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坂本冬美の『モゴモゴ交友録』田原俊彦さんーー10代のころから、わたしにとって “永遠のアイドル”
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.01.21 06:00 最終更新日:2023.01.21 06:00
歌に魅了され、魂ごと持っていかれてしまった桑田佳祐さん。声にしびれたビョン様(イ・ビョンホン)。昭和の香りを漂わせるイケメン、Snow Manの目黒蓮くん……。これまで心をときめかせた方は何人かいますが、わたしにとって “永遠のアイドル” といったら、それはもう、文句なくこの人、トシちゃんこと、田原俊彦さんです。
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1970年代に女性の心を鷲掴みにした、郷ひろみさん、西城秀樹さん、野口五郎さんの新御三家から、トシちゃん、マッチ(近藤真彦)、ヨッちゃん(野村義男)の、たのきんトリオの時代へ。
やんちゃでクールなマッチも素敵だし、優しそうで、どこか頼りなさげなヨッちゃんもいいけど、わたしは断然トシちゃん推し。赤の衣装に身を包み、デビュー曲『哀愁でいと』を歌うトシちゃんに夢中でした。
もちろん、コンサートにも行きましたよ。友達と2人、チケットを握り締め、電車に乗っていざ和歌山市内へ。幕が開き、目の前で動いているトシちゃんを見た瞬間、もう心臓が破裂しそうなほど、感動の嵐に襲われていました。
そのトシちゃんを間近で……ほんの20cmほどの距離で見つめさせていただいたのは、わたしが初めてレギュラー司会を務めたYTVの『u・fu・fu』です。
きっと、スタッフの方が気を遣ってくださったんでしょう。その第1回めのゲストとして呼んでくれたのが、トシちゃんでした。
収録当日は、もう朝から気もそぞろで。トシちゃんの顔が頭の隅にチラつき、何をやってもうわの空です。
覚えているのは、リスペクトの証しとして、わたしも赤い衣装で収録に臨んだことと、トシちゃんが手を繋いでくださったこと。いやもう、それだけで十分だし、もう、う・ふ・ふなんですけどね。遠慮というか、慎み深いというか、うぶというか…結局、この日は「ずっとファンでした!」と告げられないままで。嘘のような話ですが、わたしにもそういう時代があったんです。
五木ひろし先輩が司会を務めるBS朝日の『人生、歌がある』では、デュエットもさせていただきました。
一度めは『別れても好きな人』。別れるどころか、おつき合いもしていないでしょう…なんて、野暮なことは言いっこなしです(笑)。
このときも、リハーサルからニヤニヤが止まらず、大変でした。
二度めは、念願だった『夏ざかり ほの字組』です。
研ナオコさんの動きをしっかり勉強して臨みました。
イントロが流れた瞬間、トシちゃんが、「冬美~~~っ!」と言ってくださったので、わたしも負けじと10代のころに戻り「トシちゃん~~~っ!」と叫び返して。もう、気持ちは乙女です(笑)。
それからも、お会いするたびに、ツーショットを撮らせていただいていますが、どの写真を見ても、わたしの目尻は下がりっぱなしなのに、トシちゃんは、変わらずカッコいいままです。
そのトシちゃんに、目黒蓮くんとの対談が掲載された後、「冬美ちゃんは若いコがいいんだよね?」と、さらりと言われたことがありまして。
いや、あの……それは……だから……と、しどろもどろになってしまったのですが、そんなわたしをニヤニヤしながら見ていたトシちゃんが、一瞬、真顔に戻ってひと言。
「目黒くんはいいよ」と、呟きました。それがまた、すごくカッコよくて。あぁやっぱり、トシちゃんです。それでこそ、わたしの永遠のアイドルです。
さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、著書『坂本冬美のモゴモゴモゴ』(小社刊)が発売中!
写真・中村 功
取材&文・工藤 晋