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香川照之『日曜劇場』も降板で10月にはテレビから消滅 “家業”歌舞伎界で待つ「新参者」扱いの日々
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.09.08 22:10 最終更新日:2022.09.08 22:11
“性加害”報道に起因した出演番組、CMの“降板ドミノ”に見舞われている、俳優の香川照之(56)。9月8日、10月スタートの日曜劇場『アトムの童(こ)』(TBS系)からも降板することがわかった。
9月8日付の「スポーツニッポン」によると、香川のテレビ出演は、残すところ29日まで放送予定のドラマ『六本木クラス』(テレビ朝日系)と、大日本除虫菊のCMのみとなり、10月以降はテレビでその姿を見る機会が、ほぼなくなりそうだ。
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となると、当面の香川の活動の場は、歌舞伎界に限られる。俳優・香川照之は、歌舞伎役者・九代目市川中車としても知られている。興行を担う松竹に本誌が問い合わせると、「現時点では、既に発表している公演の演目や配役以外は検討、調整中でございます。その他の公演情報も含めて、準備が整い次第、順次発表して参ります」との回答だった。つまり、すでに決定している演目への出演は、予定どおりおこなうということだ。
テレビ出演は消滅の憂き目にあったとはいえ、“歌舞伎一本”となるのは香川の本望かもしれない。
歌舞伎役者・三代目市川猿之助の息子として生まれた香川は、幼いころに両親が離婚。父とは離れ離れとなり、会うことも許されなかった。その後、香川は父への思慕を募らせるとともに、歌舞伎役者の“家業”を継げなかった悔しさを抱えて生きてきたことを、自著で綴っている。
2004年、元妻との間に長男を授かった香川は、父としての思いをエッセイのなかでこう記している。
「もらったタスキを誰かに渡す責任――甘えてはいられない。私には自分の息子に父親としての生き様を見せ、後継ぎの系譜を残す使命がある」(『日本魅録』キネマ旬報社より)
長男について「俳優になることが最低条件」と考えていた香川は、やがて「歌舞伎役者にしたい」と明言するようになった。それほど、歌舞伎への執念には並々ならぬものがあった。
そして2011年、香川は長男が五代目市川團子(だんこ)を、自身は九代目市川中車を襲名することを発表。ついに、悲願の歌舞伎界入りをはたしたのだ。
皮肉にも現在、香川は“家業”に全身全霊を注げる状況にあるともいえる。テレビや映画での活躍で、芝居巧者として定評のある香川だけに、歌舞伎でも通用するかと思いきや……。こんな声も聞かれる。
「香川さんは、ドラマや映画では演技派で超売れっ子ですけど、歌舞伎界ではキャリア10年ほどで、新参者。『もっと稽古をしなくちゃいけない』と指摘する先輩歌舞伎役者もいるほどです。うまくはなっていますけど、まだまだ実力不足で、年下の役者にも声の出し方などの教えを乞う立場です。ドラマや映画の世界とは勝手が違います。演目も古典ではなく現代物が多い。
歌舞伎役者は、幼いころから長唄や日本舞踊などを習い、芸事の基礎が身体に染みついています。香川さんは両親の別居もあり、歌舞伎に必要な稽古を受けることができませんでした。そのため、46歳で歌舞伎界入りした香川さんは歌舞伎特有の発声や喋り、言い回しを身につけるのに、相当苦労しました。
とくに、古典の演目の舞台に立つと、稽古してきた年月の差が如実に出ます。現代劇ともいわれる、町人の出来事を題材にした世話物の舞台では、力量の差はそこまで感じませんが」(芸能関係者)
伝統芸能の演技は、一朝一夕では身につかない。香川、いや中車にとって、いまこそ稽古に打ち込めるときかもしれない。
( SmartFLASH )