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「パーマン2号の絵をスラスラと」個性派声優・大竹宏さん死去 後輩が語る「母校とキャラクターへの愛」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.08.10 20:28 最終更新日:2022.08.10 20:28
8月9日、声優・俳優の大竹宏さんが、8月1日に急性心不全のため亡くなっていたと、所属事務所が発表した。90歳だった。
大竹さんはアニメ『キテレツ大百科』に登場するガキ大将・ブタゴリラ(初代)、『パーマン』の天才チンパンジー「ブービー」ことパーマン2号など、藤子不二雄作品で個性的な役を演じた。
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藤子作品だけでなく、80年代の人気アニメ番組『Dr.スランプ アラレちゃん』では「ニコチャン大王」を好演。「地球」を「チタマ」と呼ぶ演技が印象的だった。
また、昭和期に放送されていた子供向け番組『ママとあそぼう!ピンポンパン』(フジテレビ系)では、カッパの「カータン」の声だけでなく、着ぐるみの中に入り、動きも担当していた。
大竹さんは、明治大学付属明治高校を卒業後、役者の世界へ。同級生との座談会をおこない、その編纂、まとめ役を引き受けるなど、強い母校愛を持っていた。
そんな大竹さんの母校に関するエピソードを、明治高校の後輩が語ってくれた。
「10年ほど前、母校の野球部が甲子園を目指して、多摩市の一本杉公園野球場で試合をおこなっていたのを、応援しに行ったんです。そのとき、内野席の隣りにお爺さまが座っていました。
ご年配のOBか、お孫さんの応援かと思っていたところ、試合の中盤くらいに、水筒から冷えた麦茶を紙コップに入れて、僕と妻に『良かったら飲んで!』とおっしゃってくれたんです。そこでご挨拶をしたら、『俺もOBなんだ。戦前生まれだけどね』とのことでした。
すると、今度はバッグからメモとペンを取り出し、いきなり絵を描き始めました。スラスラ描かれていくイラストを眺めていると、カータンにパーマンだったんです! ちょうど我々の世代が子供時代に大好きだったキャラだったので、驚いてみていると、横にサインを書かれて『これ、俺が声をやってるんだ(笑)』『俺、声優なんだよ。この子たちの』と。それが大竹宏さんだったんです」
母校だけでなく、自ら演じたキャラクターも愛していた大竹さん。あの個性的な声が聴けなくなるのは、寂しい限りだ。
( SmartFLASH )