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【2022年「大傑作」連ドラ5作品】清原果耶が演じた「日本ドラマ史上、類を見ない大どんでん返し」とは?
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.12.30 06:00 最終更新日:2022.12.30 06:00
2022年、今年も数多くのドラマが放送された。
そこで今回は、『SmartFLASH』で年間100本近いドラマ批評記事を執筆しているコラムニストの立場から、2022年の「期待値が低かったのにフタを開けてみれば傑作」として、5つのドラマを独断で選んだ。
なお、ここで紹介するのは、あくまで当初は期待していなかった作品だ。
たとえば、月9『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)や日曜劇場『マイファミリー』(TBS系)など、もともと期待値が高く、それに応えて傑作だった作品は除外する。今回は、放送前は期待していなかったが、実際は傑作だったという、いい意味で前評判とギャップがあった作品を厳選した。
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ネタバレは最小限にして解説していく。今から視聴できる動画配信サービス名を記載しておくため、気になった方は、ぜひ正月に観ていただきたい。
■『妻、小学生になる。』(TBS系/1月期/Paravi)
堤真一主演のファンタジーホームドラマ。死別した妻が小学生の姿で戻ってきたことで、10年間止まっていた家族の時間が再び動き出し、再生していくという物語。
放送開始前は、漫画原作ということもあり、中年男性と小4女子のチープなラブコメを見せられるのかと思っていた。おそらく設定が気持ち悪いと感じて、視聴を敬遠した方も少なくなかっただろう。
しかし、実際は第1話から号泣。妻だと名乗る小学生に対して、主人公は最初は疑い、強く拒否していたものの、徐々に信じていき、受け入れるまでの過程がていねいに描かれていた。
亡き妻の魂が小学生の体を借りて戻って来たわけだが、では、もともとの少女の魂はどうなっているのか? ……そう考えていくと、物語序盤からどう終幕するかが透けて見えるのだが、それゆえに終始切ないセンチメンタルな空気感が漂っており、たまらないのである。
■『魔法のリノベ』(フジテレビ系/7月期/FOD)
大手リフォーム会社から弱小工務店に転職した波瑠演じる主人公が、間宮祥太朗演じる転職先のリノベ営業担当とバディを組み、住宅のリノベーションを依頼してくるさまざまな家庭の問題を解決していく、1話完結型のお仕事ヒューマンドラマ。
タイトルから「リノベ」を前面に押し出しているが、いかんせんニッチなテーマゆえ自分事に置き換えにくく、観なかったという人も多いのではないか。
けれど、本作はタイトルやあらすじからでは伝わらないおもしろさが満載。
とにかく、主要登場人物たちのキャラクターがいいのだ。気が強く仕事ができるしっかりキャラの主人公も、底抜けのお人好しでダメ男キャラのバディも、飾らない性格なので好感が持てるし、自分の弱さをさらけ出せるタイプなので共感もできる。
また、工務店の社長や従業員のオッサンたちも気さくで、独特なテンポで繰り広げられるコミカルな掛け合いに、クスッとさせられる。ハイテンションのおバカノリというわけではなく、独特のセリフまわしと “間” でほっこり笑わせてくれる上質なコメディだった。
■『六本木クラス』(テレビ朝日系/7月期/TELASA)
大ヒットした韓国ドラマ『梨泰院クラス』を、日本を舞台に置き換えたリメイク作品。六本木で居酒屋を営む主人公(竹内涼真)が、非情な仕打ちで自分と父親の人生を狂わした大手飲食店グループ会長(香川照之)と、その息子(早乙女太一)に復讐を誓い、飲食業界で成り上がっていくストーリー。
テレビ朝日はアメリカの大ヒットドラマをリメイクした『24 JAPAN』が大コケした過去があり、しかも人気にやや陰りが見えていた竹内が主演とあって、前評判はけっこう悪かった。
だが、香川と早乙女が演じる悪役の憎々しさが秀逸で、ストレスを鬱積させ、それをきちんと倍返しでスッキリ発散させてくれるので、極上のカタルシスが得られるのだ。
また、劣勢からの大逆転という展開はTBSの日曜劇場作品を彷彿させるので、復讐劇や成功譚の日曜劇場ファンなら観て損はないはず。
■『霊媒探偵・城塚翡翠』(日本テレビ系/10月期/Hulu)
清原果耶主演のミステリー作品。主人公・城塚翡翠は長い黒髪と翠(みどり)色の瞳を持つ絶世の美少女で、死者の魂を降霊させたり、魂の匂いを感じたりする特殊な能力で、“犯人が視える” という霊能力者だ。
そんな彼女を、バディ役で、恋愛関係にも発展しそうな人気推理作家(瀬戸康史)が、献身的にサポートしていく。
タイトルや主人公の設定から陳腐な探偵ものをイメージしてしまい、スルーしてしまったドラマファンも少なくないだろう。実際、全5話のうち第4話までは、本当に “陳腐な探偵もの” のように見えた。
しかし、ネタバレになるので多くは語らないが、最終話で日本ドラマ史上類を見ない、大どんでん返しが起こるのだ。第4話までをすべて伏線に使い、視聴者を大胆にミスリードしていたのである。
騙されていたということが、こんなにも快感に思える作品は、なかなかめぐり合えるものではない。すべてのタネ明かしが終わったあとで第1話から観直したくなること請け合いだ。
■『silent』(フジテレビ系/10月期/FOD)
主人公(川口春奈)が、聴力を失った元彼氏(Snow Man・目黒蓮)と、高校卒業後に別れて以来8年ぶりに再会し、手話を通じて関係を再構築していく純愛ドラマ。
1990年代には、『愛していると言ってくれ』(TBS系)や『星の金貨』(日本テレビ系)などが大ヒットしたが、いまどき聴覚障害をテーマにした純愛ものは流行らないだろうと思っていた。フジテレビの木曜22時枠は近年低迷しており、“死に枠” のようになっていたことも期待値の低さにつながっていただろう。
けれど、ご存知のように、フタを開ければ大ヒット。
特に第1話のラストで、2人が再会したシーンはヤバかった。主人公が手話をわからないのを承知のうえで、元彼氏が泣きながら怒涛の手話を繰り出す姿は、観ているこちらも涙腺崩壊。耳が聴こえない彼が《うるさい お前 うるさいんだよ》と手話で訴える切なさたるや……。
語りたいことは山ほどあるが、特にこの第1話ラストの圧倒的なまでのグリップ力が、大ヒットの引き金になったに違いない。
――今回紹介した作品は「Paravi」「FOD」「TELASA」「Hulu」といった動画配信サービスで視聴できるので、気になった方はぜひ観てほしい。
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
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