華麗なる転身を果たした、元アイドルたちがいる。転身のきっかけを聞いた。
「料理の世界への憧れを持ち始めたのはアイドル時代、 体調不良や体重の増減に悩まされ、自分の体と食べることに興味を持ったのが大きいですね」
アイドルユニット「CoCo」としてデビューし活動していた宮前真樹さんは、2008年に食育インストラクター、食農検定資格を取得し、料理研究家に。2010年には渋谷にレストラン「M.NATURE AOYAMA」を開業した。
「レシピ作りや試作からすべて自分でおこないます。料理とアイドル、どちらも人に喜んでもらえる仕事、通じる部分はあると思ってます」
「チバレイ」の愛称で親しまれた、千葉麗子さんはPC会社社長として成功し、現在は執筆家。
インターネット普及以前の黎明期から、パソコン雑誌に登場し、「電脳アイドル」として人気を博した千葉さん。引退後に選んだ道はゲームソフト会社のOLだった。
「起業にあたって、社長としてなめられたらおしまいだと思い、メチャクチャ勉強しましたね」
パソコンなどを扱う会社「チェリーベイブ」を設立。
「年商1億円を超えましたが執筆活動に専念するため、2015年に会社を解散しました。今年は息子の大学受験でママ業が忙しいです(笑)」
「アイドリング!!!」でデビューした伊藤祐奈さんは、現在アイドルプロデューサーに。アイドルを「作る側」になろうと決心した伊藤さんが最初に自身に課したのは「普通の経験」だった。
「24時間365日アイドルをやっていた私には一般教養や社会経験が足りてないと思って。卒業の2日後にバイトの面接を受けました」
1年間、飲食店や歯科助手として働き貯めた資金でカナダに留学後、株式会社「TKMK」を起業。
「経験者として、経営者として、練習やオーディションから立ち会い、 アイドルを育ててます」
1989年、資生堂・エクボのCFで芸能界デビューし、テレビで活躍した鈴木蘭々は、2014年、化粧品販売会社「WOORELL」を設立している。
また、『Miss You~忘れないで』で1998年にCDデビューした歌手の八反安未果は、2010年、食品輸入・販売と飲食店を運営する「オセアンフーズ」の代表取締役社長に就任した。
業界ならではの転身も。2004年、ハロプロエッグオーディションに合格しデビューしたアイドルの福田花音は、2015年に「アンジュルム」を卒業したあと、作詞家に転身。
異色の転身はこちら、2010年アイドルグループ、「HR」としてデビューした中原未來。彼女は2015年、競輪選手への転身を発表し、2017年、日本競輪学校に入学している。
アイドルの転身について、経済学者であり、上武大学ビジネス情報学部教授・田中秀臣氏はこう分析する。
「ファンに自身の物語として夢を見せるアイドルは、自己プロデュースと営業力に長けた、実に起業家向きの人間と言えます」
たとえ転身したとしても、アイドルは周囲の人に夢を与え続ける存在であることには変わりないようだ。
みやまえまき
1973年生まれ 新潟県出身 1989年、アイドルユニット「CoCo」のメンバーとしてデビュー。近況は公式ブログ (http://ameblo.jp/makibotchi0116/)にて。店の看板メニューは特製オムライス
ちばれいこ
1975年生まれ 1991年デビュー。現在は執筆家として活動中。近著に『さよならパヨク』(青林堂)『ママは愛国』(KKベストセラーズ)がある。詳細は公式Twitter(@ CHIBAREI_DURGA)にて
いとうゆうな
1995年生まれ 香川県出身 2010年「アイドリング!!!」でデビュー。2017年、「TOY SMILEY」を始動。詳細は公式Twitter(@yu_na_ito)にて
(週刊FLASH 2017年6月27日号)