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氷川きよし活動休止…幻の芸名「天晴きよし」転機は高1で歌った『兄弟船』、ファンから23年も愛された理由は?

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.12.31 14:45 最終更新日:2022.12.31 14:46

氷川きよし活動休止…幻の芸名「天晴きよし」転機は高1で歌った『兄弟船』、ファンから23年も愛された理由は?

 

 12月30日、『第64回 輝く!日本レコード大賞』(TBS系)に出演した氷川きよし。優秀作品賞に選ばれた「甲州路」を熱唱した。レコ大に続き、31日の「第73回NHK紅白歌合戦」に出場すれば、無期限の活動休止に入る。

 

 休養前のメッセージを聞かれた氷川は、「23年、歌い続けてこられたのは、多くのみなさんのおかげです。これからも歌い続けていきますが、ちょっとお休みをいただきます。みなさんも、心と体を元気でいてください」と語りかけた。

 

 

 2000年2月、『箱根八里の半次郎』で歌手デビュー。茶髪にピアスという若者らしいルックスと演歌とのギャップが、幅広い世代の心を掴んだ。デビューするやいなや新人賞を総なめし、レコ大でも最優秀新人賞を獲得。演歌界のプリンスとしてのしあがっていく。休養前の晴れ舞台に選んだ「紅白歌合戦」には、デビュー以来連続で出場している。

 

 幼い頃から歌が好きだったという氷川。最初の転機は、演歌の魅力にハマった高校1年生のときだった。2006年9月23日の「スポーツニッポン」で、氷川はこう語っている。

 

「高1のとき、歌の先生に勧められたのがきっかけでした。先生に連れられて老人ホームを慰問したんですね。僕は『兄弟船』など数曲歌ったんですが、僕の歌なんかちゃんと聴いてくださるだろうかと心配していたのに、涙を流して聴いてくれたんです。その姿に僕も感動して泣きました」

 

 演歌の持つ力を知った氷川は、その後、多くのカラオケ大会で優勝。1995年、高校3年生で出演したNHKの素人勝ち抜き歌番組をきっかけに、スカウトされた。3年半の下積みを経て、デビューに至る。

 

「氷川きよしという芸名は、ビートたけしさんが名付け親だったことから、デビュー当時、大きな話題を呼びました。候補が10個ほどあったといい、なかには『天晴(あっぱれ)きよし』というのもあったそう。『それだけは嫌だった』とインタビューで語っています。氷川さんが初めて紅白歌合戦に出場した際、たけしさんと志村けんさんが応援ゲストとして出演し、コントを繰り広げました」(芸能記者)

 

 2002年にシングル『きよしのズンドコ節』発売、2005年には『初恋列車』で自身初のオリコン週間チャート1位を獲得。2009年に『浪曲一代』と『ときめきのルンバ』それぞれでオリコン週間チャート1位に。シングル3作品での首位獲得は、演歌ソロ歌手では史上初の偉業だった。

 

 順調にキャリアを積み重ねてきたが、2017年に再び転機が訪れる。『限界突破×サバイバー』(アニメ『ドラゴンボール超』主題歌)で、着物姿やスーツスタイルから一転、レザー衣装に濃いメイクをまとって熱唱したのだ。

 

 2020年9月7日の『日本経済新聞』で、氷川はこう語っている。

 

「ずっと変わりたいという思いはあったんです。演歌でデビューしましたけど、一方でポップス歌手への憧れというのも子どもの時からあったから。その気持ちをやっぱり大事にしてもいいのかなって。

 

 それに、40過ぎて “演歌界のプリンス” と言われ続けるのも照れくさいな……って。プリンスと呼ばれるのが嫌なんじゃなくて、氷川きよしという、いちシンガーとして見てもらいたいというか、1つの殻をいまだに破れずにいる気がして」

 

 どこに行っても、いつも『ズンドコ』を歌って、と言われたが、「過去のヒット曲を歌う “昔の人”」 になっていくことに大きな拒否感があったという。

 

 そんなとき、『限界突破×サバイバー』の仕事が来て「これだ!」 と思ったと明かす。実際、この曲で流れは変わった。演歌一辺倒だった氷川が、「脱・演歌歌手」を掲げ、ジャンルを問わず歌うスタイルに移った。ビジュアルも、自身の内面を反映したものに変化していく。

 

 2019年には「きよしくんとはさよなら。“きーちゃん” として、より自分らしく、ありのままの姿で輝きますから」と宣言している。

 

 大きな変化だったが、氷川のファン・通称「きよ友」たちはそんな彼を支え続けてきた。2020年3月7日付の「スポーツ報知」で、ファンへの思いをこう語っている。

 

「僕には流行に左右されず変わらずに応援してくださる方がたくさんいらっしゃる。演歌をやってきたからこそ『人間・氷川きよし』として応援していただけると思っています。

 

 ファンの方ってどっかで恋愛感情とかあるじゃないですか、特に若い方たちは。結婚したとたんにパッタリとやめたり。僕はファンの方に人間として家族愛というか深いモノを感じていて、それが根底にあるから人間対人間、つながりを持てる作品を歌ってきたという誇りはあります」

 

 デビューから23年、歌の道を走り続けてきた氷川が愛される理由は、この「人間として家族愛」にあるのだろう。今後は両親と過ごしたり、作詞作曲などに関わりたいとしている。最後の舞台となる『紅白歌合戦』で、きーちゃんは何を語るだろうか。

( SmartFLASH )

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