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関水渚「最近は村上春樹さんにはまってます」宝物は母からもらった蛙のブックカバー
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.10.08 06:00 最終更新日:2022.10.08 06:00
女優の石原さとみに憧れて、ホリプロタレントスカウトキャラバンに応募したのは高校生のとき。ファイナリストに選ばれて、憧れの人と同じ世界に入った。
映画のヒロイン役で女優デビューして以来、わずか3年ほどの間に、話題作に次々と出演してきた関水渚(24)。
「初めて台本というものを読んだときは、とにかく台詞を覚えて、言わなくちゃということで頭がいっぱいでした。いま思えば、受験勉強みたいな読み方だったかもしれませんね」
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少しずつ、覚えるためだけではなく、感じるために台本を読むようになったという彼女が、ヒソカに大切にしているモノは、母親からプレゼントされたブックカバー。
「母は、本物のカエルは苦手なくせに、キャラクターのカエルは大好きなんです(笑)。書店で購入したときにかけてもらった紙のカバーのまま本を読んでいる私を見てプレゼントしてくれました」
本好きになったのは、高校2年生のころ。きっかけは?
「突然、本の魅力にハマっちゃったんです。最初はミステリーとか、読みやすいものを手当たり次第に読んでいたのですが、気づいたら、宮部みゆきさんや綿矢りささん、江國香織さんなど、女性作家の本を手に取ることが多くなっていました。男性作家では最近、村上春樹さんをよく読みます」
カエルのブックカバーを開けば、素敵な世界へ連れていってくれる読書。
「一人で楽しめるし、静かに集中できるし、文庫本なら数百円で買えるし(笑)。最高の趣味だと思います」
若い世代の本離れが嘆かれるなか、24歳の “読書家” は頼もしい存在だ。
「確かに、私の世代はあんまり本を読まないみたいだけど、もっとみんなにも読んでほしいと思いますね。なんて、自分が本を書いているわけじゃないのに(笑)」
そんな関水が映画『いつか、いつも……いつまでも。』で演じているのは、漫画家を目指すヒロインの亜子。
自分に自信が持てないまま、親の言うとおりに結婚したものの、現実と折り合うことができずに、一人で海辺の町へふらりとやって来る。
「台本を読んだとき、亜子はすごく不器用な女のコだなと思いました。頭の中では、人に喜んでもらいたいとか、この人と仲よくなりたいとか、すごく考えているのに、それを行動に移すどころか、逆のことをしちゃうんです」
最初のうちは、亜子の生い立ちや気持ちを計算して演じようとしてしまう部分もあったというが、撮影が進むにつれて、だんだん自分と亜子がシンクロするようになったのだという。
「その時々の亜子の気持ちと、自分がこれまで経験してきたなかでの気持ちを重ねていきました。ああ、私はこんなことがあったとき、こういう気持ちだったな。ああ、あの気持ちか、わかるよ! というふうに」
役の気持ちをリアルに感じられないまま演じることはできない?
「今の私はそうですね。もっともっと役に対しての理解を深めて、それをアウトプットできるようになりたい。演技のテクニックも含めて、自分のレベルを上げたいです」
そのために心がけているのは、感情のストックを増やすことだという。
「何かを感じたとき、スルーしないで、自分の気持ちとしっかり向き合うように心がけています」
来年は、NHK大河ドラマ『どうする家康』で、時代劇に初挑戦する。
「忙しくなると、読書の時間が減ってしまうんですけど、そうすると心の動きが鈍くなるような気がするんです。忙しいときこそ、楽しい本、美しい物語にふれて、心を柔軟に保ちたいと思っています」
もうひとつの趣味は、渚という名前によく似合う、ウインドサーフィン。
これからも、関水渚というボードは、セイルに風を受け、なめらかに、ダイナミックに、大きな世界を滑走していくに違いない。
せきみずなぎさ
1998年6月5日生まれ 神奈川県出身 2015年の「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」のファイナリストとなり、2019年に映画『町田くんの世界』のヒロイン役で女優デビュー。おもな出演作は映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編・英雄編』、ドラマ『アノニマス〜警視庁 “指殺人” 対策室〜』など
※映画『いつか、いつも……いつまでも。』は10月14日(金)より全国公開。家族の繋がりを描くハートウオーミング・ラブストーリー。出演・高杉真宙、関水渚ほか
写真・中村 功
取材&文・工藤菊香
ヘアメイク・伴まどか
スタイリスト・津野真吾(impiger)
衣装協力・OSEWAYA/NATSUMI OKUMURA