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山田涼介『親愛なる僕へ殺意をこめて』攻めたサスペンスで、視聴率4.5%はもったいない

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.10.12 11:00 最終更新日:2022.10.12 11:00

山田涼介『親愛なる僕へ殺意をこめて』攻めたサスペンスで、視聴率4.5%はもったいない

 

 4.5%と世帯平均視聴率(※視聴率はビデオリサーチ調べ/関東地区)が爆死ぎみでスタート。さすがにこの低視聴率はもったいないなと感じた。

 

 先週水曜にスタートしたHey! Say! JUMP山田涼介主演の『親愛なる僕へ殺意をこめて』(フジテレビ系)。ヒロインキャラに川栄李奈門脇麦という若手実力派女優2人を迎えたドラマだ。

 

 

 なかなか攻めたグロいシーンがあり、ストーリーもどう転がっていくかと引き込まれる作り。サイコな猟奇殺人を題材にしたサスペンスが好きなら、見て損はないドラマだと思うのだが……。

 

 主人公の浦島エイジ(山田)は、一見するとお気楽な性格でどこかマヌケな大学2年生。だが実は、15年前に亡くなったエイジの実父は、5人の女性を拷問したすえに殺害した連続猟奇殺人事件の容疑者だったのである。

 

 そんななか、15年前と酷似した方法で惨殺された女性の遺体が発見された。エイジはその被害女性と知り合いでもなんでもないのだが、エイジのもとに刑事が訪れ、2人が一緒にいる映像を見せつける。そして刑事は「あなたたち、付き合ってたんでしょ」「お前の彼女だよな」と断言するのだ。

 

 被害女性が殺害された前後、エイジは3日間も記憶が飛んでいたため、自身が二重人格者で、もうひとつの人格 “B一” が殺人犯なのではないかと疑いはじめ――という展開だった。

 

■もうひとつの人格が殺人犯の可能性は低い?

 

 今後のストーリーをざっくり予想してみると、まずB一が殺人犯という可能性は薄い。

 

 実父が猟奇連続殺人犯とされていて、今回の遺体の殺害方法がそっくりで、被害女性とB一は恋人同士……と怪しいところが満載。しかし、それゆえにメタ的に考えると “第1話からめちゃくちゃ怪しすぎるから、逆に怪しくない” のである。

 

 さらに深読みすると、公式サイトに載っている実父の人物紹介欄は、「連続殺人事件の犯人とされている」と奥歯に物がはさまったような断定を避ける記述となっているため、実父は冤罪の可能性もありそうだ。

 

 ということで、ミステリーのセオリーにのっとって王道の考察をするならば、B一も実父も殺人犯などではなく、べつの真犯人が存在するという可能性は十分あるだろう。

 

 ただ、最終的にどう着地する作品なのかが読めず、引き込まれる第1話だった。

 

 最終話で主人公や主要登場人物の誰かが二重人格だと判明するのは、もはや手垢がつきまくった手法で興ざめしてしまう。けれど本作の場合、最初から主人公が二重人格だと明かされているわけで、使い古されたつまらないオチにならないことが確定している点も、見応えを増加させている。

 

■川栄は朝ドラヒロインから路線変更

 

 二重人格設定の突拍子もない物語ではあるが、演出やBGMなどに安っぽさはあまりないし、地上波ドラマにしては拷問シーンなどもがんばって攻めているので、エグいサスペンス好きのドラマファンなら観る価値アリだと思う。

 

 しかし冒頭でお伝えしたとおり、初回視聴率は4.5%とひどい数字。

 

 Hey! Say! JUMPのエースである山田は若い女性からかなり人気があると聞くが、逆に言うと山田ファンの10代・20代女性はテレビをリアルタイム視聴する習慣があまりないだろうから、視聴率で判断するのは酷かもしれない。

 

 とは言え、ジャニーズのエースが主演し、今年4月まで放送されて人気を博した朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK)で3代めヒロインを務めた川栄を起用しての4.5%スタートは、さすがにフジテレビとして看過できないだろう。

 

 筆者としては、ハードな描写もあるサスペンスという点を評価しているのだが、そこが観る者を選ぶ要素になってしまっているとも言えるので、山田を推している女性ファンや、朝ドラで川栄を好きになったファンから、敬遠された可能性も……。

 

 だが、自分が二重人格だとわかって情けなく戸惑う山田の演技はよかったし、朝ドラで天真爛漫ヒロインを演じた川栄が、今作では180°路線を変えて売春クラブで働く女性を演じるという配役の妙もある。

 

 スタートはコケてしまったが、今夜放送の第2話にも注目したい。

 

●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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