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『千鳥の鬼レンチャン』10曲達成で話題の丘みどり 「いつか鳥羽一郎になる!」5歳で立てた誓い、1児の母としての現在

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.02.11 06:00FLASH編集部

『千鳥の鬼レンチャン』10曲達成で話題の丘みどり 「いつか鳥羽一郎になる!」5歳で立てた誓い、1児の母としての現在

丘みどり

 

 名曲のサビを一音も音程を外すことなく歌い上げ、10曲連続歌唱に挑むという、千鳥がMCを務めるバラエティ番組『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)に出演。昨年、見事に鬼レンチャンを達成し、かまいたち山内健司に「参りました」と土下座をさせた丘みどり(38)のヒソモノとは?

 

「母が服飾学校に通っていたとき、卒業制作として縫った着物で、実際、母が自分の成人式で着たものです」

 

 

 色鮮やかな青の着物。それは、丘がまだ幼いころ「いつかあなたもこれを着てね」という言葉とともに、母から手渡されたものだ。

 

「ずっと箪笥にしまってあったのですが、『紙の鶴』という曲をいただいたときに、あの振り袖の柄はたしか……と思い出して」

 

 記憶とともに引出しから取り出したその振り袖は、鶴があしらわれた色鮮やかな青の着物で、母から手渡されたときのまま、静かにその出番を待っていた。

 

「成人式では、お婆ちゃんが買ってくれた振り袖を着たので、この着物は母が袖を通したきり、ずっと眠ったままになっていて。この着物を私に手渡したとき、母はどんな気持ちだったんだろうと思って、胸がぎゅっと締めつけられたのを覚えています」

 

 当時を思い出したのか、母の想いを確かめるように優しく着物を撫でていた丘が、小さくひとつ鼻を鳴らした。

 

「私を演歌歌手にしたいという思いが母にはあったので、いつかステージで着てほしいという気持ちがあったんじゃないかと思います。最期まで、一度も言葉にはしませんでしたけど」

 

 温厚でいつも笑顔だった父とは反対に、丘の母は厳しい人だったという。

 

 挨拶、礼儀、歌に対する姿勢。怒るのではなく叱る。当時は、それがすごく嫌だったというが、「今ならその母の気持ちがわかるんです」と、苦笑いを浮かべた。

 

「私のことが心配で心配で、しょうがなかったんですよね、きっと。私もちょっとずつ大人になってきて。一昨年、娘が生まれ、自分が母親になって、ようやくそのことに気づきました」

 

■5歳で「いつか私は鳥羽一郎になる」と宣言

 

ーーお母さんに似てきた?

 

「はい(苦笑)。母に言われてきたことをそのまま娘に言うんだろうなという予感というか確信があります。言っている自分が想像できます(笑)」

 

 母の教えがあったから、今、自分はここにいられる。揺るぎない自信と、亡き母への想い。 “演じて魅せる” という、丘みどりの世界観に向かってひた走る今の彼女には、恥ずかしがり屋で引っ込み思案だった少女の面影はない。

 

「生まれも育ちも姫路の山奥で。あるのは山と川と、時々イノシシ(笑)。演歌歌手にはなりたい。でも目立つのは嫌という、ちょっとへんな女の子だったんですけどね」

 

 5歳のときに見た鳥羽一郎に感動し、「いつか私は鳥羽一郎になる!」と宣言した少女は、もうそこにはいない。

 

「娘という守るべきものができたことで、これまでより、もっと人に対して優しくなれたような気がしますし、許せることが増えました。器が大きくなった!? まだそこまではいっていないと思いますけど(苦笑)。でも、強くなったとは思います」

 

ーーもしも、娘さんが演歌歌手になりたいと言ったら、どうしますか?

 

「いや……それは……でも、コンサートの前も、リサイタルの前も、ずっと家で私が歌っているので、娘はもう何十回、何百回も聴いていて……。子守唄のようになっているので、可能性としてなくはないですよね? 困ったぞ。う〜〜〜ん、どうしましょう?」

 

 最近のお気に入りは、2月22日にリリースすることになった、これまでのイメージを大きく変えるドラマチックな歌謡曲『椿姫咲いた』。

 

「レコーディング前から家で歌っていますが、娘はぐずることもなく、ずっと機嫌よく聴いているので、気に入ってくれているんだろうなと思います(笑)」

 

 作詞は、坂本冬美の『夜桜お七』などを手がけた歌人の林あまり。作曲は、指揮者、米米CLUBのメンバー、音楽プロデューサー……多くの顔を持ち、昨年大ヒットしたNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の音楽も手がけた金子隆博。オペラ『椿姫』を、丘みどりの歌世界に落とし込んだドラマチックな曲に仕上がっている。

 

「命の儚さ、女性の凛とした美しさ、愛の気高さ……さまざまなものが色鮮やかに描かれた一曲で、私にとっては勝負曲。衣装もそのイメージに合わせて用意しました」

 

 オペラファンの涙を誘った『椿姫』の主人公ヴィオレッタ・ヴァレリーは、パリの裏社交界を彩った高級娼婦。今回、丘が身に纏うのは、豪華絢爛な花魁風の衣装。ビジュアルでも、 “魅せる” を印象づける仕上がりになっている。

 

「娘が生まれ、強くたくましくなった丘みどり第2章にふさわしい曲……聴いてくださった方に、 “演歌ってカッコいいね” と言っていただけるような素敵な曲です」

 

 彼女の2023年のテーマは、進化と挑戦ーー。ここから丘みどりの快進撃がスタートする。

 

おかみどり
1984年7月26日生まれ 兵庫県出身 2005年に『おけさ渡り鳥』でデビュー。デビュー10年を機に、大阪から東京に進出。2017年にリリースした『佐渡の夕笛/雨の木屋町』で、『NHK紅白歌合戦』に初出場。2021年に結婚、出産。2月22日に、新曲『椿姫咲いた』をリリース

 

写真・中村 功 
取材&文・工藤 晋

( 週刊FLASH 2023年2月21日号 )

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