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子役から芸歴24年、若きベテラン須賀健太の矜持「役者という仕事の “職人” でありたい」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.02.12 11:00 最終更新日:2023.02.12 11:00
「5年ぐらい前に新宿の稽古場で稽古を終えた後、同世代の役者さんたちだったので、みんなでご飯食べようという話になって。それが29日だったので『肉の日だから肉を食おう』みたいな(笑)。それで新宿でお店を探して行ったら、めっちゃよかったんです」
七輪の上の網に並ぶホルモンを眺めながらこう話すのは須賀健太。「焼き肉はホルモンが充実しているとテンション上がりますね」というほどのホルモン好き。店内の昭和レトロな雑多な雰囲気もお気に入りだという。
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「みんなでワイワイしているお店が好きで、ついつい人間観察をしちゃいます(笑)。ホルモンはコリコリ系が好きで、ぱい、はつ、のどぶえはいつも食べます。ここは何を食べても美味しくて、ネギレバーもめっちゃおすすめです」
焦げ目のついたホルモンを口に運びながら、ビールをゴクリゴクリ。
「お酒は好きで、特にビールが大好き。ホルモンとビールは最高です」と美味しそうに飲む須賀は、28歳ながら芸歴24年。現場に行くと『芸歴的には先輩だから』と言われることもあるという。
特撮ものが好きで『ヒーローに助けられたい』みたいな話を親にしたら、テレビに出たいと思ったみたいで。子役の事務所に応募して所属しました。お芝居をしたいというよりヒーローに会いたいという気持ちでしたね」
演技レッスンに通うが、あまり好きになれずに2年ほどでやめてしまう。オーディションには落ちまくり、合格しても数歩歩いて台詞はないような役だけだった。
「両親は共働きだったので、続けるのも大変だと思って。そろそろやめようかなと思っていたときに『人にやさしく』が決まりました。それまで台詞はひと言、ふた言だったのに、3カ月レギュラー。自分の出番が増えて、いろんな人に見てもらえてチヤホヤされるのは、純粋に嬉しかったですね。きっと親がいちばん驚いたと思います。母はいつも現場に同行してくれたんですが、悪ガキだった僕を現場でおとなしくさせるのも台詞を覚えさせるのも大変だったと思います。続けさせてくれた両親には感謝しかないです」
ドラマ『人にやさしく』で大ブレイク。仕事は「ごっこ遊び」の延長だったと話す。
「小さいころから『なんとかごっこ』をするのが好きで、役をもらうとその人になって『ごっこ遊び』をするみたいな感覚でした。当時はまわりにいる大人といったら、学校の先生と親ぐらい。でも現場に行くと大人がたくさんいて、ひとつのものを作り上げていく。子供ながらにそのエネルギーに圧倒されて、楽しくてドキドキワクワクする世界だなって思っていました」
その後は国民的ヒット作となった映画『ALWAYS 三丁目の夕日』に出演。初主演作『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』では高い演技力が評価されて日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞する。
「『花田少年史~』の水田伸生監督は『明日のシーンをどうするか、自分で考えてきてね』と言う方だったんです。それまで子役に必要な技術は『こうやって』と求められるものに対して、どれだけできるかだと思っていました。自分が考えてきたことを見てくださる時間があったことで、考える楽しさや採用される嬉しさを知って。水田監督との出会いはものすごく大きかったです。
アカデミー賞をいただき、見ていて評価してくださる人がいるんだと嬉しかった。このころ、この仕事でずっと生きていけたらいいなと、漠然と思うようになりました」