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『ザ・トラベルナース』岡田将生の代表作になりそうな予感…水谷豊の『相棒』、沢口靖子の『科捜研の女』を彷彿

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.11.03 11:00FLASH編集部

『ザ・トラベルナース』岡田将生の代表作になりそうな予感…水谷豊の『相棒』、沢口靖子の『科捜研の女』を彷彿

 

 新たな金脈を掘り当てたテレビ朝日は、ホクホクなのではないだろうか。

 

 先週木曜に第2話が放送された岡田将生主演の医療ドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)。世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)が第1話11.9%、第2話11.1%と余裕の二桁キープで絶好調なのだ。

 

 この視聴率は第1話17.3%、第2話15.4%といまだ圧倒的な人気を誇っている『相棒 21』(テレビ朝日系)に次いで、今期の民放ドラマで2位に位置している。

 

 

 たとえばTBSの看板枠・日曜劇場の『アトムの童(こ)』は第1話8.9%、第2話10.6%で、フジテレビの看板枠・月9の『PICU 小児集中治療室』は第1話10.3%、第2話7.5%という数字。

 

 要するに『相棒』という人気ご長寿シリーズを除いた新規作品のなかで、民放トップということだ。

 

 視聴率至上主義の時代はもう終わっているが、コア視聴率(13歳~49歳の個人視聴率)がいまいちと囁かれているテレビ朝日のドラマとしては、『ザ・トラベルナース』は上々すぎるすべり出しと言えるだろう。

 

■性格の悪い医師たちを見返していくというストーリー

 

 主人公は、一定の医療行為ができる看護資格「NP(ナース・プラクティショナー)」を持ち、アメリカを転々としながら医療活動に従事していたトラベルナース・那須田歩(岡田将生)。

 

 そして、第2話の時点ではまだお互いの主義ややり方の違いから反発し合っているが、歩のバディ役になっていくであろう存在が、謎多きスーパーナース・九鬼静(中井貴一)。

 

 歩と静は同じ日に民間病院「天乃総合メディカルセンター」に着任。この病院は看護師が次々とやめていき、慢性的な人手不足に悩まされているのだが、おそらくその理由は多くの医師たちがあからさまに看護師を下に見ているから。

 

 こういった舞台設定から考えると、歩と静が患者に寄り添って救っていきながら、エリート気質で性格がねじ曲がった医師たちを見返していき、視聴者にストレスを発散してもらうという図式なのだろう。

 

 実際、性格の悪い高慢かつ理不尽な医師がさっそく何人も出てきているし、歩と静は医師たちの方針に逆らって、ぎゃふんと言わせたり出し抜いて黙らせるといった展開になっている。

 

■中井貴一主演なんじゃないかと思うほど抜群の存在感

 

 とはいえ、岡田演じる主人公・歩は聖人君子のような人格者というわけではなく、自分の有能さを過信した唯我独尊タイプに思える。さすがに悪役医師たちのように利己的な振る舞いや、患者をないがしろにすることはしない。

 

 けれど、同僚の看護師たちとのコミュニケーションを軽視したり、医師に対して過剰に不遜な態度を取って不必要に怒らせたりと、精神的に未成熟に見えた。

 

 そのため、第1話の前半を観ていた時点では、意識高い系のガキっぽい主人公のキャラクターを “是” とする物語なら感情移入できないかもしれないという懸念があったが、それは杞憂だった。

 

 第1話後半で、中井演じる静が柔和な笑みを浮かべながら、歩にはっきりとこう告げたのだ。

 

「医者は病気を見つけて病気を治し、ナースは人を見て人を治す。あなたもちゃんと人を見ていれば、すぐにわかったはずです。つまりあなたは、プライドだけが無駄に高い、ただのバカナースです」

 

 静は、歩の鼻っ柱をきちんと折って、諭していくポジションということだろう。一見温和だが、キメるときはビシッとものを言う静のおかげで、歩のような未熟で無礼な主人公の成長も温かく見守っていけそうだと思えた。

 

 ……というか、静のキャラクターが魅力的で、なおかつストーリーの中心にいるため、主演は中井貴一なんじゃないかと思うほど。岡田の単独主演作ということになっているが、第2話まで観たかぎり、実質的には岡田と中井のダブル主演作品と考えていいだろう。

 

■岡田将生にとって、水谷豊の『相棒』のようになる?

 

 本作は米倉涼子主演の大ヒットシリーズ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)の脚本家・中園ミホ氏のオリジナル作品。

 

 否が応でも『ドクターX』を彷彿させる「テレビ朝日×中園ミホ×医療ドラマ」という布陣のため、『ドクターX』ファンからの期待値が高かったのは間違いない。

 

 視聴率的にはその期待に応えられている。テレビ朝日はこの作品をシリーズ化したいだろうから、このまま高視聴率を維持していけば、第2シリーズの制作は既定路線かもしれない。

 

 病院を転々とするトラベルナースを主人公にしているため、シーズンごとに舞台(病院)を変えて悪役を一新すればマンネリしにくいだろう。

 

 もちろん、今作の悪者キャラや仲間キャラの人気に火がついていけば、現在の舞台で継続するという選択もできる。そのあたりは視聴者の反応を見てフレキシブルに対応すればいいので、実に続編を作りやすい設定だと感じる。

 

 気が早い話だが、この『ザ・トラベルナース』は、水谷豊にとっての『相棒』、沢口靖子にとっての『科捜研の女』(テレビ朝日系)のように、岡田将生にとって人生を賭けて演じていくようなドラマになる可能性もありそうだ。

 

 今夜放送の第3話にも注目したい。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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