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【坂本冬美のモゴモゴ交友録】中村雅俊さんーー桑田佳祐という運命の糸で結ばれた2人が奇跡の共演
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.08.27 06:00 最終更新日:2022.08.27 06:00
お顔は、もちろん存じ上げています。何度かご一緒したこともあるし、ご挨拶もさせていただきました。
でも、しかし。きちんとお話しさせていただいたという記憶がない……いや、ないはずだ。ないような気がする……どんなに記憶を遡っても、いまいち自信が持てない……ということってありますよね?
ここだけの話ですが……わたしは……あります。それも、ほんのひと月ほど前に(苦笑)。
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「次の公演ですが、ウチにとって創業150周年という記念の年でもありますし、意外なコラボということで……中村雅俊さんはいかがですか?」
明治座の方から、そうお声をかけていただいたのは、昨年秋のことでした。
中村雅俊さん? もしかして『恋人も濡れる街角』の?
冷静に考えると、もしかしなくても『恋人も濡れる街角』を歌っていらしたのは、中村雅俊さんしかいないのですが、なんたってそのとき、わたしの頭は一瞬でパニック状態になっていまして……。
だって、ですよ。『恋人も濡れる街角』の作詞・作曲は……あの、あの、あの、桑田佳祐さんなんですよ。
『恋人も濡れる街角』が発売されたのは1982年。わたしが『ブッダのように私は死んだ』を歌わせていただいたのが2020年。38年の時を超え、桑田さんという運命の糸で結ばれた2人が、同じ舞台に立つなんて、これはもう奇跡というしかないじゃないですか!! 違いますか!? どう思います?
あら、失礼……書いているうちに、わたくし、また興奮してしまいました(苦笑)。
あれは……中村雅俊さんが、わたしとの共演を快く引き受けてくださり、いよいよご挨拶させていただくことになった日の数日前のことです。
加山雄三さんとの思い出を振り返りながら、事務所から送られてきた写真を見ると……右端がわたしで、その隣に加山さん。次が和田アキ子さんで、その隣……いちばん左に写っていらっしゃるのは……もしかして、中村雅俊さん?
何度もすみません。もしかしなくても、中村雅俊さんです。そうです。2014年にテレビ朝日で放送された『若大将のゆうゆう散歩スペシャル』で、ご一緒させていただいていたんです。
瞬間、絡んだ糸がするすると解れていくのが自分でもわかりました。降り頻る雨の中、最初はわたしと加山さんが相合傘で横浜・中華街をお散歩して、長谷寺で和田アキ子さん、中村雅俊さんと合流し……あぁ、そうだ。思い出しました。楽しくおしゃべりして、お食事をご一緒し、最後はみんなで歌まで歌って。もう、穴があったら入りたい気分です(笑)。
8年ぶりにお会いした中村雅俊さんは、あのときのまま……ダンディでおしゃれで。ちょっとだけお変わりになったかなと思ったのは、お優しそうな目元が、ほんの少し下がったような、モゴモゴモゴ。
9月20日に初日を迎える(楽日は10月18日)明治座の公演は、一部が石井ふく子先生演出の『いくじなし』。二部が、わたしと中村雅俊さんのオンステージ。わたしは『ブッダのように私は死んだ』を歌わせていただきますし、中村雅俊さんは『恋人も濡れる街角』を歌ってくださる予定です。
そして、そしてーーまだ秘密ですが、わたしが「一緒に歌ってくださいますか?」と伺ったら、「喜んで」と言ってくださったので、デュエット……なんてこともあるかもしれません。乞うご期待です!
さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、ニューシングル『酔中花』が発売中
写真・中村 功
取材&文・工藤 晋