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井上真央『100万回 言えばよかった』恋人バトンタッチなら「至上のラブストーリー」になる予感

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.02.17 11:00FLASH編集部

井上真央『100万回 言えばよかった』恋人バトンタッチなら「至上のラブストーリー」になる予感

 

 ここから恋愛の相手がバトンタッチされるのか? だとしたら、いい意味でかなり狂おしく切ない、至上のラブストーリーになるかもしれない。

 

 先週金曜に第5話が放送された井上真央主演の『100万回 言えばよかった』(TBS系)。プロポーズ直前に亡くなってしまった彼氏が、幽霊になって現れるというファンタジー要素の強い恋愛ドラマである。

 

 

 中学時代の幼馴染みだったものの、長年離れ離れだった相馬悠依(井上)と鳥野直木(佐藤健)は、2年前に偶然再会して恋人同士に。しかし、直木は不可解な事件に巻き込まれて死んでしまう。

 

 普通の人たちには幽霊となった直木の姿は見えないが、霊が見える家系の寺に生まれた刑事・魚住譲(松山ケンイチ)だけは、彼が見えて会話もできた。そのため、直木は魚住に頼んで悠依に言葉を伝えるようになり、おのずと3人で行動することが増えていく。

 

 直木はなんらかの事件に巻き込まれ殺されたようなのだが、自身が亡くなる前の記憶を失っており、真相に迫っていくサスペンスミステリーの要素もある。

 

 ラブストーリーとサスペンスミステリーの要素をミックスしているという意味では、2021年10月期に同枠で放送されていたヒット作『最愛』と似た雰囲気となっている。

 

 第4話まで直木の遺体が発見されていなかったため、悠依と魚住の前に現れていた直木は生霊で、実はまだ死んでいないのではないかとの声がネットで数多くあがっていた。

 

 制作陣は、意図的に第3話まで直木の死を明確に描かなかったのだろうから、ハッピーエンドを望むファンが、生還した直木が悠依と結婚するというラストを願ったのも頷ける。だが、第4話で「直木生還フラグ」は完全消滅。

 

 さらに第5話では、悠依と直木が、それぞれ真逆の決意をするところまでが描かれた。悠依はもうほかの誰とも恋愛をせず、幽霊の直木と一生一緒にいると覚悟を決める。一方の直木は、悠依に新たな人生を歩んでもらうため、事件が解決したら成仏して、彼女の前から去る覚悟をしたのだ。

 

■最愛の女をほかの男に託すという葛藤

 

 本作がドタバタラブコメなら、悠依が望むように幽霊の直木とこれからも幸せに暮らしていくというラストもありえるが、シリアス色の濃い本作では異様に見えてしまうため、その結末はありえない。となると、直木が成仏して消え去るのは最終話の既定路線だろう。

 

 では、悠依にとって悲しいだけのラストが待ち構えているかといえば、そんなわけでもなさそうだ。

 

 第6話の予告映像で、「嘘でも一緒にいるって言ってあげてよ!」と憤慨する魚住に対し、直木が「魚住さんさ、悠依のこと好きなんだろ」と告げるシーンがある。これまでも魚住が悠依に惹かれているような描写は何度かあったので、これで魚住の恋心は確定と考えていい。

 

 筆者はこのシーンで、直木の表情に注目した。「悠依のこと好きなんだろ」と言う直木は、怒ったり悲しんだりする雰囲気ではなく、なにかを悟って冷静に受け入れているような顔だった。つまり直木は、魚住に悠依を託す決断をするのではないか。

 

 もちろん直木は、自分が悠依を幸せにしたいと強く想っていたはず。けれど、自身の死を受け入れざるをえず、彼女を幸せにできるのは誠実でやさしく信頼できる魚住しかいない、と考えるのはごくごく自然に思える。

 

 自分の最愛の女をほかの男に託すなんて、言うは易く行うは難しだろうから、直木はさんざん葛藤するだろう。その決断に至るまでの心情を思うと、ヤバいぐらいに切なく狂おしい。

 

 ……だがその先に悠依の幸せがあるのであれば、ラブストーリーとして非常に美しい終幕になると思う。

 

――第1話から第5話の世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は7.4%、7.6%、7.1%、7.1%、7.4%。離脱する視聴者がほぼ出ていないことがわかる推移で、この安定した数字は、いまのご時世なら合格点と言えるかもしれない。

 

 悠依、直木、魚住の心がどう揺れ動いていくのか、今夜放送の第6話に注目である。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』に恋愛コラムを連載中。ほに『現代ビジネス』『文春オンライン』『集英社オンライン』『女子SPA!』などにコラムを寄稿

( SmartFLASH )

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