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平野紫耀『クロサギ』最後のテロップが意味深すぎて胸アツ、きれいな完結ぶりに感嘆【ネタバレあり】
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.12.24 16:03 最終更新日:2022.12.24 16:04
まるでプロポーズのような手紙と意味深すぎるラストのテロップで、上質な余韻に浸らせてくれたKing & Prince・平野紫耀主演のドラマ『クロサギ』(TBS系)。
12月23日放送の最終話(第10話)はきれいに終幕した。
平野が演じる主人公は、プロの詐欺師である通称「シロサギ」をターゲットにして騙す、通称「クロサギ」の黒崎高志郎。黒崎は、実父が詐欺被害にあったことで一家心中事件を引き起こし、当時15歳だった彼だけが一命を取りとめたという凄惨な過去を持っており、「この世のシロサギを全て喰い尽くす」ことを目的に生きていた。
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最終話で黒崎が対決したのは、親の仇のひとりである宝条兼人(佐々木蔵之介)。表向きは日本最大手のメガバンクの執行役員として、清廉潔白な人間を装っているシロサギだ。
ここからはネタバレありで最終話のラストシーンを考察したい。
■【ネタバレあり】6年後の平野紫耀と黒島結菜は…
宝条の不正の証拠を掴み、見事に宝条を騙して撃破した黒崎。
黒崎は、検事を目指すヒロイン・吉川氷柱(黒島結菜)らと最後に穏やかな時間を過ごし、海外に逃亡したが、氷柱にこんな手紙を残していた。
「吉川さん、前に俺に言ったよね。いつか俺が足を洗って、俺の全部を受け止めてくれる人に出会ったら、新しい家族と生きていけるかもしれないって。俺は今でもそんなことはありえないと思ってる。でも、もしもそんな未来があるとしたら、俺が一緒に生きたいと願うのは、吉川氷柱だと思う」
ふだんはあまり本音を見せずクールな黒崎が、もはやプロポーズの域なのではないかと思える、「俺が一緒に生きたいと願うのは、吉川氷柱」なんて言葉を綴っていたことに驚く。それだけ黒崎が氷柱という人間を信頼し、受け入れているということの証拠であり、恋愛感情を超越した深い愛がそこにはあるのだと感じられる手紙だった。
そして、ラストシーンは6年後。
検事となった氷柱と帰国していた黒崎が横断歩道ですれ違う。しかし、お互いに気付きながらも振り返るタイミングがズレてしまい、そのまま会話も交わさぬまま去っていき終幕……。
手紙で「一緒に生きたいと願う」とまで書いていたわけだから、セオリーどおりならきちんと2人を再会させるところだろうが、それを逆手に取って、あえてすれ違うだけにするという粋な演出。「再会=感動」という安直な手法に頼らず裏切ってくるあたりに、作り手側の矜持が見えてよかった。
■最後のテロップ《黒崎の旅は つづく》の真意考察
最後に表示されたテロップも意味深で惹きつけられた。
《黒崎の旅は つづく》
このテロップ、普通なら続編を示唆しているととらえるところだが、本作においては事情がかなり異なる。前述したとおり、ラストシーンがきれいに完結していたため、これが本当に続編ドラマや続編映画化のフラグだとしたらげんなりしたところだろう。
しかし、メタ的に考えると、平野主演で本作の続編が作られる可能性はほぼない。
ご存知のとおり、平野は2023年5月22日にKing & Princeから脱退し、ジャニーズ事務所を退所することが発表されている。これまでの先輩 “辞めジャニ” たちの現状を鑑みれば、地上波テレビに出演するだけでもなかなかの壁があることがわかるし、ましてやジャニーズが取ってきた主演ドラマの続編が退所後に制作されるというのは、現実的ではないからだ。
そんなバックボーンを踏まえてテロップの意味を考えると、少なくとも商業主義の続編フラグではないことがわかる。制作陣は続編が作れないことを承知のうえで、ドラマだけでひとつの作品としてきちんと完結させたわけである。
それでもなお《黒崎の旅は つづく》という言葉で締めたのは、劇中の黒崎高志郎というキャラクターの人生に敬意を表し、平野紫耀というひとりの人間の未来へエールを送ったのだと取れないだろうか。
勝手な深読みかもしれないが、ラストのテロップは胸アツだった。
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
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