には不思議と好感が持てる。法廷もののドラマで “型破りな天才弁護士” が主人公という作品はありがちだが、そのマンネリなフォーマットを逆手に取って、天才風のメッキをあっさり剥がすという手法は斬新だった。

 

■高評価の裏に見え隠れする2つの懸念点とは?

 

 第1話では、喫茶店でスマホを充電していたら電気泥棒として店主から訴えられた依頼人が登場するのだが、物語がそこから二転三転していき、終盤までどう着地をするのか読めない展開で面白かった。

 

 また、石子の父親の人情派弁護士を演じるさだまさしが、ゆったりしたテンポで柔和な演技をしており、その好好爺ぶりがほっこりして作品の箸休め的な役割を担っているのもよかった。

 

 このように高評価ポイントの多い『石子と羽男』だが、懸念点がないわけではない。

 

 まず、羽男だけでなく石子のキャラクターも立っているので、主人公2人の魅力はあるのだが、第1話を観る限り、会話劇としての掛け合いの妙はあまり感じられない。今後、話数を重ねていって関係性も深まっていけば、主人公2人のキャラのシナジーが期待できそうだが、第1話ではそこまでテンポのいい掛け合いはなかった。

 

 次に気になるのは、堺雅人が無敗の敏腕弁護士、新垣結衣が正義漢の強い気真面目な新米弁護士を演じたドラマ『リーガル・ハイ』(2012年、2013年/フジテレビ系)の存在だ。

 

『リーガル・ハイ』は、『コンフィデンスマンJP』の脚本家・古沢良太氏が手がけており、それこそ堺と新垣が演じたキャラの掛け合いが絶妙で、上質な会話劇となっていたヒット作。主人公が弁護士の男女コンビでコメディタッチであるという類似性から、『リーガル・ハイ』と比較されてしまうと『石子と羽男』は少々分が悪い気がする。

 

 だが、『リーガル・ハイ』の堺の役は “型破りな天才弁護士” であり、『石子と羽男』の羽男はその王道設定をある種踏み台にしたキャラクターとなっている。今夜放送の第2話以降で羽男のキャラクターがどんどん跳ねていけば、『リーガル・ハイ』以上の高評価を獲得するヒット作に化けそうだ。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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